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『名探偵コナン から紅の恋歌』高山みなみ×堀川りょうインタビュー「今回はバッチリ、ラブシーンがありますよ!」

2017年04月17日 18:24  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

『名探偵コナン から紅の恋歌』高山みなみ×堀川りょうインタビュー「今回はバッチリ、ラブシーンがありますよ!」
2017年4月15日より、劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』が公開された。原作の青山剛昌いわく、今回は「ラブコメがメイン」。関西の地を舞台に、百人一首を巡る事件が巻き起こっていく。
大阪・京都ということで、今作では服部平次ら関西チームが大活躍。和葉の前にライバルの京美人・大岡紅葉が登場して、恋のバトルが勃発する。それぞれが百人一首に秘めた想いとは――。

劇場版は21作目となり、大人のファンも多く抱える『名探偵コナン』。宣伝では女性誌とコラボして特製の婚姻届を作るなど、恋愛を押し出した大人向けのアプローチが話題になった。
江戸川コナン役・高山みなみと、服部平次役・堀川りょうも、今作の恋愛には強く心を揺さぶられたようだ。“から紅”に染まる恋模様を二人はどのように受け止め、演じたのか。今作の魅力やアフレコの様子など、作品について二人に話を伺った。
[取材・構成:奥村ひとみ]

劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』
2017年4月15日(土)全国東宝系にてロードショー
http://www.conan-movie.jp/

■紅葉の登場で、平次の意外な一面が!

――最初にシナリオを読まれて、どのような印象を受けましたか?

高山みなみ(以下、高山)
舞台が完全に関西だけというのは、台本を読んで初めて知りました。読んでみて最初の印象は、「セリフが関西弁だらけだ!」と(笑)。役者陣も関西出身の方が7割と、あちらこちらで関西弁が飛び交う、いつもとは違った雰囲気で楽しかったです。21作目はラブコメと聞いていたのですが、まさに“恋愛”が軸のストーリーでした。

堀川りょう(以下、堀川)
最初にシナリオを読ませてもらったのは、去年の映画が公開される前でした。その際に百人一首を題材にした恋の物語だと知って、これはまた熱い話になるんだろうなと思いましたね。「本当に愛する人を守れるのか?」という男に対するアンチテーゼのようで、男性視聴者は奮い立つんじゃないかと思います。

――今回は服部平次が主人公級に大活躍します。堀川さんは今作の平次を通じて、なにか新しい発見はありましたか?

堀川
子どもの頃にかるた大会で優勝したというのも初めて知ったことでしたが、何より驚いたのは、平次が紅葉に対して言った高校生らしい感想ですね。あんなセリフを言うとは思いませんでした。

高山
ビックリしましたよね! 平次のあそこまでデレっとした表情は、今まで見たことがありませんでした。平次も普通の男の子なんだなぁと思いましたよ。

――ある意味で平次の新たな一面を引き出してくれた、大岡紅葉の印象はいかがでしたか?

高山
今までにいないタイプの女の子で、新鮮ですね。色っぽいキャラクターは黒の組織のメンバーというイメージでしたし、周りの女子高生にはいませんでしたから。いかにも良家のお嬢さんという雰囲気で、しかもあんなに色気があるんだから、そりゃあ平次兄ちゃんの鼻の下も…(笑)。


堀川
本能が丸見えになっていましたからね。でもあんなに綺麗な子に可愛いことを言われたら、「うるさいよ」とは言えないですよ。それが男の本懐ってものです(笑)。

高山
原作にも登場しているので、これからはストーリーにも絡んでくるんじゃないですかね。どうやって平次と和葉の間に入って来るのか、来ないのか?楽しみです(笑)

――物語の中には様々な“恋愛”が交錯しています。本作における“恋愛”をどのように捉えましたか?

堀川
平次も新一もそうなのですが、想いはあっても、決定打となる言葉はなかなか伝えていないんです。もちろん、このやきもきする感じが面白いし、和葉も蘭も分かってくれているのでしょうが、言ってくれないと「ホントかな?」と不安になることもあると思います。今回はバッチリ、ラブシーンがありますよ! 「愛してる」とか「大好き」とか、ハグやキスなんかを超越する、最高のラブシーンだと僕は思いました。

高山
いろんな形の恋愛があるんだな、と思いました。事件の発端にも、恋があります。淡い恋、叶わない恋、そして事件にもなってしまう恋。様々な年代、シチュエーションの恋があるのが、本作の醍醐味だと思います。“から紅”というよりは“淡いピンク色”のイメージですね。いくつになっても、恋する気持ちはなくならないと思いますし、大人も胸を締め付けられるんじゃないでしょうか。事件は人が引き起こすものです。人と人との間にはなんらかの感情があります。その感情が間違った方へ向いたり、すれ違ったりすると、悲しい事件の引き金になるんですね。本作でも、素直に言えていたら、きっと…と思ってしまいました。


――事件の鍵であり、恋模様を代弁する百人一首も本作のポイントです。お二人はお好きな句はありますか?

高山
私は藤原実方朝臣が詠った、「かくとだに えやは伊吹のさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを」という歌が好きですね。「あなたのことが好きで好きでたまらないけれど、あなたは気づいていませんよね」といった感じでしょうか。この句のような表情が、映画の中でも味わえると思います。

堀川
百人一首には、日本文化の真髄が詰まっていますよね。中でもやっぱり恋歌はいい。本作は「恋歌」と書いて「ラブレター」と読ませるところが、なんとも小粋だなと思います。ちなみに僕は、どうも百人一首よりも、豊臣秀吉の辞世の句「露とおち 露に消えにしわが身かな 難波のことも夢のまた夢」とかに惹かれてしまうんですけどね(笑)。

(次ページ:キャラクター同士、そして声優同士の信頼関係)

■キャラクター同士、そして声優同士の信頼関係

――劇場版は今年で21作目となりました。いまやコナンと平次は、バディのような関係にもなりつつありますが、お二人でお芝居をする上で意識されることはありますか?

高山
特にないかなぁ。もうすっかり、慣れたものです。

堀川
アフレコをしていて面白いのは、みなみちゃんから「この後、こういう演技をするけどいいかな?」と言われた時に、「全然かまわないよ、好きにやって」と気楽に応えられることです。みなみちゃんの感性で出てくるものを信じていますし、それを受けて「こう返せばいいだろう」というのを、打ち合わせするでもなく呼吸で拾いあえる間柄です。

高山
ライバル歴は、『名探偵コナン』よりも前からですもんね(笑)。

堀川
そうですね。同じように、コナンと平次もお互いを信用していて、言葉で言わなくても助けてほしい時にはちゃんと来てくれる。バディ感にも繋がるものかもしれませんが、恋愛とはまた違う絆があるんです。映画ではこれまでに構築された信頼関係が表れていて、見ていてとても小気味いい。これにアクションが絡んでくると、ますますカッコいいんですよね。

高山
二人とも頭の回転が速いから、次に何をしてほしいのか分かるんですよね。先回りして行動してくれると、お互いに信じている。

堀川
シチュエーションも伴って、本当に見ていて気持ちのいいアクションシーンになっています。


――映画の中で、アクション以外にもオススメのシーンがあれば教えてください。

高山 決勝戦が行われる皐月堂へ至るまでの風景が、本当に素晴らしかったです。「京都=紅葉」というイメージがありましたが、その極みのような美しさです。本当にあんな場所があったらすごいよね。

堀川 あれはもちろん架空の建造物ですが、見事なロケーションでした。本当に、「どこでロケハンしてきたの!?」と見たらきっと思いますよ。

――節目の20周年を越えて、これからも走り続ける『名探偵コナン』の魅力を改めて語っていただけますか?

高山
こうやって、平次と和葉を主人公にして映画が作れるんです。どのキャラクターも主人公になりえる強みこそが、『名探偵コナン』の魅力だと思います。青山剛昌先生が緻密に組み立てたストーリーとキャラクターがあって、その全員に、役者の皆さんが渾身の演技で呼吸をさせている。キャラクターたちが、実際に呼吸をして、生活しているように存在するから魅力的なんだと思います。それが視聴者の皆さんに伝わって、より楽しんでいただけているのだ思いますね。

堀川
面白くて素敵な作品というのも言うまでもありませんが、僕が一番大事に思うのは、作品との出会いや、人と人との出会いです。僕は服部平次という役を演じさせていただけることが、本当に嬉しいんですよ。だって、役者は自分で役を選べませんからね。この運命的な出会いを大切にしたいと改めて思います。


――最後に、映画を楽しみにしている読者へ向けてメッセージをお願いします。

高山
1回見ただけでは気づかないような、細やかな面がたくさんあると思います。2回目を見る時は、犯人が分かった上で、なぜこうなってしまったのかをひも解きながら見てみてください。そしてDVDが発売される頃には秋になっているでしょうから、その季節に見ると、また新しい味わいを楽しめると思います。

堀川
劇場で何度も見ていただく方もいらっしゃると思います。年月を経ても見方が変わっていく物語だと思うので、長く愛される作品として可愛がっていただければ、こんなに嬉しいことはありません。

高山
心が弱った時に見て、キュンとして元気になれる映画でもあると思います。とにかく、平次兄ちゃんがカッコいい! 平次が何回「和葉!」と言ったのか、映画館で数えてみてください(笑)