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北大が開発中のフレキシブルさと強度を併せもつ未来の新素材!鋼鉄の5倍丈夫なファイバーハイドロゲル

2017年04月12日 18:22  Techable

Techable

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多様な可能性を秘める素材“ハイドロゲル”は、フレキシブルでやわらかい特性を保有する一方、強靭性は欠けていた。
・スチールの5倍の強度を保持するハイドロゲル
北海道大学の研究チームが開発している特殊な新素材ハイドロゲルは、ファイバー素材を用いて補強したソフト合成素材。

ハイドロゲルと、織り込まれたファイバー生地素材とを組み合わせたもので、なんとカーボンスチールの5倍の強度をもつという。
・素材の組み合わせで強度を増す仕組み
これは、素材と素材とを組み合わせることで、強度を増強させる仕組みに着想を得たもの。例えば、泥にワラを混ぜることでレンガを強くしたり、砕いた陶器を混ぜてレンガをつくったり、セラミックに貝殻を混ぜたり、プラスチックにグラスファイバーを混成させたり、といったようなかたちだ。
・フレキシブルで折り曲げ可能
普通のハイドロゲルは、90%水分を吸収する“親水性ポリマー”の連なりでできている。これに強度を加えるため、小さなグラスファイバーを付加することで、丈夫で伸縮性を保有し、折り曲げ可能な素材が完成した。

ハイドロゲルと、直径10マイクロメートルのファイバーのイオン結合によって、目覚しい強度を実現。

この新素材はグラスファイバー生地の25倍、通常ハイドロゲルの100倍、カーボンスチールの5倍の強度を誇るとのこと。
・ファッションや医療分野への活用が期待
研究チームのメンバーJian Ping Gong氏によると、新素材は環境にも優しい上、フレキシブルで耐久性や強度もある。ファッションや工業製造の用途のほか、伸張付加への強い耐性が必要になる人工靭帯や人工腱などにも活用できるのでは、と考えられているそうだ。新素材の実用化が楽しみだ。

fiber-reinforced hydrogel

Hokkaido University