2017 SUPER GT 第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」(4/8~9)
岡山国際サーキット(1周3.703km)
入場者数:予選9,700名、決勝17,300名 合計27,000名
4月9日(日)、シリーズ開幕戦となるSUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の決勝が行われ、威風堂々と9番グリッドからの挽回を狙っていったDENSO KOBELCO SARD LC500は、スタートを担当したヘイキが波乱のオープニングとなったなかで落ち着いて好バトルを展開。12周目、27周目にオーバテイクによるポジションアップし5位まで浮上。
前を追いかけ続け39周目にピットイン。素早いピットワークでライバル勢をかわし3位に浮上すると、交代した平手も速いペースで後方から追いすがるライバルを退け、前とのギャップを詰める。レース後半に2度目のセーフティカー導入の波乱の後に上位4台のLEXUS勢による激しい一進一退の攻防が続き、ポジションを見事キープして3位表彰台を獲得した。
チーム一丸となって3位表彰台をもぎ取ったDENSO KOBELCO SARD LC500。ドライバーポイントでは11点を獲得、チームポイントでは14点を獲得した。次の第2戦はゴールデンウィーク中の5月3日(水・憲法記念日)・4日(木・みどりの日)に富士スピードウェイで開催される。
春の訪れを告げるサクラの花が咲く春の季節、いよいよ2017年シーズンが開幕。3年目のコンビを組むヘイキ・コバライネンと平手晃平のデフェンディングシーズンの初陣となる第1戦岡山。
2月に行われたオフシーズンテスト、3月に当地で行われた岡山GTA公式テストでつねに上位タイムをマークするなど新型車両のDENSO KOBELCO SARD LC500は順調な仕上がりをみせている。
チームの布陣は、エントラント代表が才木祐二、総監督として株式会社サード代表取締役社長の佐藤勝之が務め、チーフエンジニアは田中耕太郎、データエンジニアに笠井昭則が引き続き努める陣容となる。
ドライバーを始めチーム一同が身を引き締めてデフェンディングに臨む開幕戦の舞台は、岡山県東部の山間部・美作市にある岡山国際サーキット。開幕戦はハンディウェイトが各車ともゼロ、公式予選は両ドライバーが1回ずつアタックするノックアウト方式(Q1とQ2)でグリッドが決まり、決勝は300kmでピットストップは1回となる。
岡山はかつてF1も開催されたことがある有数のテクニカルコース。今季路面が全面再舗装されグリップレベルが向上。約3.7kmと距離が短いながらも至る所にパッシングポイントがあり、ボディを擦り合わせながらの激しい超接近戦がコースサイドすぐそばで見られ、迫力ある臨場感が体験できるサーキットである。
今季出だしの一歩となる開幕戦に威風堂々、勢い良く勝利を狙っていった。
8日(土)午前中の公式練習走行は、気温18度/路面温度20度のであったが霧雨により雨水の量は少ないがウェットコンディション。9時から混走セッションが開始され、先頭を切ってヘイキが駆るDENSO KOBECLCO LC500がコースイン。予選ウェット仮定のためタイヤのベディング(皮むき慣らし)でいくつかのウェットタイヤをヘイキ12周、平手6周ほど行った。
クルマのバランスはテストから継続して良く、路面が乾いてドライコンディションになったところで再びヘイキがコースイン。21周目から本格的にタイヤのコンディションによるパフォーマンスの確認を実施。トータル29周にわたって混走セッションでのクルマの仕上がり具合を精力的に確認した。
この混走セッションでは1分19秒363の2番手タイムをマークした。その後の10分間のGT500単独セッションでは、平手がアタックシミュレーションを行い、5周目に1分19秒138の4番手。ウェットからドライに路面コンディションが変化していった公式練習走行ではトータル36周を走行。
サーキットサファリでは燃料を積んだ状態でのクルマのバランスチェックに費やし15周を走行。平手がマークした1分19秒138の4番手タイムでQ1への準備を無事に整えた。
■Q1:ヘイキがわずか0.097秒差でQ1突破ならず
8(土)天候が安定せず弱い雨が降ったりやんだりで、どんよりした雲が覆い尽くすコンディション。気温19度/路面温度21度となったQ1。残り10分ほどとなってからヘイキが満を持してコースイン。決勝の天候を見越して、持ち込んだなかでロングランが安定していた硬めのタイヤを選択して臨んだQ1。
ホンダ勢が柔らかめを選択していたため苦戦は予想された。ヘイキは硬めのタイヤを入念にウォームアップ。4周目にまずは1分19秒087のタイムでQ1突破圏内を確保したかに見えたが、実はこのこのアタックラップで別のクルマに詰まってしまい思う通りのアタックではなかった。
各車にセクタータイムが更新されていく中、ギャップを空けてクールダウンラップの後に再び6周目に渾身のアタックに入ったヘイキはセクター1でベストを更新。セクター2もまずまずのペースで駆け抜けたが、すでにタイヤのピークが来てしまう。7周目さらに踏ん張ってさらにセクター1ベスト更新していったがラップタイムは更新ならず。
0.5秒以内に11台が入る非常に僅差の争いとなったQ1で、僅かに0.097秒差で惜しくもQ1突破ならずの9位となった。
■ウォームアップ走行
9日(日)決勝日朝のフリー走行は今季廃止され、スタート直前のウォームアップ走行が20分間に設定。気温19度/路面温度25度の曇りでドライコンディションのなか、まずスタートドライバーを努めるヘイキがコースイン。
決勝セットの確認を続け8周チェックした後にピットワークのシミュレーションを兼ねてピットインし平手と交代。2ndスティント用のタイヤの準備で平手が6周を走行。ヘイキがマークした1分21秒163の7番手タイムで決勝への準備を終えた。
■決勝スタート
第1スティント:ヘイキが波乱の前半で4upの5位浮上
9日(日)14時34分決勝スタート時点は気温19度/路面温度25度の曇り。威風堂々と9番グリッドからの挽回を狙っていったヘイキが駆るDENSO KOBELCO SARD LC500は前半、トラブル車両によりパレードラップが赤旗中断、トラブル車両続出でセーフィティカー(SC)先導によるスタートに変わり81周で争われることになった波乱のなかで、チャンピオンらしい堂々とした落ち着いた走りのヘイキは、2周目グリーンフラッグ後にトップペースで周回。
6周目アクシデント車両によるSC導入後の11周目リスタートとなると、すぐに16号車を抜いて6位に浮上しトップペースで前を追いかけた。16周目に3位を争う前方集団最後尾の19号車に追いつくと好バトルを展開。27周目バックストレートで果敢にオーバーテイクして5位に浮上する気迫あふれる走りを見せた。上位がピットインを始めた39周で平手と交代のため、ヘイキがピットへ滑り込んだ。
第2スティント:平手が冷静なバトルで3位フィニッシュ
約41秒ほどの素早いピットワークとヘイキのイン&平手のアウトラップの頑張りで上位3台をかわしてコースに復帰するチームワークをみせる。すぐ後ろの6号車にかわされたが先にピットに入ってタイヤが温まった状態の38号車が迫る。
平手はすぐに速いペースで走り、後方から追いすがる38号車を抑えつつ、前とのギャップを詰める速さを披露。トップとの差も4秒台でチャンスがあれば一気にトップ浮上という状況に持ち込むチャンピオンらしい強さをみせる。
レース後半に2度目のセーフティカー導入の波乱の後に上位4台のLEXUS勢による緊迫した一進一退の攻防が続き、冷静なバトルを展開した平手はポジションを見事キープして3位フィニッシュ。
チーム一丸となって3位表彰台をもぎ取ったDENSO KOBELCO SARD LC500。ドライバーポイントでは11点を獲得、チームポイントでは14点を獲得した。次の第2戦はゴールデンウィーク中の5月3日(水・憲法記念日)・4日(木・みどりの日)に富士スピードウェイで開催される。
●ヘイキ・コバライネン
「終わってみて3位表情台は昨年の開幕戦を考えれば良いね。勝てるクルマ、スピードは充分にあっただけにQ1の結果は自分自身とても悔しい。ペースは良かったけど同じ車両同士の戦いで抜くのに少し手間取るところがあった。しばらくはこのようなLEXUS同士の上位争いという戦況が続くかもしれないけど、デフェンディングチャンピオンの誇りを持って踏ん張っていくよ」
「このなかから抜き出ていくのは大きな努力が必要だけど、これからもチャレンジし進化を続けていきたい。次の富士は公式テストでも順調だったので、結果に結びつけてファンの喜ぶ顔を次も見てみたいね」
●平手晃平
「結果的に良いシーズンスタートとなったと思います。開幕前から手応えを感じていたし、決勝でチャンピオンとしての実力を見せられてハッピーです。ただ前の2台には少し遅れをとっていたので、次の富士までにしっかりと細かい所まで見直して、LEXUSのホームコースである富士で念願の優勝を取り返したいですね」
「大会ポスターのメインビジュアルになってますし、平チェカとしても昨年2位だったので、それ以上の成績を上げたいです。皆様、引き続きのご声援よろしくお願いいたします」
●総監督 佐藤勝之
「今シーズン、総監督をつとめさせて頂きます佐藤です。今年のサードは速さとともに力強いチームワークがあります。予選で失敗しても決勝ではチーム一丸となって上位を目指したことが3位表彰台という結果を自らもぎ取ったと思います」
「強いサードを維持していくためには努力を惜しまず日々切磋琢磨していき、チーム内で言いたいことが言え、お互いをリスペクトして信頼して前に進んでいく原動力を皆が発揮できる環境造りに努めていきたいと思います。また応援して頂いた皆様ご声援ありがとうございました」
「次の富士戦でも、皆様の期待に応えるべく、力強いチームワークで結果を残していきたいと思います」