ホンダF1プロジェクト総責任者、長谷川祐介氏が、次回のパワーユニットのアップグレードで、現在抱えているバイブレーションの問題が解決することを期待している。
今年、ホンダはパワーユニットのコンセプトを大きく変更、ライバルたちとのギャップを大幅に縮めることを期待していた。しかし単気筒テストでは好結果が出ていたものの、V6エンジンの状態にした時、またマクラーレンのシャシーに組み込んだ時にさまざまな問題が浮上した。
長谷川総責任者はこれに関し、中国GPを前に次のようにコメントしていた。
「(実際に走行すると)大きなバイブレーションが起きました」
「ダイナモではこのような大きな問題は起こらなかったということしか私には言えません。ところがギヤボックス、ドライブシャフト、タイヤと一緒になったとき、共振が起きるのです」
「シャシーのせいだと言っているわけではありません。ダイナモで状況を理解しなければなりません」
アップシフトで起こるという、このバイブレーションの問題に関し、フェルナンド・アロンソは「コーナー立ち上がりでのドライバビリティが悪化し、自信が損なわれる」と述べている。
ホンダはパワーユニットのアップグレードに取り組んでおり、早ければスペインGPでこれを導入することを目指している。新仕様においてはパフォーマンスを向上させるとともに、バイブレーションの問題も解決したい考えだ。
「ドライバーはそうは考えないと思いますが、私たちはシーズン序盤以来、(バイブレーションを)改善してきたと思っています」と長谷川総責任者。
「徐々に改善してきてきました。ただ、もちろん完全に解決したわけではありません」
「次のアップデートで明確に解決したいと思っています」
「ここであるとか、どこかのグランプリであるとか、正確な日時は申し上げられませんが、機会を得られればエンジンをアップデートしたいと思っています」
中国GP金曜、ストフェル・バンドーンのパワーユニットに2基目のターボとMGU-Hが導入されたことがFIAの発表により明らかになった。
今年は開発を制限するトークンシステムが廃止されたため、中国の週末にパワーユニットに変更を加えたと長谷川総責任者は語った。
「インレットシステムのアップデートを行いました。エンジンのパッケージを変更する場合、今はトークンという制限を受けません」
「ですがシーズンに使える基数という面での制限はあります」
全20戦の2017年F1では使用できるパワーユニットの基数は4基と定められており、それを超えるとペナルティを科される。