5月17日からフランス・カンヌで開催される『第70回カンヌ国際映画祭』のラインナップが発表された。
オープニングを飾るのはアルノー・デプレシャン監督の『Ismael's Ghosts(英題)』。コンペティション部門には、ノア・バームバック監督の『The Meyerowitz Stories(原題)』、ポン・ジュノ監督の『オクジャ』、ソフィア・コッポラ監督の『The Beguiled(原題)』、ミヒャエル・ハネケ監督の『Happy End(原題)』、トッド・ヘインズ監督の『Wonderstruck(原題)』、ホン・サンス監督の『The Day After(英題)』、河瀬直美監督の『光』、ヨルゴス・ランティモス監督の『The Killing of a Sacred Deer(原題)』、フランソワ・オゾン監督の『L'AMANT DOUBLE(原題)』、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督『LOVELESS』など全18作品。
また日本からは「ある視点」部門に黒沢清監督の『散歩する侵略者』、アウトオブコンペティション部門に三池崇史監督の『無限の住人』が選出。さらに同映画祭の70周年記念イベントとして、アッバス・キアロスタミ監督の『24 Frames』、デヴィッド・リンチ監督の『ツイン・ピークス』、女優クリステン・スチュワートの監督デビュー作『Come Swim』が上映される。同映画祭への正式応募が発表されていた『映画 山田孝之3D』は現時点ではラインナップされていない。
なお今回の発表にあわせて、コンペティション部門に選出された『光』に出演している永瀬正敏、水崎綾女、藤竜也と河瀬直美監督をはじめ、『散歩する侵略者』の黒沢清、同作に出演した長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己、『無限の住人』の三池崇史監督のコメントも公開された。
■河瀬直美監督のコメント
映画は、「光」です。
映画は、「魂」です。
映画に魂を捧げたものとして、
この映画「光」をこの世界に誕生させた、スタッフ、俳優のみんな、みんな、みんな、と、カンヌでの瞬間を分かち合えること、いま、とてもうれしい。
50回目のカンヌで初めて訪れた場所・・あれから20年の節目にまたあそこに立てる歓びをかみしめています。
ありがとう。
■永瀬正敏のコメント
撮影でお世話になった視覚障碍者の皆さんに心から感謝しています。
また世界中で作られている数々の作品の中から『光』を選んで頂けた事、本当に感謝しています。
河瀨直美監督の思い、沢山の方々の思いが詰まったこの作品を、世界の皆さんに観て頂ける事が何より嬉しいです。
■水崎綾女のコメント
カンヌ国際映画祭なんて、自分とは別の世界だと思っていたので今回のノミネートに驚愕しております。
映画祭自体も初めてなのですが、世界各国から来られるたくさんの方にこの作品を観ていただける事がとてもうれしく思います。
■藤竜也のコメント
直美さん、貴女の「光」に僕の魂がゆすられました。
ゆすられた僕の魂が、喜びの涙を流しました。
彼方にある「光」が私たちに希望を与えてくれるという意識を共有出来ました。
■黒沢清監督のコメント
たぶんこの映画は、他の何にも似ていないから選ばれたのでしょう。スタッフ、キャスト全員の力が合わさって、初めて強烈な個性が生み出されます。その代表としてカンヌに行きます。みんな、ありがとう。
■長澤まさみのコメント
この映画をたくさんの国の方々に見て頂ける事を嬉しく感じる反面、ドキドキしている自分もいます。
作品に参加出来た事、黒沢監督とご一緒出来た事を誇りに思います。是非公開を楽しみにしていて頂きたいです。
■松田龍平のコメント
大変嬉しく光栄に思います。デビュー作以来のカンヌ映画祭。最高です。あの時僕がみたカンヌの景色はそれはそれは刺激的でした。そういう意味でも僕にとって特別な思いがあります。黒沢監督に感謝。
■長谷川博己のコメント
念願だった黒沢清作品に出演させていただき、さらにカンヌまで出品できるとは。映画に関わった者としてこんな嬉しい事はありません。観る人によって何色にも染まれるこの映画が、どのように世界を「侵略」していくのか楽しみです。
■三池崇史監督のコメント
不死身の男=万次(木村拓哉)が、カンヌから世界に飛び立つことになりました。
最高です。ありがとう。