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ENDLESS SPORTS ST-X スーパー耐久第1戦もてぎ レースレポート

2017年04月13日 22:32  AUTOSPORT web

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3号車 ENDLESS・ADVAN・GT-R
ENDLESS SPORTS
スーパー耐久シリーズ 2017 開幕戦

[3号車 ENDLESS・ADVAN・GT-R]

開催日:2017.4.1 ~ 2017.4.2
サーキット:ツインリンクもてぎ
チーム体制:ENDLESS SPORTS
ドライバー:YUKE TANIGUCHI/山内英輝/元嶋佑弥

予選結果:2位
決勝結果:2位
シリーズランキング:ST-X CLASS 2位

[予選] 3号車 2位
Aドライバー/YUKE TANIGUCHI……2位 AM8:20~ ウェット  
Bドライバー/山内英輝……………3位 AM9:20~ ウェット/ドライ  
Cドライバー/元嶋佑弥……………5位 AM9:40~ ドライ(赤旗中断あり)  

 タイトル奪回を目指して、今シーズン、当チームは大きく進化しようとしている。まず、10年あまり、当チームでステアリングを握ってきた峰尾恭輔は、監督して新しい一歩を踏み出す。じつは意外に知られていない事だが、チームの裏舞台は予想以上にバタバタしている事が多い。当チームも勝ちを掴んだ時でもそういう事が多かった。

 ドライバーはコンマ1秒でも速く走りたい。当然のようにいろいろな要求をしてくる。メカニックもそれに応えるべく、必死になってマシンをセットアップしていくが、そこには限界がある。ブロー=リタイア=ノーポイント。これはタイトル争いから脱落を意味している。絶対にノーポイントだけは避けたい。

 マシンのセットだけではない。作戦もそうだ。無理をしたために……。というケースも少なくない。無限大に予算があるわけでもなく、ときにはマシンが直せず、シーズン半ばにして、タイトル断念という最悪のことだってないわけではない。ドライバーの熱い走り、メカニックやオーナーの頑張りを調整していかなければならない。

 監督1年生の峰尾には大変なシーズンになるかもしれない。

 ちなみにドライバー陣営は、昨シーズン、力強い走りを見せた山内英輝がBドライバーに上がり、当チームのハチロク(ST-4クラス)をチャンピオンに輝かせた元嶋佑弥がCドライバーとしてステアリングを握る。

 そんな中で、今シーズンのスーパー耐久は、例年通り、ツインリンクもてぎで幕が切って落とされたが、昨シーズンの全クラスが参戦する5時間の決勝レース(全クラス参加)から2クラスに分けられた200分(3時間20分)の決勝レースに変更された。

 クラス分けはGr.1がST-X/ST-3/ST-4の3クラスで決勝日は日曜日。Gr.2はST-1/ST-2/ST-5、さらに今シーズンから新たに設定されたST-Rの4クラスで決勝は土曜日の午後に開催された。

 東京では桜の満開が発表されているというのに、ツインリンクもてぎでは霜注意報が出るほど底冷えする中で予選は始まった。この予選、いきなり当チームにとっては厳しい状況となった。ラップタイムで20秒近くも違うST-4クラスとの混走。監督の峰尾は、少しでもクリアな状況でアタックできるように、モニターなどを見ながら前後にいるマシンを無線でドライバーに知らせていく。

 しかし、これだけのタイム差があると、瞬く間に近づいてしまい、レコードラインを外す事になってしまう。少しでもいい条件でアタックしたいドライバーは、そのタイミングを待つが、予想以上に燃料を使ってしまう。

 結局、AドライバーのYUKE TANIGUCHIは、ウェットコンディションの中、2位に滑り込むが、Bドライバーの山内が走るときには、路面状況はグングンとよくなり、全車がドライ用タイヤでアタック。最後の最後にアタックしたマシンが有利な状況となった。その最後のラップにかけていた山内だったが、燃料の警告灯が点灯してしまい、トップのGT-Rからわずか100分の5秒、2位のGT-Rに至っては1000分の9秒遅れのクラス3位に終わってしまった。

 A/Bドライバーの合算タイムでは2位となるが、山内にとっては悔しい予選となってしまった。Cドライバーの元嶋は、マシンの慣れる事、さらには各部のチェックを行う走行となったが、決勝出場のための基準タイムを楽々とクリア、このセクションのトップで終えた。

[決勝] 3号車 2位
 PM 1:19 スタート 200分レース(PM 4:40チェッカー) ドライコンディション 

 これまでは決勝当日の早朝にフリー走行が設けられていたが、この開幕戦ではなく、まさにぶっつけ本番で決勝レースを迎える事になった。

 決勝レースは200分の時間レース。ジェントルマン登録のドライバー(YUKE TANIGUCHI)は20%(40分)以上、プラチナ登録のドライバー(山内英輝)は40%(80分)以内の走行で、2回のドライバー交代をするピットストップが義務付けられている。

 午後1時19分過ぎ、ローリングからスタートが切られる。フロントロゥからスタートした山内は、絶妙のスタートでトップからスタートしたフェラーリのアウト側から1コーナーに飛び込んでいく。並びかけていく山内を意識してトップのマシンはアウトラインを締めてくる。このとき軽く接触してしまう。逆にインが空いたところを当チームにとって最大のライバルである1号車のGT—Rがトップに……。

 1コーナーでは抑えられてしまった山内だがオープニングラップで2番手に浮上、トップのGT—Rを追いかける。5ラップ目には、その差が4秒近くにまで引き離されたが、ST-4クラスのマシンに追いつきだすと、その差は徐々に詰まりだし1~2秒差の中でのバトルが続く。

 36ラップを走りきったところでトップのGT-Rと同時にピットストップ。YUKE TANIGUCHIにスイッチ、給油、タイヤを交換してコースに送り出す。トップに躍り出る事は出来なかったが、真後ろに付く形でYUKE TANIGUCHIは追いかける。「アンダーも強く、ブレーキのコントロール性ももうひとつで、前日のような走りが出来なかった」と話すYUKE TANIGUCHI。どうやらオープニングラップで接触したとき、アライメントが狂ってしまったようだった。1分54秒台の走りとなり、トップのGT—Rとの差は20秒近くにまで広がってしまった。YUKE TANIGUCHIは31ラップ67ラップ目にピットに滑り込んでくる。

 元嶋の追い上げに期待がかかる。なんとか1分52秒台でラップするも、トップのGT—Rは
51秒台を出すなど快調な走りで逃げていく。結局、最後までこの差を詰める事が出来ず、開幕戦はクラス2番手でチェッカーを受けるにとどまってしまった。

 昨シーズンのオートポリス以来、マシンは確実に煮詰まってきていて、1号車の速さに接近してきている。次回のスポーツランドSUGOも簡単に抜けるコースではないだけに、優勝を狙う以上は1号車の前からのスタートを獲得。これが絶対条件なのだ。