5月20~21日に第3戦が開催予定のオートポリスで、4月17~18日からスーパーGTのタイヤメーカーテストがスタートした。初日はあいにくのレインコンディションとなったが、1時間半ほどの走行が行われ、ZENT CERUMO LC500がトップタイムをマークした。
2016年は4月18~19日にテストが予定されていたものの、直前の4月14日に熊本地震が発生し、中止となっていたオートポリスでのスーパーGTメーカーテスト。2年ぶりに戻ってきたテスト初日だったが、気圧の谷の通過とそこに流れ込んだ湿った空気の影響で、早朝から春の嵐となった。このため当初予定していたタイムスケジュールは16日のうちに、17日が11~14時の1本、18日が9時30分~12時、13時30分~16時の2本に変更された。
17日は気温15℃と暖かい朝となった。オートポリスでは昨年の熊本地震で被害を受けたピット棟東側の裏の路面工事、クリスタルルーム(東)の取り壊しと基礎工事等を行っており、今回はピット棟の西側のみを使用してテストが実施された。10時過ぎに強い風雨に見舞われたものの、セッション前には雨も止み心配された霧も出ず、11時には車両が次々にコースイン。数周走ってはピットインしタイヤを交換しながら路面とのマッチングを確認していった。
1時間20分を過ぎたころから雨量が増えてきたこともあり、安全性を考慮して赤旗が掲出されセッションは中断。各車ピットインして30分ほど様子を見ていたが、回復の兆しがないと判断され13時の時点で走行は終了となった。
わずか1時間半ほどのテストでトップタイムを奪ったのは、唯一のレクサスLC500となるZENT CERUMO LC500で、ひとりでテストを担当した石浦宏明は「ひさびさのウエットコンディションで、クルマはセッティングもせずに走りましたが、意外に安定して走れました。今日は必要最低限の仕事をしただけですが、タイヤは4セットを確認できましたし、データも取れましたし、短いながらもいいテストになったと思います。雨でもNSX-GTより速かったですし」と笑顔をみせた。
「明日は晴れ予報ですし、しっかり走りこんで有意義な内容にしたい」と気持ちは翌日に切り替わっているようだった。
一方、7台が参加したGT300クラスでは、SUBARU BRZ R&D SPORTが井口卓人、山内英輝ともに1分50秒台をマークして他を圧倒した。トップタイムをマークした山内は「まわりがどんなテストをしていたのかは分かりませんが、雨でのBRZのパフォーマンスはすごくいいし、トップタイムを取れたことは気持ちがいいです。開幕戦での(オルタネータ)トラブルも対策してあり、明日はドライ路面でのロングがとても楽しみです」と語った。
また井口も「これまで雨のテストができていなかったので、タイヤも3セット確認できましたし収穫あるテストになりました。もちろん課題も見えてきましたから、これを次につなげていきたい」と答えた。
18日の予報は終日晴れ。テストは一般公開されており入場料(大人ひとり500円)のみで入場可。昼休みには体験走行(1台2,000円)が予定されている。