子どもの教育環境の良し悪しで、住む地域を決める人もいるだろう。不動産コンサルティング会社のスタイルアクトは4月18日、「埼玉県版 年収の高い学区」調査の結果を発表した。
2位の常盤小学校近くには名門の県立浦和高等学校
最も平均年収が高かったのはさいたま市中央区の上落合小学校。平均世帯年収は862万円となっている。同区は新都心としての再開発が行われており、大型施設や商業施設も充実している人気エリアだ。企業が進出してきているだけでなく、法務省や厚生労働省などの合同庁舎も多く、職住近接となっている。中でも上落合7丁目には国家公務員宿舎や大手企業の大規模社宅などがあり、特に平均年収が高い区域となっている。
2位はさいたま市浦和区の常盤小学校(平均世帯年収850万円)。浦和駅から新宿まで最短21分という都心へのアクセスの良さから、都内に通勤する人々にとっても人気の住宅地となっている。また文教地区としても知られており、常盤小学校は常盤中学校とともに人気の名門公立学校のようだ。
他にも浦和区には、仲町小学校(同836万円)、針ヶ谷小学校(同816万円)、岸町小学校(同812万円)があり、埼玉県内の2位から5位を浦和区内の小学校区が占めている。同区には埼玉県内屈指の高級住宅街である岸町、常盤、高砂エリアが含まれていることも高年収の背景にありそうだ。
また、常盤小学校と針ヶ谷小学校の近くには、全国的にも東大合格者数が上位である県立浦和高等学校があり、岸町小学校の近くには、県立浦和第一女子高等学校など有名進学校があることもポイントのようだ。
「子供の教育を考えて埼玉県に引っ越す」という人も
埼玉県は複数の学校から就学する学校を選択できる「学校選択制」を採用している行政区が多い。しかし選択肢が隣接学区または特定地域の住民に限定されているため、居住地によって学校選択がほぼ決まってしまうこともある。
ヤフー知恵袋でも、「子供の教育を考えて埼玉県に引っ越す」という人や「どの学校が教育熱心なのでしょうか?」と質問する人が多く見られ、同社も「住宅購入動機の1つに『子供の教育環境を考慮』が常に上位に上げられる」と言う。
同調査の小学校区平均世帯年収は、総務省統計局 「平成22年国勢調査」「平成25年住宅土地統計調査」を使用して同社が分析。学区域は国土交通省国土政策局「国土数値情報(小学校区データ)」の2010年時点のものを調査している。