アウディスポーツは4月12日、ニューヨーク国際オートショーに先駆け、新たなカスタマーレーシングカーとなる『アウディR8 LMS GT4』を発表した。
近年、高速化とコストが高騰しつつあるGT3カテゴリーに代わり、ジェントルマンドライバーの受け皿として多くのメーカーが車両をリリースしているGT4カーに、新たな一台が加わった。北米でもGT4はIMSAやピレリ・ワールドチャレンジをはじめ多くのカテゴリーで使用されているが、それに合わせアウディは、ニューヨークショーで新たなカスタマーレーシングカーとしてR8 LMS GT4をリリースした。
GT3カーのR8 LMSに比べると、当然ながら控えめな印象となるR8 LMS GT4は、市販のアウディR8クーペと60%の部品を共通としており、アウディ・スペースフレームによる高い安全性を確保しながらもローコストを実現しているという。
デビューは2017年のニュルブルクリンク24時間を予定しており、さらに開発が進められ、2017年内に世界中でデリバリーがスタートするとされている。
「すでに世界中で、13のカテゴリーでGT4カーはレースを戦うことができる。アウディスポーツはGT3、TCRに車両を供給している主要なメーカーのひとつだが、GT4についても正確なタイミングで目標を定めている」と語るのは、アウディスポーツ常務のシュテファン・ヴィンケルマン。
GT4はすでに北米、さらにヨーロッパではVLNニュルブルクリンク耐久シリーズ、イギリスGT、フランスGT、イタリアGT等でも活用されているほか、アジアでもブランパンGTシリーズ・アジア、中国GT等にも参戦が可能。日本でもスーパー耐久に参戦することができる。
これでアメリカではフォード(マスタング)、シボレー(カマロ)、ヨーロッパではBMW(M4)、ポルシェ(ケイマン)、マクラーレン(570S)、メルセデスベンツ(AMG GT4)等、GT4カテゴリーには続々とメーカー肝いりのマシンが揃いつつある。日本メーカーがこの波にどう乗ることができるかも注目だろう。