フォーミュラEは、2018/19年シーズンに使用する新型マシンの走行テストを当初の予定より遅い2017年10月に実施する見込みだ。
2018/19年シーズンのフォーミュラEマシンは、スパークレーシング製のシャシーにマクラーレン・アプライド・テクノロジーズ(MAT)製の54kWhバッテリーを搭載。マシンを乗り換えることなく、レースを走りきることが想定されている。
スパークレーシングが設定した10月の走行テストは当初よりわずかにスケジュールが遅れている。これは昨年夏に行われたバッテリーサプライヤー選定が遅れたことが影響したという。
当初、FIAは「2017年10月1日までに、各チームに最低1台分のマシンパッケージを供給すること」を望んていたが、シャシーのクラッシュテストは9月1日に行われ、各チームへのマシン供給は2018年1月にずれ込む見込み。
なお、シリーズへ参戦する9つのマニュファクチャラーには先月にMATから電装系システム構築に必要となる技術概要書が開示されている。
2018/19年型フォーミュラEでは、パワートレインの最高出力が200kWから250kWに引き上げられるほか、最低重量も930kgから42kg増加する。
これはMAT製のバッテリーが当初の予定より重くなっているためで、あるチーム関係者によれば「バッテリーは209のセルで構成され、(セーフティストラクチャーなしで)350~360kg程度」になる見込みだという。
現在使用されているウイリアムズ・アドバンスド・テクノロジー製のバッテリーは合計で165のセルで構成されている。そのため、シャシー側も一部のパーツを3Dプリンタで製造するなど、重くなったバッテリーへの対応を追われているとのこと。
また、ウイリアムズ・アドバンスド・テクノロジーが行ったテストで、MAT製バッテリーはレースを乗り換えなしで走りきるために必要なパフォーマンス基準を満たしていなかったとされており、FIAとMATは問題解決に全力を注いでいるという。