マクラーレンとホンダは4月12日、フェルナンド・アロンソが5月28日に決勝レースが行われるインディ500に参戦すると発表したが、アロンソはこの挑戦について「世界三大レースのすべてを制することは僕の夢のひとつ」とその理由を語っている。
2001年にF1デビューを果たし、2005~06年にワールドチャンピオンを獲得した経験をもつアロンソは、これまで多くの機会で『世界三大レース』への憧れを口にしてきた。2014年には、そのうちのひとつであるル・マン24時間を訪問。実際に参戦はせず、スタートフラッグを担当したのみだったが、その際も憧れを語っている。
これまで世界三大レースを制覇したドライバーは、1960~70年代に活躍したグラハム・ヒルのみ。現役ではファン・パブロ・モントーヤのみが“二冠”は達成しているものの、どのレースも勝つためにはある程度のキャリアが必要になっている。
そんななか、35歳になるアロンソの『強い希望』によりF1現役ドライバーの電撃的なインディ500参戦が決まった。アロンソは「マクラーレン、ホンダ、アンドレッティ・オートスポートとともにインディ500に出場できることをとてもうれしく思う」と語っている。
「インディ500はル・マン24時間とF1モナコGPに並び、世界中のモータースポーツの中で、もっとも有名なレースだ。今年モナコでドライブできないことはもちろん残念だけど、今シーズンF1で欠場するのはモナコだけだし、インディ500が終わったらすぐにチームに合流し、6月のカナダGPに備えるつもりだ」
「これまでインディカーをドライブしたことはないし、スーパースピードウェイでもレースをしたことはないけど、すぐに順応できる自信があるよ。インディカーはテレビやインターネットでよく観ているけど、350km/hを超えるハイスピードでの接近戦になるので、ドライビングに高い正確性が求められることは間違いないだろう」とアロンソは自信をみせる。
「かなり短い期間でマシンに慣れる必要があるけど、スペインGPを終えたらすぐに渡米して、マクラーレン・ホンダ・アンドレッティのマシンでできるだけ多くの周回を重ねて、マシンを自分のものにしていきたいね。優秀なアンドレッティ・オートスポートのクルーと一緒に仕事ができることもとても嬉しく思っているし、彼らが持つ知識と経験から多くのことを吸収しようと思っているよ」
アロンソは、インディ500挑戦決定とともに、ル・マン24時間への夢も口にした。
「モナコでは2勝を挙げているし、世界三大レースのすべてを制することは僕の夢のひとつだ。その偉業を成し遂げたのはグラハム・ヒルただ一人で、とても大変なことは分かっている。挑戦しがいのあるチャレンジだ。ル・マンにはいつチャレンジできるか分からないが、まだ35歳だし、時間はたっぷりあるから、いつか挑戦したいと思っているよ」