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『ムーンライト』タイトルの意味明かされる本編映像 人生を訓えるマハーシャラ・アリの姿も

2017年04月11日 09:03  リアルサウンド

リアルサウンド

『ムーンライト』(c)2016 A24 Distribution, LLC

 現在公開中の映画『ムーンライト』より、本編映像が公開された。


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 本作は、第74回ゴールデン・グローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、第89回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、作品賞・脚色賞・助演男優賞の3部門を受賞したヒューマンドラマ。自分の居場所を探し求める主人公・シャロンが、少年から大人になるまでを、幼少期、少年期、青年期と3つの時代で描く。


 このたび公開されたのは、タイトルの意味が明かされるシーンの本編映像。フアン(マハーシャラ・アリ)がシャロンの父親代わりとなって人生を訓える様が収められている。ヒバート演じるいじめっ子たちに追いかけられ、廃墟に身を隠していたシャロンを偶然見つけた、麻薬ディーラーのフアン。はじめは心を閉ざしていたシャロンだったが、フアンの優しさに触れ、ふたりは次第に交流を深めていく。


 広い海の中で、シャロンに泳ぎを訓えるフアン。「俺の手に預けろ、力を抜け。ちゃんと支えている。離さないから安心しろ」と父親のような優しさで語りかけながら、シャロンを支える。海からあがったあと、本作の原案となった戯曲のタイトル「In Moonlight Black Boys Look Blue」(月明かりの下で、黒人の子供は青く見える)に繋がる、幼い頃のエピソードを話し出すのだった。「自分の道は自分で決めろよ。周りに決めさせるな」と優しくも強いまなざしで伝えるフアン。その意味をよく理解していない様子のシャロンだが、この言葉は確かに彼の中に息づき、その後の人生に大きな影響を与えていく。


 本作のタイトルについて監督は「戯曲の中で“夜”は、シャロンが最も落ち着ける場所であり、素の自分をだせる時間として描かれていたんだ。通常、青色は“哀しみ”を表すために使われるけど、この作品の中では、メランコリックな気持ちだけでなくて、“美しさ”も同時に描かれていた。だから映画でも、シャロンが最も安らぐとき、自分らしくいられる夜を、月明かりの下で美しく描いたつもりだよ」と語っている。(リアルサウンド編集部)