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アウディ、上海ショーで新型EV『e-tron Sportback concept』発表。19年より生産開始

2017年04月19日 10:52  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

Audi e-tron Sportback concept
2017年4月19日
プレスリリース

eモビリティ専用のアーキテクチャーを採用:Audi e-tron Sportback conceptを上海モーターショーで発表
◆生産開始は2019年から:アウディでは2車種目となる電気自動車

◆エモーショナルでパワフル:アウディならではのクーペデザイン

◆光による新機能:ライトを使って周囲とコミュニケート

 2017年4月18日、インゴルシュタット/上海:アウディは、上海モーターショーにおいて、多様な性格を備えた電気自動車のコンセプトカー、Audi e-tron Sportback conceptを発表します。

 このデザインスタディモデルは、クーペのスタイルをまとい、320kWの電気駆動システムなど高度なテクノロジーを搭載した4ドアのグランツーリスモです。

 この正統派GTモデルは、アウディの伝統的な特徴に、電気駆動テクノロジーと専用に開発されたアーキテクチャーによる、数多くの先進的なディテールを組み合わせています。

 Audi e-tron Sportback conceptは、eモビリティ実現に向けた重要な節目となるモデルです。AUDI AG取締役会会長のルパート シュタートラーは、次のように述べています。

「日常ユースに対応したアウディの初めての電気自動車となるAudi e-tron*の生産は、2018年から開始される予定です」

「この分野では、非常に激しい競争が繰り広げられています。我々は、500kmを超える航続距離と電気自動車ならではのドライブ体験を提供するこのスポーティなSUVを、2020年代におけるアウディの主力製品にするつもりです」

「Audi e-tronに続き、2019年には、Audi e-tron Sportback conceptの生産バージョンを市場に投入する予定です。このクルマは、ひと目見ただけで電気自動車と認識できるエモーショナルなクーペです」

 意識的に明るい色でまとめられたAudi e-tron Sportback conceptの室内は、明快な機能と、ボタンやスイッチ類を最小化した操作系を基本原則として設計されています。

 ドライバーと乗員は、中央のディスプレイの下、センターコンソールの上、そしてドアトリムにも設けられた広い面積を持ったタッチスクリーンを介して情報を受け取ったり、車載の各システムを操作したりすることができます。

 ダッシュボードの水平面と、宙に浮いているように見えるセンターコンソールによって、4座の独立シートを備えた室内は、非常に広々とした印象を与えます。

 Audi e-tron Sportback conceptの照明テクノロジーには、昼夜を問わずに最適な視認性を実現する革新技術が採用されています。ボディ前後のデジタル制御式マトリクスLEDユニットにより、多彩な光の演出が行われます。

 小さなデジタルマトリクスプロジェクター群は、前方の道路に向けてマークやサインを表示することで、周囲の道路ユーザーとの多様でダイナミックなコミュニケーションを可能にしています。

 フルLEDヘッドライトを生産モデルに採用した最初の自動車メーカーであるアウディは、その後もマトリクスLEDテクノロジー、レーザー照明、OLEDテクノロジーの実用化を果たすなど、この分野で業界をリードしてきました。

 今回上海で初公開するAudi e-tron Sportback conceptも、周囲とのインタラクティブなやり取りを含めて、ライトによる一連の複雑な機能を実現したモデルです。

 フロントボンネット下端の両側に設置された細いライトストリップ(デイタイムランニングライト)が、Audi e-tron Sportback conceptの目の役割を果たしています。

 数多くのLEDとマイクロミラーを組み合わせた表面と、複雑な制御技術を組み合わせることで、様々なアニメーションの動きや光のサインを表現することが可能になりました。

 Audi e-tron Sportback conceptを始動させるかドアを開けた場合、システムは微細にライトユニットを切り替えて、動きを伴った「挨拶」のサインを発します。

デイタイムランニングライトの下、シングルフレームグリルの両側にも、約250のLEDから構成された2つの大きなライトエリアが設置されています。ここには、クルマが走行中でも、様々なグラフィックや、特定の意思を伝えるための表示を行うことが可能です。

 Audi e-tron Sportback conceptの駆動システムは、将来アウディが電気自動車の生産モデルに採用を予定している構成をそのまま搭載しています。すなわち、フロントアクスルにひとつ、リヤアクスルに2つの電気モーターをそれぞれ設置して4輪を駆動することで、この高性能クーペを典型的なアウディのquattroモデルに仕上げています。

 320kW(ブーストモードでは370kW)のパワーは力強い推進力を発生し、0~100km/hをわずか4.5秒で加速する俊足ぶりを発揮します。バッテリーのエネルギ—容量は95kWhで、500kmを超える航続距離(NEDC)を可能にしています。

 先に発表したAudi e-tron quattro conceptと同様、水冷式のリチウムイオンバッテリーは、前後アクスルの中間、パッセンジャーコンパートメントの床下に配置されています。この搭載方法を採用することでクルマの重心を下げ、前後アクスルの重量配分も52:48(フロント:リヤ)と最適化することが可能になりました。


 それにより、スポーティなSUVコンセプトのAudi e-tron quattro conceptは、同セグメントの既存モデルよりも遥かに優れた運動性能と走行安全性を実現しています。バッテリーは、コンバインドチャージングシステムにより、交流(AC)と直流(DC)の両方で充電することができます。

 AUDI AGセールス&マーケティング担当取締役ディエトマー・フォッゲンライターは、中国市場における電気自動車の重要性を強調し、次のように述べています。

 「ここ上海でAudi e-tron Sportback conceptを初公開したことには意味があります。なぜなら中国は、電気自動車に関して世界をリードする市場であるからです」

「それは販売面はもちろんのこと、インフラ整備や行政による補助の面でも当てはまります。この国にはすでに約15万の充電ステーションが存在し、2017年末までにはさらに10万か所が増設される予定です」

「そうした急激な成長に我々も対応しようとしており、今後5年以内に中国で、e-tronモデルを5機種発売する方針です。そのなかにはAudi e-tron Sportback conceptのような、500kmを超える航続を可能にした純粋なバッテリー式電気自動車も含まれています。」

 Audi e-tron Sportback conceptのフロントエンドには非常に幅広く、水平の開口部が設けられた八角形のシングルフレームグリルが設置されています。

 電気モーターの場合は冷却エアをあまり必要としないため、大きなエアインレットを設ける必要はありません。ボディ同色にペイントされた立体的なフロントには、従来のシングルフレームグリルの場合と同じように、4リングスのロゴが配置されています。

 シングルフレームグリル中央部のエッジは内側に後退しており、上部を通ってエアが流れるようになっています。このエアインレットも、フロントエンド一杯に広がった黒い八角形のフレームのなかに収まっています。

 低い位置まで伸びたボンネット、フロントエプロンとホイールアーチの間に、それらを結びつける形でライトユニットが設置され、Audi e-tron Sportback concept独自の顔が生み出されています。

 アウディのデザイナーは、ボンネットを通る新しいエアフロー経路を採用しています。前方に向かって深く沈み込むフロントセクション上には、両側のホイールアーチを結ぶ水平のブリッジが設置され、エアデフレクターとしての役割も果たしています。

 その結果、Audi e-tron Sportback conceptのフロントエンドは内燃エンジンを搭載したクルマの厚めのフロントエンドに対して、よりダイナミックなキャラクターを備えるようになりました。

 ボディサイドでは、ボディから大きく張り出して上端が水平にカットされたホイールアーチの造形により、quattroであることが誇示されています。このデザインにより、クルマの幅広いトレッドとダイナミックなポテンシャルを視覚的に表現するとともに、Audi e-tron Sportback conceptがアウディブランドのDNAを受け継ぐクルマであることが明確にされています。

 同時に、6スポークデザインを備えた大径23インチホイールにより、大型クーペとしての力強い存在感も演出されています。全長4.90メートル、全幅1.98メートル、全高1.53メートル、ホイールベース2.93メートルのAudi e-tron Sportback conceptは、サイズの面ではAudi A7に近いものです。

 サイドミラーは廃止され、代わりに小さなカメラがボディの両側に装着されています。このテクノロジーは、空気抵抗と風切り音を減らす以外にもメリットを提供します。

 従来のミラーにあった死角が事実上消滅し、同様に斜め前方の視界も改善されています。カメラからの映像は、ドアに設置された専用のディスプレイに映し出されます。このシステムは将来生産モデルに採用を予定しているものと基本的に同一のものです。

 2015年のフランクフルトモーターショーでアウディは、ブランド初の生産型電気自動車の先駆けとなるモデル、Audi e-tron quattro conceptを発表しました。これはまったく新しい発想から生まれたSUVで、最長500kmに達する航続性能と、アウディのフルサイズカーならではの広い室内、快適性を実現しています。

 同時に、高性能スポーツカーに匹敵するパフォーマンスを備え、0~100km/hをわずか4.6秒で加速する俊敏性を誇っています。その先駆的なSUVの電気自動車、Audi e-tron quattro conceptの生産バージョン(Audi e-tron)は、2018年に市場に登場する予定です。

 翌2019年には、今回初公開したAudi e-tron Sportback conceptの生産バージョンが続く予定です。

*Audi e-tron quattroより呼称を変更。