2016年までアウディからWEC世界耐久選手権に参戦したルーカス・ディ・グラッシは、トヨタからLMP1参戦のオファーを受けていたことを明かした。
昨シーズン、アウディR18をドライブし、ドライバーズランキング2位を獲得したディ・グラッシ。今季はアウディがLMP1での活動を終了したため、LM-GTEクラスを戦うAFコルセへ移籍している。
そんなディ・グラッシは、トヨタから第2戦スパ・フランコルシャン、第3戦ル・マン24時間へ投入する3台目のトヨタTS050ハイブリッドをドライブするオファーを受けていたと明かした。
しかし、ディ・グラッシは現在もアウディとの契約を有しており、フォーミュラEにはワークスパートナーのアプト・シェフラー・アウディ・スポートから参戦している。そのためトヨタからスポット参戦するための許可を得られなかったという。
「昨シーズン、LMP1で非常にいい結果を残すことができたから、いくつかのLMP2チームや米国IMSAのチーム、それにあるLMP1チームからアプローチがあったんだ」とディ・グラッシは語った。
「(アウディとの契約上)ル・マンでLMP1クラスに参戦することはできないけど、他クラスであれば制限はないんだ」
「アウディはドライバーが他のカテゴリーやクラスで活動することに協力的なんだ。彼らはとても公平なんだよ」
「オファーはいくつかあったけど、僕からは『LMP1クラスには出られない』と率直に伝えた」
アウディのグループ企業であるポルシェは2017年もLMP1に参戦し、トヨタと一騎打ちを演じる。しかし、ポルシェはディ・グラッシにWECでLMP1やLM-GTEプロクラスのシートはオファーしなかったとみられている。
また、ディ・グラッシは最終的にAFコルセ加入を選んだ理由について、LMP2クラスへの参戦には興味がなかったことが理由だと語った。
「LMP2は好きじゃないんだ。あのクラスでは3名のドライバーのうち、シルバーランクのドライバーが1番重要になってしまうからね」
「だから、LM-GTEへの参戦を視野に入れていた。理想的なシナリオはポルシェチームへの合流だったけど、彼らはすでにドライバー布陣を決定していたんだ」
「2012年のマカオGPに、フェラーリから参戦しているから、彼らの戦い方は知っている」
「アウディが(WECからの)撤退を決め、(フォーミュラEニューヨークePrixとWEC第4戦ニュルブルクリンクの)日程重複が判明したことで、WECへフル参戦できないことははっきりしていた。だからル・マンに集中するよ」
「GTマシンでの経験を積むのはいいことだ。走れば走るほど強くなるからね」