ルイス・ハミルトンは、今後のレースでホイールベースの長いメルセデスのマシンが、より優位にフェラーリと戦えるか否かを見極めたいと話している。
トップチームのマシン同士の差はそれほどではないものの、メルセデスは涼しいコンディションや一発のアタックで速さを発揮しているようだ。オフシーズンテストではときに難しい状態にあったが、ハミルトンによるとチームはこの数週間は『W08』への理解をより深めるために懸命の作業を行っており、これが中国GPでの勝利につながったという。この勝利によってドライバーズ選手権でセバスチャン・ベッテルと並びトップに立った彼は、次のように語っている。
「僕たちは(中国の)涼しいサーキットに来て、開幕戦で得た新しい知識を生かして週末のレースを戦った。強さで言えば僕たちが上だ。だがペースという点では、中国ではフェラーリの方がやや速かったし、差はこれまで以上に縮まっている」
「この先、異なる気温やコース特性、中速、低速、高速コースなど、様々な条件で戦うたびに、その差がどう変わるのかが楽しみだよ」
「僕たちのマシンは150(mm)かそのくらい、彼ら(フェラーリ)のマシンよりも長い。それがモナコでどう作用するだろうか? 少しの違いにしか見えないかもしれないが、コーナーを曲がるときの感触では大きな違いがあると思う。とても興味深いし、今後の数戦でどうなっていくかがわかるだろう」
他のチームを引き離して一騎打ちの様相を呈するメルセデスとフェラーリの戦いについて、シーズンの早い段階で優位に立つことには大きな意味があるとハミルトンは話す。
「どの時点でのどんな形でもいいけれど、早い時期に優位に立てれば、それが最終的には間違いなく大きなメリットになるだろう。チームとしても、相手を少しでも上回ることができれば、追い上げようとするライバルにプレッシャーを与えられる」
2016年シーズン中はスタートが弱点となっていたハミルトンは、この部分の克服も含めてパフォーマンス向上に懸命に取り組んでいる。昨シーズンのルール変更により、ドライバーは自身の力量のみを頼りにスタートしなければならなくなった。ハミルトンはスタートが「確実に難しくなった」と認め、次のように述べている。
「そこに関しては、相当に厳しい練習を積んできた。もうこれ以上は無理だというくらいやったよ。でもまだ終わりじゃない。引き続き進化を続けなければならないが、これまで自分がやってきたことには満足している」
「身体を鍛えようと思ったら、誰だって普通はジムに行って苦しい特訓に耐えて、もう行きたくないとも思う。でも最終的には自分の努力が、目に見える成果になって表れるんだ」
「今年は僕自身が、それをより実感できている。たとえば身体の強さやスタートに、取り組みの成果が表れている。結果と対価が、はっきりと見えているんだ」