中国GPから2週連続で開催されるバーレーンGP。中国GPの舞台である上海インターナショナル・サーキットがフロント・リミテッド(フロントタイヤに厳しい)のサーキットであるのに対して、バーレーン・インターナショナル・サーキットはリヤ・リミテッド・サーキット。まったくキャラクターが異なるコースである。
しかし、投入されるコンパウンドは中国GPとまったく同じで、軟らかいほうからスーパーソフト、ソフト、ミディアムの3種類。しかも、割り当てられるセット数もスーパーソフト7セット、ソフト4セット、ミディアム2セットと中国GPとまったく同様である。
さらにこのセット数は全チームまったく一緒。軟らかいコンパウンドから7セット、4セット、2セットとなっている。チーム関係者によれば、「これは16年から17年にかけてテストをしていないチームは、新しいタイヤのデータをまったく持ち合わせていないため、不公平になるのを防ぐための処置」だという。この協定は第5戦スペインGPまで続き、それ以降は昨年までと同様、セット数に関しては各チームが自由に決定できるようになる。
タイヤに関して、今シーズン新たな試みとして導入されたのが、バックアップコンパウンドだ。今シーズン、ピレリは5種類のコンパウンドすべてを新しくしたが、テストはいずれもトップ3チームによる暫定マシンだった。
新しいコンパウンドは「2017年マシンのダウンフォースが増加し、コーナーリングスピードが高くなることを想定して、オーバーヒートしにくく、デグラデーションが少ない設計となっている」とマリオ・イゾラ(ピレリのレーシングマネージャー)は語っている。
しかし、完全な新車のパフォーマンスレベルが明確になっていない中でコンパウンドを決定しなければならなかったため、2017年のコンパウンドはやや保守的な設計とならざるをえなかった。
そこで、ピレリはチーム側に承認をとったうえで、それぞれのコンパウンドにバックアップコンパウンドを用意。「チームから特別な要求が生じた際に投入する可能性がある」(イゾラ)という。つまり、バックアップコンパウンドはより2016年のコンパウンドに近い設計となっている。
ただし、バックアップコンパウンドが投入されるのは、2017年マシンのパフォーマンスレベルが明確になるシーズン序盤が終了した後となる。
ちなみにバックアップコンパウンドも、通常のコンパウンドと同様のカラーリングがタイヤ側面に施されているが、ラインの内側に写真のようにコンパウンドのイニシャルがアルファベットでペイントして、通常タイヤと識別しているという。