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WEC:開幕戦を制したトヨタのブエミ、6秒差で手にした「ポルシェを脅威に感じた」

2017年04月19日 11:22  AUTOSPORT web

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2017年WEC第1戦シルバーストン スタートシーン
2017年のWEC世界耐久選手権第1戦シルバーストンで勝利した8号車トヨタTS050ハイブリッドのセバスチャン・ブエミは、開幕戦での優勝争いが僅差だったことでポルシェを「脅威に感じる」と語った。
 
 開幕戦に、トヨタはコース特性とマッチしたハイダウンフォース仕様のエアロキットを投入。対するポルシェは不利なローダウンフォース仕様を投入していたため、レース前はトヨタが圧倒的有利と予想された。

 その予想通り、トヨタはフリー走行からコースレコードを更新する圧倒的なペースをみせ、予選でもフロントロウを独占した。

 決勝レースでもトヨタ勢が序盤からワン・ツー体勢を構築したものの、7号車トヨタはマシントラブルに苦しめられたほか、レース中盤にクラッシュ。優勝争いから脱落してしまう。

 また、このクラッシュにより導入されたセーフティカーの影響で、暫定トップの8号車トヨタが築いてきたギャップも消滅。ポルシェ勢と接戦を繰り広げることとなる。

 そしてレース終盤、2番手につけていた2号車ポルシェは最終ピットでタイヤ無交換作戦を敢行。この結果、8号車トヨタは一時、総合首位の座を奪われてしまった。

 最終的には2号車ポルシェよりフレッシュなタイヤを履いていたこともあり、8号車トヨタがレース残り12分でポジションを奪還。6秒173差で逃げ切り、今季初戦を勝利で飾った。

 最終スティントで逆転劇を演じチームに勝利をもたらしたブエミは、ポルシェとの僅差だったことを挙げ、トヨタには改善を行う余地があると警鐘を鳴らした。

「僕たちはもう少し(ポルシェより)速いと予想していたから、少し脅威に感じた」とブエミ。

「対策を講じる必要がある。ピットストップでは、ポルシェのほうがはるかに速かったからね。ラップペースにアドバンテージがあるのは良いことだけど、僕たちは給油作業とタイヤ交換作業について、改善するべきだ」

「結局、マシンは速かったし、最終スティントでは(ポルシェより)フレッシュなタイヤを履いていたから、自分たちが有利だということは分かっていた。それに雨が降っている時は、よりダウンフォースがある方が有利になるんだ」

■ポルシェ、「決勝に重点を置いた」戦略が奏功

 レース終盤にみせたオーバーテイクについて、ブエミは「あれは唯一のチャンスだった」と振り返っている。

「なぜならポルシェはストレートでは僕たちより速かったし、(2号車ポルシェをドライブしていた)ブレンドン(・ハートレー)は親切なことにスペースを空けてくれていたからね!」

「最後に優勝してから、かなり時間が経ってしまったから、こういっった形でシーズンをスタートできて最高だよ」

 一方、ポルシェのチーム代表アンドレアス・ザイドルは、シルバーストンには不向きなローダウンフォース仕様で挑んだにもかかわらず、2台の919ハイブリッドが表彰台を獲得したことを「優勝したかのよう」に感じると述べている。

 またハートレーは、最終スティントでブエミを抑え続けるのは不可能だったと認め、「わずか6秒差でフィニッシュできたことに満足している。なぜなら僕たちはこのレーストラックには不向きなエアロキットをつかっていたんだからね」と語った。

「トヨタが予選でみせたペースには少し驚いたけど、僕たちは決勝レースに重点を置いていた。そうすることが(優勝の)チャンスを掴む唯一の方法だと分かっていた」

「セーフティカーは間違いなく有利に働いた。最後にセバスチャン(・ブエミ)がフレッシュなタイヤでコースに戻ってきた時、僕たちはコース上でのポジションを優先することにしたんだ。(ユーズドタイヤで走行した)僕の第1スティントではいいフィーリングを得ていたからね」

「セバスチャンを長く抑え続けることはできなかったけど、いいバトルができた」