マクラーレン・テクノロジー・グループのエグゼクティブディレクター、ザック・ブラウンとフェルナンド・アロンソが、2017年インディ500参戦というビッグプロジェクトがどのように実現するに至ったかを語った。
12日、マクラーレン・ホンダのアロンソが今年の5月28日に決勝日を迎えるインディアナポリス500マイルレースに「マクラーレン・ホンダ・アンドレッティ」から参戦することが正式に発表された。同日に開催されるF1モナコGPは欠場する。
ブラウンとアロンソは記者会見を行い、2017年インディ500に出場するという話は中国GPで具体的に行われ、契約は数日前に結ばれたばかりであるが、元々の提案は今季開幕前になされていたことなど、これまでの経緯を明かした。
「冗談の中に真実が含まれていることはよくあることだ。オーストラリアGPの前に、アロンソにこう言った。『いつか一緒にインディに出ないか?』とね。そう言って、彼の反応を見た。彼は冗談で返したよ。私は水の中に餌を投げ込み、様子を見たわけだ」とブラウン。
「フェルナンド、(マクラーレンのレーシングディレクターである)エリック(・ブーリエ)、ホンダがオーストラリアで揃った時、グランプリウイークエンドの朝にまたその話をした。フェルナンドはこう言った。『ホンダはスピードウェイで信じられないような素晴らしい歴史を持っている。僕はいつか3冠を達成したい(注:F1モナコGP、インディ500、ル・マン24時間レースでの優勝)という夢がある。ル・マンに行きたいと思ったし、あなた方と一緒にインディに出場できればうれしい』」
オーストラリアGP後、ロサンゼルスで写真撮影をしていた時、ブラウンとの会話のなかで再びインディ500参戦の話が出たとアロンソは言う。
「ザックから別件で電話をもらった。話していた時に、インディ500に出場するという話題がまた出てきた」とアロンソ。
「僕としては、マクラーレンがインディ500へのエントリーを検討しているということがうれしかった。過去に何度か勝った経験のあるレースだ」
「ザックがこのプランを僕に話してくれた時はうれしかったけれど、2018年のことだと思っていた。だって2017年のインディまでは55日しかなかったからね」
その後、プランが急速に進行し、中国GPの金曜夜にアロンソはマネージャーとともにブラウン、ブーリエと話をした。
「もう少し真剣に話をした。やるなら土曜までに決断しようと決めた。そして土曜に僕はやろうと決めた」とアロンソは言う。
「これほど短時間で実現できるものなのか確信が持てなかったが、インディ、スピードウェイ、プロモーター、そしてアンドレッティ・オートスポートの大きなサポートを得ることができた」
「彼らの助けのもとで、2日間で実現した」
ブラウンは、アロンソがOKした後にインディへのエントリーに向けて具体的に動いたと語った。
「フェルナンドが『ホンダとともにインディ500に行こう』と言った時、『さあ、何とか実現させるぞ』と思った」
「インディカー、そしてマイケル・アンドレッティが非常に協力的に努力してくれた。また、ホンダのサポートなしには実現できなかったろう」
「この話はこんな風に始まり、今に至る。全員がわくわくしている」
インディカーのテストのプランはまだ決定していないが、アロンソは近いうちにダラーラのシミュレーターに乗りたいと述べている。4月23日のバーバー戦も訪れ、アンドレッティ・オートスポート、マシン、シリーズ自体に対する理解を深めたい考えだ。