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「ベンチャーが陥りがちな問題に迫った」DeNA問題・第三者委報告を弁護士らが評価

2017年04月11日 18:53  弁護士ドットコム

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医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」をはじめとしたキュレーション事業の問題をめぐって、DeNAが設けた第三者委員会が発表した「調査報告書」について、弁護士やジャーナリストでつくるグループが4月11日、5段階評価の「格付け」の結果を公表した。メンバー8人中1人が最高評価の「A」をつけたほか、残りのうち4人が「B」、3人が「C」にした。


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格付けをおこなったのは、「第三者委員会報告書格付け委員会」(委員長:久保利英明弁護士)。不祥事が発覚した企業が設ける第三者委員会が発表した「調査報告書」について、委員が議論して評価をおこない、インターネット上に発表している。これまで計13回の格付けの中で、最高評価の「A」をつけた委員がいたことは、今回のDeNAの報告書が初めて。


格付け委員会はこの日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた。久保利弁護士が「相対的に高い評価だった」と述べた。評価されたポイントは、(1)キュレーションという新しい事業について、法的検討なども含んだ詳細な分析検討を加えている(2)原因・背景分析において、ベンチャー企業が陥りがちな問題点に迫ろうとする姿勢がうかがわれる(3)調査報告書全体として公共財的価値が高い−−など。


副委員長をつとめる國廣正弁護士は、DeNAのキュレーション問題について、「プラットフォームで責任なく掲載して、著作権侵害なければそれでいいのか。そういう中でフェイクニュースとまでいわなくても、へんてこなものが出る。それを何百万人の人がみて、場合によっては、世の中がへんてこりんな方向にいくかもしれない。自分はプラットフォームだから責任ないということでよいのか」と問題意識を示した。


(弁護士ドットコムニュース)