育ちも考え方も違う男女が一緒に住めば、自分にとって当たり前のルールが、相手にとってそうでないことがある。電気をこまめに消すかどうも、そのひとつだ。
はてな匿名ダイアリーに4月10日に寄せられた投稿では、投稿者が同棲相手に電気を消すように注意したところ、「たかが数十円でそんなに怒られる意味が分からない」と怒られた様子が書かれている。
すかさず投稿者が「たかが数十円でももったいないでしょ」と返したところ、「それぐらいなら金出す」と反発され、話は平行線を辿った。
「人間には個性があって、ある人には何気ないことが、ほかの人には難しい」
投稿者は几帳面なタイプなのだろう。何度注意しても電気を消すという「些細なこと」ができない相手の気持ちがわからない。「金を出せばいい」問題ではなく、使っていないなら消すことがマナーやモラルだと思っている投稿者は、「わたしが間違っているのか?」と疑問を持ち、
「片付けできない。使ったら使いっぱなし。元通りにできない相手には何を言っても理解してもらえないんだろうか……」
と、嘆いている。
はてなブックマークでは、「他人に向かって『するべき』といえるほどのことじゃない気がする」など、同棲相手に同情する人からの書き込みがある。「やろうとは思うが、他のことに気を取られたりして忘れる」という人物は、この状態で責められ続ければ、逃げ道がなくなってしまうと書く。
また、「人間には個性があって、ある人には何気ないことが、ほかの人には難しい」「防犯上の理由でつけたままにする家もある そういう家に育った人だとつけっぱが当たり前だと思っているかも?」など、当たり前は人それぞれ違うので、頭ごなしに否定するのは考えものだ、と指摘する意見も挙がっている。
「価値観の相違に気付いた時にお互いがどういう態度に出るのか」が重要
使っていないときに電気を消すという考えはわかるが、妻から「たまたま忘れた事を『いつも』『もったいない』と自分は無謬の如く言われて本当に腹が立った」という経験を書いた人もいる。投稿者は伝え方を工夫すべき、という主張もあり、
「『もったいない』という精神論をあたかも論理的であるように注意するから噛み合わない。数十円で怒ってるのではなく、なんか気に入らないんだ、と伝えよう」
というアドバイスも見られた。
また、問題は電気代などの些細なことではなく、一緒に暮らす男女が価値観の違いにどう取り組むかの姿勢にある、という指摘も目立つ。
「価値観の相違に気付いた時にお互いがどういう態度に出るのか、互いに譲歩できるか、というのが重要。一方が譲歩すればいいという問題じゃない」
人それぞれ価値観は違って当然だし、できないこともある。今後結婚して人生を共に歩もうとする相手であれば、互いの違いをどう埋め、弱点をどう補い合うかを決めていく必要はある。
「システムで解決できないか、自動化できないかを模索するが吉」というコメントがあったが、人感センサーを設置するなどして、相手が苦手な「電気を消す」という作業そのものをなくすのも有効な手段だろう。
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