フェルナンド・アロンソのインディ500参戦を許可したのは、2018年シーズン以降の残留を説得するための「大局を見据えた」判断であったと、マクラーレンF1チームが示唆している。
マクラーレンはインディアナポリスでのレースにアロンソを参戦させるためにマシンを用意するという、前代未聞の発表を行った。アロンソはインディカー・シリーズのメインイベントともなるレースに出場するため、F1モナコGPを欠場する。
アロンソはモナコGP、インディ500、ル・マン24時間のすべてで勝利し、グラハム・ヒル以来の3冠達成が目標であると明言。チームは、マクラーレンであるからこそF1参戦と並行しての挑戦が可能だと考えている。
この計画が、2018年シーズン以降もアロンソと契約を結ぶためのものであるかと聞かれると、チームのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエは「いいじゃないか。契約を締結するために交渉が必要な場合、誰もがそれぞれに秘策を持っている」と答えた。
将来に向けてより大きな可能性を得られること、またジェンソン・バトンといった高レベルな代役がいるからこそ、アロンソのインディ参戦は正当化されるのだとブーリエは言う。アロンソがモナコGPを欠場することは、チームにとって損失にはならないのだろうか。
「計画はもっと大きなものだ。ジェンソンが乗れば、もうひとりのチャンピオンがマシンから最大限の力を引き出すことになる。我々が素晴らしいポテンシャルを持つと信じるストフェル(バンドーン)もいる。彼はGP2時代にモナコで勝っているから、あそこでのレースのやり方はわかっている。チャンスを逃すことにはならない」
「大局的な見方をすれば、マクラーレン・ホンダにとってはより大きな価値のあることなんだ。我々はホンダと、強固な関係とパートナーシップを結んでいる。自分たちには競争力があるということを証明したい」
「マクラーレンは過去にインディ500に参戦して勝利しており、それは伝説のひとつとなっている。そして(アメリカは)我々にとって最高のマーケットでもある。商業や自動車産業の面では第一市場だ」
「このプロジェクトには前向な要素が多くある。ホンダやアロンソとより長く関係を続けていくというのも、そのひとつだ」