マクラーレンとホンダは4月12日、フェルナンド・アロンソが5月28日に決勝レースが行われるインディ500に参戦すると発表したが、アロンソを起用することになったアンドレッティ・オートスポート代表のマイケル・アンドレッティは、「アロンソの最も大きな目標のひとつを叶えられる舞台を用意することが、とても待ち遠しい」と歓迎した。
インディカー・シリーズのトップチームのひとつであるアンドレッティ・オートスポートは、2016年はライアン-ハンター・レイ、マルコ・アンドレッティ、アレキサンダー・ロッシ、そして佐藤琢磨という4台体制でシリーズに臨んでいたが、インディ500はこれにジャック・ハーベイ、そして『マクラーレン・ホンダ・アンドレッティ』としての参戦となるアロンソを加え、6台体制での参戦が決まった。
「101回目のインディ500でマクラーレン・ホンダとパートナーを組み、フェルナンドをアンドレッティ・オートスポートの一員に迎えられとても光栄だ。こんな素晴らしい機会を与えてくれたザック・ブラウン、ホンダとマクラーレンに感謝する」とCEOを務めるマイケル・アンドレッティ。
また、アンドレッティはこの計画について「新しいパートナーシップのため周到に計画を組んできたし、素晴らしい5月を迎えるための準備は整っている。インディ500で勝利するという、フェルナンドのキャリアのなかで最も大きな目標のひとつを叶えられる舞台を用意することが、とても待ち遠しい」と事前に秘密裏に進行していたことを明かしている。
アロンソは当然、インディカー・シリーズへの参戦も初めてなうえ、特殊な環境であるスーパースピードウェイの走行も初。しかし、アンドレッティは「フェルナンドがスーパースピードウェイを走った経験がないことは心配していない」という。
「インディ500は練習に費やせる時間が十分にあり、ルーキーがデビューするのにふさわしい舞台だと思うし、我々が証明したようにルーキーが勝利した実績もある(16年のロッシ)。フェルナンドは優れた才能の持ち主だし、彼がマクラーレン、ホンダ、そしてアンドレッティ・オートスポートのために、素晴らしい走りをしてくれることは間違いないだろう」
「フェルナンドの参戦により、アンドレッティ・オートスポートからは6台での参戦となり、その6台がそれぞれ協力してセットアップを詰めていく。そうすることで、アンドレッティ・オートスポートとしてさらに競争力を上げ、際立つ存在になれると思っているよ」
アンドレッティが語るとおり、現代のインディカー・シリーズでは、複数台を走らせデータ収集のスピードを上げることは勝利に向けた常套手段となっている。アロンソの加入は、琢磨を含むチームにとっても好影響を及ぼすかもしれない。
また、アロンソが参戦することになったインディカー・シリーズCEOのマーク・マイルスもコメントを残している。
「ともに戦うライバルたち、ファン、メディアをはじめとしたすべての人たちが、卓越したレーシングドライバーであるフェルナンドのインディカーデビューを歓迎する。そのうえ、年間シリーズで最も素晴らしいレースで世界的にも有名なインディ500で、しかもホンダエンジンを搭載したアンドレッティ・オートスポーツでのデビューだから、過去にもあったような、面白い歴史が繰り返されるのではないかと思っている」
「フェルナンドの勝ち負けにかかわらず、名門マクラーレンのインディアナポリスへのカムバックに、とても興奮している。マクラーレンは、1970年代にインディ500で、マーク・ダナヒューが1勝、ジョニー・ラザフォードが2勝、計3回の勝利を収めた。ジョニーはきっと応援に来てくれると思う」
「最後に、チーム創始者で、偉大なドライバーでありエンジニアであり、実業家でもあるブルース・マクラーレンのことを忘れてはいけない。ついに彼は、今年インディアナポリス・ホール・オブ・フェイムに授けられる」