2017 FIA-F3ヨーロピアン選手権第1戦シルバーストン
佐藤万璃音、決勝レース2で5台抜きの12位
■概要
開催地:イギリス・シルバーストン(5.891km)
開催日:2017年4月14日(金)~4月16日(日)
参加台数:19台
■戦績
4月13日(天気:曇り/路面:ドライ)練習1回目 16番手
4月13日(天気:曇り/路面:ドライ)練習2回目 12番手
4月13日(天気:曇り/路面:ドライ)予選1回目 18番手
4月14日(天気:曇り/路面:ドライ)予選2回目 17番手
4月14日(天気:雨のち曇り/路面:ウェット~ドライ)決勝レース1(16周) 16位
4月15日(天気:曇り/路面:ドライ)決勝レース2(19周) 12位
4月16日(天気:晴れ/路面:ドライ)決勝レース3(19周) 17位
■報告
イギリスのシルバーストンで4月14~16日、WEC世界耐久選手権の併催イベントとしてFIA-F3ヨーロピアン選手権(ユーロF3)の開幕戦が19台の参加により実施され、フォーミュラカーレース3シーズン目を迎えた佐藤万璃音(さとうまりの/17歳)はドイツのモトパークより参戦しました。
練習走行2回目では12番手となる上々の滑り出しを見せた万璃音。
予選では1周6キロメートル近く1分50秒以上もかかるコースでトップから約0.9秒遅れと健闘するも17、18番手に留まり、世界中から若手有望株が集まるFIA-F3ユーロの競技水準の高さと厳しさを味わいました。
決勝レース1(33分間+1周)はウェット・コンディションのためセーフティーカー(SC)先導でスタート。度重なるSC導入という荒れた展開ながら、万璃音はユーロF3初戦を16位で終えました。
決勝レース2(33分間+1周)の万璃音はスタートで1台を抜きました。力強い走りで前方を行くライバルに次々と勝負を仕掛け、テレビカメラもこの積極的な走りに釘付けとなりました。
万璃音はその期待に応えるかのように、コーナー各所で鮮やかな追い越しを何度も見せて、最終的には5台抜きの12位となりました。
決勝レース3(33分間+1周)の万璃音はスタートで出遅れるも、決勝レース2と同じく力強い走りで9周目に15番手へ浮上しました。
前方を行く14番手の車両にもすぐさま迫り追い抜きを仕掛けましたが、勢い余り追突。このため最後尾へ落ちるも速さは失わず、終盤に1台を抜き17位でチェッカーフラッグを受けました。
なお、ユーロF3第2戦はイタリアのアウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァで、4月28~30日に開催されます。
■佐藤万璃音のコメント
「練習走行は時間が無いなりに割りと集中して走れました。もちろんクラッシュはできませんが、それでも90パーセントくらいでしっかり走れました:
「最初からクルマのセットアップが少し合っておらず、途中でも合わせきれませんでした。でも、初めてのサーキットでこれから戦うにあたっては良い勉強になりました」
「予選1回目のクルマは調整し直した結果、だいぶ良くなって乗りやすくなっていたし、タイムが出るクルマになっていたと思います」
「ただ、自分自身が硬くなってしまいました。集中はしていましたが一周をうまくまとめきれなかった」
「最後の周回は割りと落ち着いて走れて、セクター1とセクター2を自己ベストで来ていましたが、最終セクターでは前を走っていたクルマにスローダウンされてしまい、ダウンフォースが抜けて自己ベストタイムを記録できませんでした」
「ああいう走りをされてしまったのは仕方ない。もし自分が反対の立場だったら、やはり同じような走りをするかもしれません」
「予選2回目は何もできなかった。クルマを少しアジャストして臨み、それで何か変わったのかもしれませんが、状況は変わらなかった」
「タイムアタックのタイミングに関しては、ほかのドライバーのきに合わせて早めにタイムを出そうとしました」
「ただ、トップとのタイム差だけを見れば昨日と変わらず、自分の成長もミスで帳消しにして大きな上積みはできませんでした」
「決勝レース1について言えば、トラブルフリーにもかかわらず“ビリ”でチェッカーフラッグを受けたのは、カート時代を含めて生まれて初めてです」
「F3デビュー戦での完走という最低限の目標で叶えられましたが、小学生のときに優勝争いをしていて最後の最後で抜かれたマカオのカート以来、久しぶりに悔しさで涙がこぼれました。僕の人生で忘れられないレースとなりました」
「決勝レース2のスタートはかなり良かった。でも、横から来たクルマへの反応が遅れてクラッシュ寸前で、ひとつしか順位を上げられず残念です」
「クルマはもちろん良かったし、レースでのレコードラインを見つけるのがライバルよりも早かった。正直に言うと、レース内容をほとんど憶えていません」
「昨日どうしようもなく凹んで、ただそこで潰れなかった。今日の目標は確実に1台オーバーテイクすることでした。頭を使って前のドライバーのミスを誘ったりもできた」
「今日の出来は60点。低い自己評価なのは、あと確実に2台は抜けたのに、体力が足りなかった」
「ラスト4、5周、タイヤもクルマもイケていたのにプッシュできなかった。そのあたりから、コースに留まらなくてはいけないとか、いろいろ考えて走っていたのを憶えています」
「決勝レース3のスタートは最悪でした。最初のクラッチミートは良くて、そこで調子に乗ってちょっとクラッチを離したら、ホイールスピンがずっと止まらなかった」
「クルマは昨日からモディファイしたセットがだいぶ決まっていて、序盤は本来のF3レースらしく戦えた」
「目の前の1台を抜いてペースが上がって来て、さらに前の1台を抜こうとしたときに、自分のミスで当ててしまいビリまで落ちてしった。二度としないように気をつけたい」
「それでもクルマのダメージは少なかったので、後半のペースはかなり良かったしポジティブな部分と思います。次のモンツァはレース経験のある数少ないサーキットですが、だからといって気負って行くとミスするので、初心にかえって臨みたいと思います」