時間がなく、食事をさっとすませたい時に便利なのが立ち食いそば屋だ。出てくるのが早いだけでなく、比較的安いのでサラリーマンには嬉しい。
2ちゃんねるでは4月11日、「どうして立ち食いそば屋で『うどん』を頼む奴は少数派なのか?」というスレッドが立った。
スレ主はうどんが好きなのだろう。確かに、立ち食いそば屋ではうどんを注文する人は多く見かけない。そのためスレ主は、
「みんな蕎麦ばっかり」
と不満げだ。
「うどんは汁が飛び散るイメージ。さっと食う立ち食いだったら蕎麦」
スレッドでは、「そば屋ならそば食うよそら」「うどん食いに蕎麦屋いくんか」など、立ち食いそば屋なのだから、そばを食べる人が多いのは当然だ、という意見が多い。
「『そば屋』なのにうどんを頼むとか……聖域を犯しにくるのが腹立たしい」
「そもそも『立ち食いソバ』ってうたってるとこに、うどんがあったとしてもソバが良く出るのは当たり前じゃね?違う食べ物で言えば『カレー屋』に来てメニューにあったとしてハヤシライスたのまないのばぜ?って言ってるものだぞ
」
「箱根そば」「小諸そば」など、店名にそばの文字を冠する立ち食いそば店では、通常そばメニューを推している。そもそも、そばを食べたいから立ち食いそば屋に行くという理屈はわかる。
急いでいるときは食べやすさの面でうどんよりそばの方がいい、という意見もあった。
「細いから食いやすい」
「うどんは汁が飛び散るイメージがあるんで、さっと食う立ち食いだったら蕎麦にしちゃうな」
椅子に座って時間をかけて食べる店ならともかく、立ち食い店では早く食べ終えて店を出ることが重要になる。そばの方が細いため、うどんに比べて早く食べられる。
「蕎麦=ファストフード、うどんは料理って感じ」
東日本と西日本のダシの違いを指摘する人もいる。西日本のだし汁は薄い色、東日本では色が濃いものが多い。濃い目のつゆにうどんが浸かっているのが苦手、という意見もあった。
「関西圏は知らないけど、首都圏のそばつゆで食べるうどんは旨くない 風邪で寝込んだときに食べたのを思い出す」
実際にグーグルで「かけそば」と画像検索すると濃い目のつゆが、「かけうどん」と検索すると薄目のつゆのものが多く掲載されている。
ほかには、「蕎麦=ファストフード、うどんは料理って感じ」という書き込みもあった。そばの歴史を見ると、江戸の街にはそば屋の屋台があったが、これは現在で言うファストフードだった。
一方でうどんだが、はなまるうどんのホームページを見ると、うどん県である香川県では「各家庭で作られ、日常的に食されてきました。また冠婚葬祭などにも食され」とあり、家庭で座して食べる印象だ。そばとうどんの双方の歴史を見ると、ファストフードだったそばの方が、立ち食いにはふさわしいといえるのではないか。