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PACIFIC with GULF RACING スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

2017年04月13日 17:22  AUTOSPORT web

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2017スーパーGT第1戦岡山 GULF NAC PORSCHE 911
PACIFIC with GULF RACING「GULF NAC PORSCHE 911」
新体制の2017年開幕戦で3位表彰台を獲得!

#9 GULF NAC PORSCHE 911 レース結果
2017 AUTOBACS SUPER GT 第1戦 OKAYAMA GT 300km RACE

4月8日(土) 予選 天候/コース:曇り/ドライ
予選Q1ポジション:15位(1’26”965)

4月9日(日) 決勝 天候/コース:曇り/ドライ
決勝ポジション:3位(Best Lap 1’26”898)

 SUPER GTシリーズ2017が、4月9~10日に岡山国際サーキットにおいて開幕。PACIFIC with GULF RACING「GULF NAC PORSCHE 911」(ジョノ・レスター/峰尾恭輔)は、GT300参加30台中、予選15位からのスタート。パレードラップからストップしてしまう車両が出る波乱の展開のなか、そこから追い上げ終盤には3位へポジションを上げてチェッカー。表彰台を獲得する上々のスタートを切った。

 Gulf Racing JAPANは2014年に発足し、2015年にはGT Asiaシリーズへ参戦。昨年はPACIFIC RACING TEAMとジョイントし、日本で最も人気を集めるSUPER GTシリーズGT300クラスに参戦し、最終戦で8位入賞を果たした。

 一方PACIFIC RACING TEAMは、2009年に発足し、2013年から2014年まで投入してきたポルシェでのGulf Racing JAPANとのGT300参戦を2016年から行い、今年が2シーズン目の体制となる。車両は昨年に続きポルシェ911 GT3Rを用い、往年のル・マン24時間でのGULFカラーをまとった。

 監督はチーム代表の国江仙嗣に代わって八代公博が就任。ドライバーはニュージーランド人のジョノ・レスター(27)、GT300シリーズチャンピオン経験を持つベテランの峰尾恭輔(42)を起用。またメンテナンスは、Gulf Racing JAPAN と同じ岐阜県にあるNAC(中日本自動車短期大学)内にガレージを置き、同校の教員と選抜された学生がピットクルーとしてチームのサポートを行いながら、プロアマ混成での参戦となる。

 岡山国際サーキットは、1990年にオープンした1周3.703kmのサーキットで、F1パシフィックグランプリも開催されたことがある。2本のストレートを13のタイトなコーナーでつないだテクニカルコースで、コース幅が狭い場所があり、オーバーテイクも簡単ではない。ポルシェ911 GT3Rは新たな性能調整(BoP)を受け、最低車重は1,220kgと昨年より軽くなりリストリクター径は40.0mm×2。開幕前の公式テストでは好タイムをマークしており、開幕戦からの活躍に期待がかかった。

 岡山には15台のGT500車両、30台のGT300車両、計45台が参加。8日朝に行われた公式練習では、峰尾、レスターがドライブしてセッティングを確認し5番手につけた。気温21℃、路面温度23℃で始まった公式予選Q1ではレスターがコースイン。

 しかし前方を走行する車両のハーフスピンに巻き込まれそうになるなど、アタックのタイミングに恵まれずまさかの15位、上位14台が進めるQ2への進出はならず、これでスタート順位が確定となった。Q2進出へのボーダーラインとはわずか0.057秒差だった。

 前夜にうっすらとコースを濡らした雨も上がった決勝日。今年は朝のフリー走行がなくなり、決勝レース前には20分間のウォームアップ走行が実施された。ここでは18番手にとどまったが、ふたりのドライバーは車両の状態を確認。どこまで追い上げられるか注目が集まった。そして曇り、気温19℃、路面温度25℃というコンディションの14時34分にパレードラップがスタートした。

 ところがここで停止してしまう車両があり、また続くフォーメーションラップでも2台の車両が動けなくなり、スタート進行は一旦ストップ。改めて14時50分にセーフティカー(SC)の先導で81周に減算された決勝レースが始まった。2周終了でSCが隊列から離れてバトル開始。

 レスターはポルシェに鞭を入れて、6周目までに5台をかわし、14周目にはトップ10入り。さらに27周目から早めのピット作業に入る車両が出てくると、中盤の34周目には暫定的に2位まで順位を上げてピットイン。ここで峰尾に交代した。タイヤは4本を交換し、燃料補給も済ませて、峰尾は暫定11位でコースへ戻った。

 ピットインを遅らせていた車両が48周でピットインすると、峰尾は6位まで順位を上げた。さらに目の前には5位の車両がおり、逆転を狙っていた51周目、2コーナーで激しいクラッシュが発生。ここで車両と飛散したパーツの回収のためにSCが導入され、4位から9位までの6台の距離が一気に縮まった。

 57周終了時点でバトルが再開されたが、このラップで峰尾は2台を抜き去り4位へ浮上。さらに終盤の70周目に2位を走行していた車両がスピンを喫し、その脇をかすめて3位へポジションアップ。前を走行する2台とは距離はあったものの、その順位を守って歓喜のチェッカーを受けた。

八代公博監督
「監督初陣で表彰台を獲得できてこんなにうれしいことはありません。ドライバーもスタッフもみんな頑張ってくれました。15位スタートとなってジョノも責任を感じていたようで、序盤から順位を上げてくれました。最後はもうガソリンはギリギリ。ピットワークもミスなくこなせましたし、タイヤのマッチングも良かった。パーフェクトなレースになりました。応援ありがとうございました」

ジョノ・レスター選手
「若くて新しいチームに加入して3位で表彰台。ずっとSUPER GTで活躍したいと思っていましたから、夢がかないました。予選では渋滞時の判断を間違えてしまい、またアンラッキーな面もありました」

「もともとポルシェに長く乗っていたので、全く違和感はありません。日本のサーキットは全部走って知っていますし、次は表彰台の真ん中を狙いたいです」

峰尾恭輔選手
「チームは開幕前から僕のわがままを聞いてくれて、いろんなリクエストに応えてくれました。感謝します。予選はうまくいかなかったので、タナボタでも5~6位あたりを狙って、死ぬ気で頑張ろうと思っていましたが、このチームへ移籍初戦で、みんなに表彰台をプレゼントできて本当に良かったです」

「強いチームになったと思いますし、チャンピオン争いに加わって、チームのみんなで笑いたい。次の富士も得意なので優勝を狙って走ります」