WRC世界ラリー選手権に参戦するMスポーツは4月6~9日に行われた第4戦ツール・ド・コルス(ラリー・フランス)でフォード・フィエスタWRCに発生したトラブルへの対応を急いでいる。
Mスポーツのエース、セバスチャン・オジエは、ツール・ド・コルスでティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)と僅差の優勝争いを展開。しかし、オジエのフィエスタWRCには油圧系トラブルが発生したため、最後までバトルを繰り広げることができなかった。
加えて、競技最終日のデイ3には電気系統のトラブルも発生。最終的にオジエは総合2位を獲得したものの、ヌービルに1分近い大差をつけられたほか、総合3位を獲得したダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)にも1.3秒差まで詰め寄られた。
またオジエのチームメイト、オット・タナクのフィエスタWRCはエンジントラブルがあったほか、エルフィン・エバンスのマシンにも油圧系トラブルが発生している。
オジエは「今週末はマイナートラブルが頻発した。しかも、1台だけではなく3台全てにだ。チームは早急に対策を講じる必要がある」と不満を隠さない。
「こういったシチュエーションは望んでいないし、もう一度ストレスフルな状況を味わいたいとも思わない」
■チーム代表、早期問題解決を誓う
Mスポーツ代表のマルコム・ウィルソンは総合2位を獲得し、依然としてランキング首位を維持しているオジエとコドライバーのジュリアン・イングラシアに感謝を述べると同時に、問題解決に全力を注ぐと語った。
「チームにとっては厳しい週末だった」とウィルソン。
「これまでに起きたことのないトラブルに悩まされた。私から伝えたいのは、チームは次のイベント(第5戦アルゼンチン)までに問題を解決するべく、全力を注いでいるということだ」
「セバスチャン(・オジエ)とジュリアン(・イングラシア)の働きを賞賛したい。こんなに難しい状況のなか、素晴らしい戦いぶりだった。総合2位という結果は、彼らがどれだけ力を注いでいたかを証明するものだよ」
「(ツール・ド・コルスの舞台である)コルシカ島で直面した困難を考えれば、セバスチャンがランキングトップに留まり、チームランキングでもトップを維持できたことは素晴らしいことだ」
「我々は来週、5日間のテストを行う。そこでマシンのパフォーマンス向上と、ツール・ド・コルスで発生した問題の解決に向けて作業を行う」
なお、オジエはテクニカルトラブルを除けば、ターマック(舗装路)でのマシンパフォーマンスには満足していると述べている。
「(マシン開発で)我々が目指している方向は正しいということがわかった」とオジエ。
「ターマックにも(パフォーマンスを発揮できる)自信を持ってコルシカ島に乗り込んだ。実際、いいアタックができたし、その考えは間違っていなかったよ」
「ティエリー(・ヌービル)と渡り合うだけの速さがあった。少なくともマシントラブルが起きるまでは、(ヌービルに)数秒差まで迫り優勝争いを演じられたんだ」