各国のGT3カテゴリーで大活躍を演じ、直近にはGT4カテゴリー車両もラウンチされたアウディR8。そのロードゴーイング・モデルのクーペに続き、スパイダーも最新世代となる2代目にバトンタッチ。美しいフォルムはそのままに、50km/h以下で開閉可能なソフトトップを備え、高回転型の5.2リッターV10自然吸気エンジンを搭載した“"新しくて懐かしい”待望の1台としてすでに受注受付が開始されている。
いまやダウンサイジング直噴ターボが主流のなか、アウディがフラッグシップ・オープントップ・スポーツの心臓部に選んだのは、大排気量自然吸気のV型10気筒。最高出力540ps、最大トルク540Nmのアウトプットもさることながら、その回転フィールとサウンドは、屋根を開け放って堪能するにふさわしい、極上の精密さと高揚感を備えている。
新型もクーペと同様、ボディサイドのエアインテーク部にサイドブレードを装着することで、ミッドシップであることをアピールしつつ、フロントには左右それぞれに37個ものLEDを備えたLEDマトリックスヘッドライトを標準装備。LEDリヤコンビネーションライトの間にハニカムグリルを装着し、クーペとは異なるリヤビューに仕立てられた。
フレームにはアルミとカーボンファーバー強化プラスチック(CFRP)を組み合わせた総重量わずか208kgの新世代のアウディスペースフレーム(ASF)を採用し、ねじれ剛性は先代モデル比で50%の改善を果たしている。
■ハイパフォーマンスと高い省燃費性を実現
自慢の7速Sトロニックに、新開発のクワトロ・フルタイム4WDシステムを採用する駆動系は、電動油圧多板クラッチを用いて駆動トルクを自動で分配し、極限状況では前輪、または後輪のいずれかへ100%のトルクを伝達することも可能となっている。
また、前述の5.2リッターV10には低負荷時に片バンクを休止させる『シリンダー オンデマンド(COD)』も採用。スロットルオフでのコースティング機能と合わせて、高い省燃費性能も備えた。
そして注目の油圧電動式ソフトトップは、遮音性に優れたクロス製で、フレームにはアルミニウムと鋳造マグネシウムを採用。トップコンパートメントカバーもCFRP製とすることで、重量は約44 kgに抑え軽量化と低重心化に貢献。開閉に要する時間は約20秒となっている。
実車のデリバリーは今年の7月からを予定しており、左右ハンドルを設定。価格は双方ともに2618万円となっている。