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F1 Topic:グラム単位の軽量化でドライバーに貢献、2017年のヘルメットメーカーの勢力図

2017年04月16日 13:32  AUTOSPORT web

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F1バーレーンGP セルジオ・ペレス
2017年のF1は、新しいマシン、ワイドになったタイヤなど、さまざまな変化とともにシーズンが開幕した。その変化のひとつに、ヘルメットが含まれていることは意外に知られていない。  

 まず勢力図が変わった。昨年までF1界で最大のシェアを誇っていたヘルメットメーカーは、日本のアライだった。しかし、昨年のカナダGPからニコ・ロズベルグがシューベルトからベルにヘルメットを変えたことで、シェアは8人同士でアライとベルが並んでいた。そして今シーズン、フェルナンド・アロンソがアライからベルにスイッチし、新しくレギュラードライバーになったストフェル・バンドーンもアライからベルにメーカーを変えたことで、ベルが単独シェア・ナンバーワンとなった。以下が2017年のヘルメットメーカーの勢力図である。

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■ベル:ハミルトン、ライコネン、マグヌッセン、オコン、グロージャン、バンドーン、エリクソン、アロンソ


■アライ:ベッテル、フェルスタッペン、リカルド、サインツ、クビアト、ストロール


■シューベルト:ペレス、マッサ、ヒュルケンベルグ、ウェーレイン


■スティーロ:ボッタス、パーマー


 開幕戦と中国GPではパスカル・ウェーレインが欠場し、代役として出場したアントニオ・ジョビナッツィもベル・ユーザーだったため、一時ベルは9人のドライバーを抱え、ベルのシニア・レーシングテクニシャンを務めるマイケル・オメントは大忙しだった。

 ヘルメットの規格に関する変更はなかったものの、今シーズンのF1マシンがダウンフォースが増し、コーナーリングスピードがアップするため、各ヘルメットメーカーは軽量化を図ることで、ドライバーの肉体的軽減に貢献している。

 シューベルトのサービスマンを務めるスベン・クリーターは「シェイプは同じだが、昨年と比べて150グラム軽量化している」という。「FIAによって規格は定められているので、ヘルメットの帽体(外殻を形成するシェル部分)を加工することはできないので、ヘルメット内部に詰められているライナーや内装を変えることで軽量化を実現したんだ」と語っている。

 アライのサービスマンを務めるピーター・バーガーも「昨年より、100グラムから150グラム程度軽くなっている」と述べる。さらに「内装だけでなく、インナーを固定する接着剤の量を減らしたり、ペインティング(表面塗装)も見直した」という。

 ちなみにアロンソがインディ500に参戦するため、F1を欠場するモナコGPではベル・ユーザーのアロンソに代わって、アライ・ユーザーのジェンソン・バトンが出場するため、勢力図はベル7人、アライ7人と再びイーブンとなる。