GOODSMILE RACING & TeamUKYO レースレポート 1
第1戦岡山は完璧なレース運びで首位独走、3年ぶりの優勝!
SUPER GT 2017 第1戦
会期:2017年4月8~9日 場所:岡山国際サーキット
(岡山県) 天候:晴れ
動員:2万7000人(2日間) 予選:2位
決勝:1位
■4月8日(土) 惜しくも2位だが手応えを感じた予選
初音ミクGTプロジェクトSUPER GT参戦10シーズン目の開幕戦。天気予報では雨模様だったが、朝の練習走行時には雨はあがり、路面は濡れているものの、徐々に気温が上がってきていた。タイヤのマッチングもよく、1分37秒台から35秒台と順調に上位タイムをマークしていく。途中でスリックタイヤに変更するとさらにペースがあがり、27秒台を記録し3番手タイムで終了した。
迎えた予選1回目(Q1)。14位まで予選2回目にコマを進めることができるのだが、最近はタイム差が均衡しておりまったく油断ができない。片岡選手は序盤に「1'27.346」を記録し2番手につけたが、コースアウトしたマシンがいたため赤旗中断となった。予選再開後は全体的に各チームともペースがあがってきたが、片岡選手は最終的に「1'26.120」でトップの座についたままQ1を通過した。
予選2回目(Q2)は谷口選手が担当。アタックチャンスを探しつつ、徐々にペースをあげていく。8周目に「1'25.679」を出すも、同じマシンを使う65号車(LEON CVSTOS AMG)が「1'25.044」を出してトップにつける。このタイムを抜くべく谷口選手も猛プッシュを行ない、「1'25.166」を記録するも、惜しくもあと一歩届かずに予選が終了した。
しかし、久しぶりの2番手スタートにチームのテンションも高く、決勝レースに確かな手応えを感じていた。
■4月9日(日)好調なスタートを切った決勝レース
今年から決勝日朝のフリー走行がなくなり、決勝前のウォームアップ走行のみが決勝レース前に走れる唯一の時間となった。そんな中、とくにトラブルも発生せずにグリッドにつく。スタートドライバーは片岡選手。フォーメーションラップでGT500のNSXが続々とストップしてしまい、赤旗中断からのセーフティーカー先導でスタートが切られた。
目の前の65号車とスタート直後からバトルを繰り広げるも、序盤で52号車(埼玉トヨペットGreenBraveマークX MC)がクラッシュし、再び赤旗中断、セーフティーカーランとなった。10周目にセーフティーカーか解除されると、再び65号車とのバトル再開。コンマ数秒差で追いかけていく。そしてついに18周目に65号車をパスし、トップに立った。ここから2位以下をジリジリと引き離していき、25周目には約10秒近い差を広げていた。
29周目にピットイン。ドライバーは谷口選手に交代し、ピットタイムを短縮するためにタイヤは左側2本のみ交換で、コースに送り出した。
タイヤを温めつつ順位を戻していく谷口選手。アウトラップこそ16位だったものの、ピットに入ったチームの中ではトップを走っていた。徐々にペースが上がっていき、ほかより2秒速い1分26秒台を連発。49周目に1位となるも50号車(Ferrari 488 GT3)がクラッシュ。3度目のセーフティーカーが出動した。
57周目にセーフティーカーが解除され、レースは残り20周を切った。谷口選手は再び2位以下を引き離していき、勝利を盤石なものにしていた。25号車(VivaC 86 MC)との戦いを制した65号車がペース上げて追い上げてくるも、すでに追いつけるタイム差、周回ではなく、最後まで4号車(グッドスマイル 初音ミク AMG)がレースを支配して文句ナシの1位でチェッカーを受けた。
GOODSMILE RACING & TeamUKYOの勝利は2014年の第2戦富士以来。約3年ぶりとなる優勝にチームも応援してくれたファンも歓喜の渦に包まれた。
ほぼ完璧なレースに終わった開幕戦岡山。次戦は富士スピードウェイで5月3~4日に開催される。40kgのウェイトハンデが課されるが、2014年のように開幕2連戦優勝を目指す。
■チーム関係者コメント
安藝貴範代表
テストからの好調を受けて、緊張感のあるレースでした。ミスなくレースを終えれば、2シーズンぶりの勝利に手が届くかもしれないというプレッシャーはチーム全体から伝わりました。長いことお預け状態でしたから。何度かのレーストラブルがありつつも優位性を完全に失うことなく、ドライバーもメカニックも、ピンチの度に想定以上の力を発揮してくれたことが、最高に嬉しかったです。良い結果でシーズンの幕開けができました。次戦以降はこうはいかないと思いますが、初戦で獲得したポイントを守り切ってチャンピオンまで走り切りたいと思います。
片山右京監督
とにかく勝ててほっとしています。この2年間、トップを走ったり勝てそうなレースは何回もあったんですが、運が悪かったこともチャンスを逃してしまったこともあって、苦しいシーズンが続いていました。今年は同じマシン(AMG GT3)でタイヤメーカーがそれぞれ違うという状況の中、トップでゴールできたことは嬉しいですし、ヨコハマさんからファンのみんなまで、いろんな人から受けたサポートの上で勝てたんだと思います。毎年チャンピオンを獲るつもりでやってるけど、今年はいきなり優勝できて幸先のいいスタートが切れたと思います。というか、ここで何が何でも勝っておかないとね。ひとまず、我々は勝てるチームなんだということを改めて証明できたんじゃないでしょうか。勝ったときに「ざまあ見ろ」なんて言ってしまいましたが、これは誰に対してというワケではなく、これまで勝てなくて弱気になってしまった自分たちに対して、ほら俺たちは勝てるんだぞという意味です(笑)
谷口信輝選手
岡山の合同テストのときからかなり手応えを感じていました。予選はポールを狙っていくか、それとも決勝のことを考えるのか迷いましたが、確実に決勝で勝つためにハード寄りのタイヤを選びました。とはいえ、このタイヤでも2番手タイムを出し、もしかしたらポールもいけそうだったんですが、そこは悔しかったですね。
決勝では序盤は思惑通りに片岡選手がトップの65号車を抜いて1番手でバトンを渡してくれました。ピットではタイヤを左側の2本だけ交換して停止時間を短縮したおかげで、トップのままコースに戻れました。その後、順調にマージンを稼いでいったんですが、赤旗中断でリセットされ、さらに度重なるアクシデントでレースの終了時刻が遅れたことによって気温が下がり、タイヤがどんどん冷えてきてしまう状況になってしまいました。
万全の準備で臨んだ決勝ですが、流れはあまり僕らに向いてなかったような気がします。そんな中、優勝できたのは本当に幸せなことだと思います。この2年間、ずっと我慢をしてきて、僕の我慢貯金も満期を迎えようとしていたので、ここで一気に放出できて良かったです。
片岡龍也選手
大変お待たせしました。やっと勝てました! 今回のレースは練習走行から手応えを感じられる、マシンバランス、タイヤパフォーマンスでした。予選を迎える段階で、決勝を見据えたタイヤ選択にも関わらず、ポールポジションも狙える状況でした。結果は二位でしたが、優勝できるスタートポジションだったと思います。
僕はスタート担当なので、とにかくトップに立ってリードを築く事に集中し、無事に役目をはたして谷口さんへ繋ぐことができました。谷口さんのスティントはセーフティーカーでマージンを削られるなどプレッシャーのかかる状況でしたが、最後までポジションを譲ることなくトップでゴールしてくれました。今回ほど勝てると思ってレースをしたことは過去にないと思います。それくらいマシン、タイヤは素晴らしかった。そして、そのパフォーマンスをしっかりと優勝に繋げられて本当に良かった。
この勢いを今後も続けられるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。