EIcars BENTLEY TTO #117 BENTLEY CONTINENTAL GT3
12th Apr, 2017
2017 AUTOBACS SUPER GT Round.1 OKAYAMA GT 300km RACE
大きな期待を抱いて挑んだ開幕戦は、20位でしっかり完走果たす
EIcars BENTLEY TTO(アイカーズ・ベントレー・ティティオー)が、今シーズンから新たに挑むSUPER GT シリーズの開幕戦が、岡山国際サーキットで4月8~9日に開催された。挑むのはGT300で、マシンはSUPER GT 初参戦のBENTLEY CONTINENTAL GT3。ドライバーとして起用されたのは、ともに経験豊富な井出有治選手と阪口良平選手だ。
このオフに行われた岡山国際サーキット、富士スピードウェイでの公式テストに参加し、大いに話題を集めていた『EIcars BENTLEY GT3』。ヨーロッパやアジアでは、すでに実績を残している車両であるが、日本のレースシリーズに参戦するのは初めてとあって、既存勢力とどう渡り合っていくのか誰もが気になっていたはずである。
その公式テストでは、完全にパーツが揃っていなかったり、日本のサーキットに対するデータが不足していたりして、100%のパフォーマンスを発揮できていたわけではなかった。それでも大きなトラブルに見舞われることなく、テストメニューは順調にこなされていったことで、大きな期待を抱いて開幕戦に臨むことになった。
公式予選 4月8日(土)曇り/ドライ
今回のQ1は阪口選手が担当。路面は直前に小雨がぱらついたものの、濡れるまでには至らず、もちろんドライタイヤを装着しての走行となった。ピットを離れ、タイヤのウォームアップを入念に行なっている最中に赤旗が出されるも、こういった中断でリズムを崩すことがないのはベテランならではの強みである。再開後に阪口選手は1分27秒586をマークし、いったんクールダウン。
その後、ふたたびアタックするも、タイムアップは果たせず。そのため、Q1突破にはコンマ6秒及ばず、『EIcars BENTLEY GT3』は23番手から決勝レースに挑むこととなった。ピットで見守っていた井出選手に、バトンを託せなかったのが惜しまれる。
決勝レース 4月9日(日)晴れ/ドライ
開幕戦のスタート担当は井出選手。SC の先導は1周に留まり、まずはポジションキープから『EIcars BENTLEY GT3』はレースを開始。絶えず単独ではなく、前後にライバルを置いた格好で周回を重ねていく。27周目には早々とドライバー交代を行う車両が現れるなか、井出選手から阪口選手への交代を37周目まで伸ばしたこともあって、暫定ではあるが9番手にまで浮上する。
またドライバー交代と併せ、行なったタイヤ交換はフロント2本だけとして、ロスを最小限に。そして、全車が交代を済ませた時には阪口選手が21番手を走行。それから間もなく2コーナーで生じたクラッシュに対応すべく、コース上にSC が入るも位置関係が悪く、ここでトップとは1周遅れに……。
なんとか同一周回に留めておきたいところだったのだが。それでも淡々と周回を重ねるうちに、トラブルで交代を余儀なくされた車両があって20番手に浮上。阪口選手は、そのままゴールまで走り続けて無事チェッカーを受けることとなった。
『EIcars BENTLEY GT3』、最初のレースは20位という、決して納得のいく順位ではなかったものの、トラブルに見舞われることなく完走を果たし、しっかりデータを収集できたことは、必ず今後に結びつくだろう。
コメント
井出有治選手
とりあえず最低限の目標だった完走はできたので、良しとしたいところですが、ちょっとベースのラップは決して良くはなかったです。ただ、バランスが今ひとつでも、この状態だったし、次までにやるべき状況は把握できているので、次の富士までに、みんなで改善していきます。
言い方は悪いですが、今が一番どん底だと思うので、ここから先はいいレースができるんじゃないかと。特にここのサーキットは、ベントレーにとって苦手なタイプでもあるので、きっと次の富士でいいところを見せられると思います。
阪口良平選手
悔しい気持ちも当然ありますが、一緒に走って分かったこともたくさんありました。僕はフロントタイヤだけ交換しましたが、やっぱりタイトコーナーはきつかったです。ここが良くて、ここがダメというのが明確に分かったのは、すごく大きい。
次の富士では公式テストでいいタイムが出たので、そのデータがあり、ベントレーにも向いていると思うので頑張ります。今回は完走できて、基本的にはノーミス・ノートラブルで終えられて、接触もなかったのですごく良かった。全体的には荒れたレースでしたがいいスタートが切れたと思います。
寺本監督
嬉しさと、悔しさが交差する複雑な心境です。嬉しかったことは、SGTへの参戦が正式に認められてから時間がなく、車の変更、スポンサーの変更ではない、まったくの新規チームで全てのスタッフ、すべての機材がALL NEW! 正直、うまく機能するのか不安でしょうがなかったのです。
他車のトラブルが多いなか、ちゃんとレースができたことが何よりでした。すべてのスタッフに感謝いたします。悔しかったことは、セッティングデータがほとんどなく、WetからDryに変わる公式練習の路面状況では、確かなセットも得られず、最後まで二人のドライバーに苦労をさせてしまいました。
BENTLEYの性能はこんなものでは決してないので次戦からはもっともっと戦えるクルマに仕上げていけると確信しています。