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菅田将暉は“同世代の仲間”の中でさらに輝く 歌手ソロデビューへの期待

2017年04月13日 22:12  リアルサウンド

リアルサウンド

菅田将暉『見たこともない景色』

 菅田将暉が、6月7日に『見たこともない景色』で歌手ソロデビューを果たす。現在、音楽配信サイトでは、表題曲が先行配信中だ。


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 これまで、菅田将暉は俳優として作品のなかで度々ミュージシャン役を演じてきた。2016年10月に公開された映画『何者』では、バンドマンの大学生・光太郎を演じ、OVER MUSICのボーカルとしてライブパフォーマンスを披露。また今年1月には、映画『キセキ ーあの日のソビトー』でグリーンボーイズとしてGReeeeNの楽曲をカバーし、CDをリリースした。その際には『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演し、GReeeeNの10周年ライブのオープニングアクトを飾った。その他、『ファンタ』のCMでラップを披露したり、バラエティ番組でギターを弾いたりプライベートでもスタジオに入ってバンド練習をしたりと、音楽好きの俳優として知られている。


 「見たこともない景色」は、菅田将暉が出演するau『三太郎』シリーズの「応援」篇のCMで使用されており、サッカー日本代表の応援ソングでもある。作曲は、YUKI、木村カエラ、Aimerなどにも楽曲を提供している、agehaspringsの飛内将大が手がけている。


 同曲は、鍵盤によるリフが印象的なイントロから幕を開け、8ビートを用い、全編においてスケール感と疾走感がある。間奏部分には重厚なコーラスワークも盛り込まれており、サッカーの応援ソングにふさわしい、スタジアム・ロック・ソング的なムードも漂う。そして、そのサウンドをさらに加速させるように、菅田将暉は熱量の高い歌声を披露しており、MVの中では青いテレキャスをかき鳴らす姿も。また、MVには、『何者』の劇中バンドOVER MUSICと同じ布陣である、シミズコウヘイ(Gt)、越智俊介(Ba)、タイヘイ(Dr)も参加(それぞれ、2017年3月に解散したカラスは真っ白の元メンバー)。同世代である彼らに囲まれバンドの一員としてパフォーマンスする菅田将暉は、役者として何かを演じている時とは異なる等身大さがあり、いきいきと輝いている。


 俳優としても、今月末から公開がスタートする映画『帝一の國』、そしてその他の主演作『キセキ ーあの日のソビトー』『何者』『セトウツミ』と、ここ数年の飛躍の中では特に同世代との共演・交流が目立つ。また、きゃりーぱみゅぱみゅの友人として『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)にも登場したクリエイター・野崎浩貴が監督・脚本を務め、撮影・編集をyahyelのdutch_tokyoこと山田健人、音楽をOKAMOTO’Sのオカモトレイジが手がけ、ネットで公開された映像作品『SUMMER BREAK』にも、菅田将暉は主演として登場している。プライベートで制作したというこの作品に関わる人物も、みな20代だ。同世代とのつながりや、その間でノリや感性を共有することで、時に繊細で時にエクセントリックな顔を持つ菅田将暉の本質的な魅力はさらに引き出されている。


 音楽以外にもファッションが好きで、普段から仲間とともに洋服を作るなど、演じること以外にも、ゼロから何かを生み出すことに関心を持つ菅田将暉。去年、同CMシリーズをきっかけに、桐谷健太が「海の声」で歌手デビューし、日本レコード大賞の優秀作品賞を受賞、『NHK紅白歌合戦』にも出演した。俳優を本業としながらも、出演作などをきっかけに歌手としてデビューする人物は、これまでもたくさんいた。その中で菅田将暉は、どうその個性を発揮することになるのだろうか。6月に発売する『見たこともない景色』は、表題曲以外の詳細は現時点ではまだ発表されていないが、そのクリエイティビティと好奇心、フットワークの軽さを武器に、既存の「俳優の歌手活動」のイメージを刷新するような、刺激的な試みにチャレンジしていってほしいと思う。(文=若田悠希)