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GENERATIONS、躍進の裏にある“葛藤”と“成長”を語る「次は僕らが歴史を作る番」

2017年04月12日 16:02  リアルサウンド

リアルサウンド

GENERATIONS from EXILE TRIBE(写真=竹内洋平)

 GENERATIONS from EXILE TRIBEから2017年一発目の作品となるシングル『太陽も月も』が届けられた。2016年、3月にアルバム『SPEEDSTER』をリリースし、4月から12月まで初の単独アリーナツアーを開催した彼ら。今年もアリーナツアーやワールドツアー、アルバムリリースを予定しているほか、3月には地上波で初の冠番組『GENERATIONS NO.1~ジェネワン~』(テレビ朝日系)が放送されるなど、いよいよ人気実力ともに本格的なものへと変貌を遂げている。


 そんな躍進の裏でメンバーが感じる葛藤や真の成長とは? さらに『太陽も月も』のレコーディング秘話、振付の解説、所属するLDHの世界展開を伴う新体制についても話を聞いた。(鳴田麻未)


■“ただ楽しいだけ”じゃない期間だった(数原)


――まず今回のシングルに至るまでの話から聞かせてください。昨年のGENERATIONSは、3月にアルバム『SPEEDSTER』、4月から12月まで初のアリーナツアーと、ファンの応援を直に感じられた1年だったのではないでしょうか。この1年間はグループにとってどんな期間でしたか?


片寄涼太(以下、片寄):初めてアリーナツアーをやったことは大きいですね。夢が叶った瞬間でもありつつ、いろいろ学ぶことがあったり、新たな夢が見つかったり。そんな1年だったんじゃないかなと思います。


――「学ぶこと」とは具体的にどういうことでした?


片寄:アリーナでのライブを経験して、自分たちの中でもGENERATIONS像がより具体的に見えてきて。お客さんにこういうことが求められてるんじゃないかとか、逆に新たにこんな提案ができるんじゃないかとか、そういったことを学びました。


数原龍友(以下、数原):やっぱりステージに立ってる時間って夢のようで楽しいんですけど、その反面、葛藤もすごくあって。公演が終わってからやライブのない期間に考えさせられることもたくさんありました。実際に今はライブがない期間で、夏にツアーを控えていろいろ制作している段階ですけど、去年のアリーナツアーを踏まえて考えてることもたくさんあります。ただ楽しいだけじゃない期間だったと思います。


――その葛藤はメンバー間で共有してましたか?


数原:例えば歌のことだったら、それは自分自身の問題なので話さないこともあります。そういう細かいことをどこまでこだわってやるのがいいのかとか、自分の中でたくさん葛藤した1年でした。


――単独ツアーは約8カ月間と長期に及びました。パフォーマンスも初めのほうと終わりのほうではアップデートされていったのでは。


白濱亜嵐(以下、白濱):そうですね。単独ツアーのスケジュールは前半と後半に分かれてたんですけど、後半のほうが手応えがありました。ほんの少しの期間でダンスシーンにも変動があったり、また違う表現方法を学んだりしたので。そういう違いや自分の中の変化に気付けたのはツアーを長くやったからこそです。前半の公演がDVDになったんですけど、後半戦もDVDにしてほしかったなって、悔しいくらいですね。


――大きな会場で、それも自分たちを見に来たお客さんだけというワンマン。プロとしての自覚もより強くなると思うんですが、実際のパフォーマンスや心持ちはデビュー当時と比べて変わりましたか?


関口メンディー(以下、関口):デビュー当時はただ踊っていたという感じでしたが、今は魅せるパフォーマンスになってきていると思います。ライブって自分たちだけが楽しんでも意味がなくて、お客さんに楽しんでもらって初めていいものになると思うんで、そういう意味ですごくお客さんを意識できるようになりました。昨年のライブを通して、お客さんに楽しんでもらいたいっていう思いがものすごく強くなりましたね。


――年数を重ねたから芽生えた思いなんでしょうか。


関口:そうですね。あとは先輩のステージを見させてもらったり、いろんなところに出してもらったことも大きいです。そこで学ぶことはすごく多かった。


小森:確かに。去年は『HiGH&LOW THE LIVE』で先輩方と全国を回れたのも大きな経験でした。LDHのTRIBE(一族)感が感じられる場でもありましたし、あそこでGENERATIONSに興味を持ってくれた人もいると思うので。先輩方の勢いもお借りして、たくさんの人に応援していただいている実感が得られた1年だったので、今年はその状況をより広めていけたらいいなと。


――それで言うと先輩たちに対する思いはどうでしょう。変わらず尊敬はしてると思うんですけど、自分たちも経験を重ねたことで見えてくることはありますか?


白濱:デビューしたときと比べると、ライブの規模もLDHの中で僕らの置かれてる立場も全然違いますし、年数を重ねるごとに自分たちのやりたいことを具現化できるようにもなってきました。そして初めてアリーナでのライブを経験してみて「ああ、先輩は昔こういう思いしていたのかな」と気付けたんです。僕らのグループ名の後ろに「from EXILE TRIBE」と付いている意味の深さを改めて感じています。


中務裕太(以下、中務):そうだね。「先輩の恩恵を受けてます」とは昔から言ってたんですけど、今は先輩方がやってきたことの深さとか重みを、よりリアルに肌で感じていて。その上で次は僕らが歴史を作る番だなって思ってます。先輩方に作っていただいたレールの上を走るだけじゃなくて、自分たちの道を作っていきたいなと。今はTHE RAMPAGEとか後輩がいて、その後輩が背中を追いかけてくれるような存在にならないといけないという使命感があります。


――GENERATIONSなりの道の進み方、独自のやり方というのも見えてきてるのでしょうか。


関口:「先輩がそっちに行くなら俺らはこっちかな」と。TRIBEだけどまったく同じになっちゃうとつまらないと思うので、常にいろんな音楽に触れていたいです。


佐野玲於(以下、佐野):音楽的にも、EXILEらしい王道スタイルの曲と僕らにしかできない曲、どっちもやっているつもりですね。


■ロックテイストに合わせたキャラ作り(数原)


――2017年最初のシングル曲「太陽も月も」は、GENERATIONSのキャリアにおいてどんな位置付けの曲になりそうですか?


片寄:2017年下半期に単独アリーナツアーがあるので、前回より進化したものにしたいなと思ってますし、その勢いを付けてくれるような楽曲です。こういうダンサブルな楽曲に恋愛の詞を乗せるスタイルは、昨年の「PIERROT」(2016年11月発売のシングル)に続く形なので、GENERATIONSらしさをさらに強く感じていただけるんじゃないかなと思います。


――ロックサウンドに乗せて、歌詞では恋愛感情の変化や明暗を「太陽」と「月」の関係で表現していますね。ボーカルの二人は曲をどう解釈してレコーディングに臨みましたか?


数原:以前「Hard Knock Days」(2015年8月発売のシングル表題曲)でロックな歌唱をやってみたんですけど、GENERATIONSの今までやってきたこととロックのテイストをミックスすると新しい感じになって、いい手応えがありました。今回はそういうロックな印象を受ける楽曲で、デモを聴いたときから「すげえカッコいい曲だな」と思ってましたね。レコーディングは、サウンドの力がかなり強い楽曲なので、それに負けないようにキャラ作りをして取り組みました。


――キャラ作り?


数原:アグレッシブさを前に出した歌い方にしたんです。バラードを歌うときとは全然違うキャラになろうと思いました。


――片寄さんはいかがですか。


片寄:この曲のテーマは、恋愛をすることの難しさや煩雑さ。確かに恋愛でこういうことってあるなと感じてもらえる、リアリティのある曲だと思うんです。歌う上では<別に心が冷めたわけじゃないない>っていう歌詞があるんですけど、作詞家の小竹(正人)さんから「攻めてる表現なんだけど、これは今のGENERATIONSにしかできない」と伺って、これをどうサムくならないよううまく演出できるかにこだわりました。


――具体的にどんなテクニックで乗り切ったんですか?


片寄:中途半端にやらずに、やり切ることですね。主人公のキャラクターになりきって演じ抜いたほうが普通に聴いてもらえる。そんな気がしました。


■サウンド、歌、振付のミクスチャー感を面白がってもらえたら(佐野)


――端的に表すと今回はどんな振付ですか?


佐野:えっと、マジ激しいです。


一同:あはは!(笑)


小森:そうだわ(笑)。


佐野:「PIERROT」でも振付をやってもらった、僕らが好きなコレオグラファーのライル・ビニガにお願いしたんです。彼は僕らの人間的なことも理解してくれて、好きなスタイルもわかった上で作ってくれるし、曲を理解するスピードも早いんです。今回のパフォーマンスはすごく激しいんですけど細かくて繊細で。フォーメーションもたくさんあるけどメンバーの表情が見える作りになっていると思います。


――そもそも振付師って、皆さんが「この人がいい」という希望を伝えて起用されるものなんですか?


佐野:自分たちで振付を作ることもあるんですけど、ちょっとワガママ言えるようになったというか(笑)。憧れていたダンサーと仕事ができるようになったので、今は自分たちでやるのもほかの人に頼むのもアリだと思ってます。そうすることで海外の人のエッセンスをもらえるし。


――なるほど。振付のコンセプトはどういうふうに受け取りましたか?


佐野:ヒップホップなんですけどトレンドっぽいというか。今、ダンス未経験の子でも踊れる動きっていうのが流行りの一つなんですよ。小学校の運動会でみんなでやるような。そういう動きも入ってるんです。サウンドはロックで激しい、歌詞は恋愛モノでシャレが効いてる、動きはヒップホップで遊びも入ってる、というごちゃ混ぜな感じですね。


――ヒップホップダンスはリズムやビートに則ってグルーヴを表現するわけですから、これだけギター全開のロックサウンドに踊りを乗せるって本来は難しいですよね。


佐野:そうなんです。それをあえてやるからちょっと新しく見えるんじゃないかなっていう。一つのジャンルの表現に統一されたものじゃなくて、バラエティに富んだミクスチャー感を面白く感じてもらえたらと思いますね。


関口:ヒップホップのアーティストもいろんな音楽を取り入れてるから、ごちゃ混ぜな文化や遊び心がヒップホップでもあると思うんです。ロックテイストにダンスを乗せるっていうのもそういう発想の表現として見ていただけたらうれしいです。


■LDH海外展開に、GENERATIONSは?


――LDHが組織改革をして海外展開することを発表しましたが(関連:LDH、2017年新体制動画公開 三代目、SECOND、GENEら新情報とHiGH&LOW続編も)、皆さんはこの展開にどう関わるのか気になるところです。


小森:新体制になって何か大きく変わるというより、今までやりたかったことをやれる可能性と規模が広がったというふうに捉えてもらえれば。ヨーロッパ、アメリカ、アジアに仲間が増えたっていうイメージなんです。先輩方やTHE RAMPAGEっていう上下の幅と同じように、クリエイターやスタッフという横の幅が広がった感じです。


佐野:例えば僕らが海外のプロデューサーとかダンサーとかアートディレクターとか、クリエイティブ分野の人とつながって曲を作れれば、グループとしてもいろんな能力や魅力が身に付くし、日本のシーンに新しい風を吹かせられるんじゃないかと。実際に今、歌番組でダンスがたくさん取り入れられたり、ラッパーがポピュラーになってきていたり、日本の音楽の流れが変わり始めている気はするので。


――GENERATIONSは今年6都市を回るワールドツアーを行いますが、2015年にもその経験をしています。すでに海外のステージを学んでいるんですよね。


中務:最初は「お客さん来るのかな」とか「盛り上がってくれるのかな」とかナーバスな感じだったんですけど、いざパフォーマンスしてみるといい意味で予想外の反応が返ってきて。自分たちの積み重ねてきたことが間違いじゃなかったって自信に変わりましたし、がんばったら世界でもっとやれるんじゃないか、そこに行くと新しい景色が見えてくるんじゃないかなって感じました。海外の人は目が肥えてるんで、よりダンスと歌をがんばらないとな、とは思います。


関口:これはLDH USAのスタッフに言われたことなんですけど、「『アメリカで、日本みたいに大きな規模でライブするなんて無理』と思わないでほしい」と。日本でも「夢者修行」で全国回って、その成果でファンの方々も増えたから、そういうふうに積み重ねれば海外でもできるんだよと言ってもらえたんです。2015年にパフォーマンスしたときも、これを続けていけばお客さんが増えていくことってあり得るなと思いました。楽曲制作にしても、海外の人に伝わりやすい楽曲を入れたほうがいいんじゃないかという話に発展しますし、常に視野を広く持っていたいですね。今はYouTubeとか海外に発信できるツールがいっぱいあるので、僕らの知らないところでどんどん広まっていく時代ですから。


片寄:いつかは海外で楽曲を作って、今までと違う形で自分たちの曲が広がっていくようなシステムも、このLDH WORLDの展開で備わっていくと思うのでそういうチャレンジもしていけたらなと思います。


――ダンスに対して歌は言葉の壁がありますが、海外の人に伝えるのやはり大変ですか?


数原:言葉の壁はどうしてもありますし、越えるのは難しいと前回のワールドツアーで実感しました。でも日本の音楽を聴きたくて来てる人もいたのは事実で。自分たちの曲を英語にして歌ったりもしたんですけど、意外と日本語のほうが喜ばれる部分があったんです。だから日本語で歌えるのは強みでもあると思いました。今年のワールドツアーでは、お客さんとの距離を縮めるために、逆に現地でポピュラーな曲をカバーするのもアリかもしれないと思ってて。まあカバーしたらまた気付くことがあるかもしれないですし、やってみてからですね。


白濱:今年の僕らはワールドツアーだったり国内アリーナツアーだったり、このシングルのリリースだったりアルバムだったり、いろんな活動が決まってるので、目の前のことを一つずつしっかりとこなしていきたいです。それを経て感じることがあるでしょうし、次の目標も見つかってくると思うので。去年以上に充実させてもっとたくさんの人にGENERATIONSを知っていただけたらなと思います。