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ホンダ MotoGP第2戦アルゼンチンGP Moto2/Moto3クラス決勝日レポート

2017年04月10日 19:22  AUTOSPORT web

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長島哲太
モルビデリが開幕2連勝。中上は転倒リタイア

2017年4月9日(日)・決勝
天候:曇り 気温:19℃
コースコンディション:ドライ
観客:6万1223人(3日間:16万7398人)

Moto2 レポート
 開幕から大接戦が続くMoto2クラスは、予選2番手から好スタートを切ったフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、チームメートのアレックス・マルケスとの戦いを制し、開幕から2連勝を達成しました。ウエットコンディションとなった予選では、慎重な走りで2番手タイムでしたが、決勝日のウォームアップでは、ライバルを圧倒するタイムで周回し、決勝でもそのスピードを披露しました。そのモルビデリと厳しい戦いを繰り広げながら転倒を喫したマルケスは、再スタートを切って21位でフィニッシュ。観客から大きな拍手が送られました。

 2位にはミゲル・オリベイラ(Red Bull KTM Ajo)で、初PPから初表彰台を獲得しました。序盤は4番手を走行するも、モルビデリとマルケスを追撃、マルケスの転倒により2位でチェッカーを受けました。予選4番手から決勝に挑んだトーマス・ルティ(CarXpert Interwetten)が3位になり、2戦連続の表彰台獲得となりました。

 以下、ロレンソ・バルダッサーリ(Forward Racing Team)が単独走行となり4位。やや遅れて、11台による5位争いの集団となり、チャビ・ビエルゲ(Tech3 Racing)がその戦いを制しました。

 予選27番手の長島哲太(Teluru SAG Team)は19位。予選22番手の中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、スタート直後の1コーナーで他車と接触し、転倒リタイアとなりました。

Moto2 コメント
フランコ・モルビデリ(Moto2 優勝)
「最高の気分です。開幕から2連勝できるなんて信じられない気持ちです。この勢いをキープしていきたいです。今日はスタートから全力でプッシュしました。アレックスが私の後ろにいて、とても速かったので、厳しい戦いになると確信しました。ピットサインに0.3秒差と出てからは、再びプッシュしました。チェッカーを受けるまでアレックスがクラッシュしたことを知りませんでした。彼が転倒したことはとても残念です」

ミゲル・オリベイラ(Moto2 2位)
「アルゼンチンで2位表彰台に立てるとは思っていなかったので、とてもうれしいです。難しいレースでした。トップの2人に少しずつ追いついていたので、いいペースで走れているんだと思いました。抜けるかどうかは分かりませんでしたが、最後まであきらめず全力を尽くしました。最終ラップにマルケスが転倒し、順位を上げることができましたが、彼の転倒はとても残念なことです。ただ、表彰台に立てて本当にうれしいです。この数カ月がんばってきた甲斐がありました」

長島哲太(Moto2 19位)
「朝のウォームアップでルティの後ろについたときに、いい感じで走ることができました。しかし、決勝はグリッドも悪く、難しいレースでした。今大会は初日にマシンをうまくまとめられず、2日目は雨の影響もあってセットアップを進められなかったのが痛かったです。ラスト3周はスライドが激しくて、何度も転びそうになりました。厳しいレースでしたが、次につながるレースになりました」

中上貴晶(Moto2 リタイア)
「とても残念なレースでした。こんなに早く終わるとは思いませんでした。朝のフリー走行でやっとセッティングがよくなり、1分43秒台で連続ラップすることができました。モルビデリにもついていけるペースを作ることができただけに残念でした。スタート直後の団子状態の中での転倒ですが、ケガがなくてよかったです。今週は、いいときとダメなときの波が大きく、それがこういう結果になりました。調子自体は悪くないので、次のアメリカズGPではばん回したいです。チームには申し訳ない気持ちです」

ミルが2連勝。Honda勢も2戦連続で表彰台を独占

2017年4月9日(日)・決勝
天候:曇り 気温:19℃
コースコンディション:ドライ
観客:6万1223人(3日間:16万7398人)

Moto3 レポート
 Moto3クラスは、Honda勢が2戦連続で表彰台を独占しました。優勝したのはホアン・ミル(Leopard Racing)で、予選16番手からすばらしい追い上げを見せ、開幕から2連勝となりました。微妙なコンディションとなった予選では16番手。PPから1秒差に19台という大接戦の中で苦戦しましたが、決勝では5台によるし烈な戦いを制しました。

 2位には、今季初PPを獲得したジョン・マクフィー(British Talent Team)で、2戦連続の2位。3位には予選3番手のホルヘ・マルティン(Del Conca Gresini Moto3)で2戦連続の3位と、開幕戦カタールGPで表彰台に立った3選手が、再び表彰台を独占しました。

 優勝争いのグループからやや遅れて、Honda NSF250RW勢3台が繰り広げた6位争いは、リビオ・ロイ(Leopard Racing)、ロマノ・フェナティ(Marinelli Rivacold Snipers)、鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)の順でフィニッシュ。8位の鈴木は、自己ベストリザルトを更新しました。

 ルーキーの鳥羽海渡(Honda Team Asia)は予選18番手から10位でフィニッシュして初のポイント獲得。佐々木歩夢(SIC Racing Team)は予選25番手から29位でチェッカーを受けました。

 今大会もHonda NSF250RWは上位を独占し、トップ10には7台が名前を連ねました。

Moto2 コメント
ホアン・ミル(Moto3 優勝)
「すばらしいレースになりました。予選同様、大接戦となりましたが、今日は自分の力をきちんと発揮することができました。正直、予選を終えたときは、今大会で勝てるとは思いませんでした。グリッドが後ろだったので、とにかく落ち着いていこうと決めました。すばらしいバイクに仕上げてくれたチームに感謝したいです。とてもうれしいです」

ジョン・マクフィー(Moto3 2位)
「厳しいレースとなりましたが、ホアンはすばらしいレースをしました。自分のペースはあまりよくなかったし、対照的にホアンは前に出て積極的なレースをしました。最後は勝負できると思いましたが、ちょっと熱くなりすぎて小さなミスが続き、少しずつ離されてしまいました。フラストレーションのたまるレースでしたが、これからの長いシーズンを考えれば、いい結果を得ることができました」

ホルヘ・マルティン(Moto3 3位)
「いい週末となりました。今日は、ミルとマクフィーがすごく強い走りをしていたので、3位という結果に満足しています。確かに優勝までもう少しでしたが、勝つまでの条件が整っていませんでした。2戦連続で16ポイントを獲得しました。これからもすべてのレースでできるだけ多くのポイントを獲得していきたいです」

鈴木竜生(Moto3 8位)
「初めてトップグループで戦うことができました。今大会は予選9番手からのスタートでしたが、グリッドがいいといろんな位置取りが可能になるし、グリッドの重要性を改めて痛感しました。今日はトップグループに加わり、後半はセカンドグループの戦いになりましたが、楽しく走ることができました。最後はロイとフェナティとのバトルになりましたが、経験の差が出たと思います。次もトップ10内でフィニッシュできるようにがんばります」

鳥羽海渡(Moto3 10位)
「トップグループに離されてしまいましたが、とても楽しかったです。序盤、安全なペースで走りすぎたかなと反省しています。レース後半のように、最初から積極的にいかなければと思いました。今日の10位は、うれしいけれど、もう少しいけたんじゃないかという悔しさもあります。大集団の戦いの中で何度も接触があったし、激しいバトルでした。でも、本当にたくさんのことが学べました。カタールでの悔しさをここでぶつけることができました」

佐々木歩夢(Moto3 20位)
「順位は悔しいけれど、すごく学べるレースになりました。不安定な天候でしたが、こういうコンディションのときは、どういうタイヤを選んでいけばいいのかということを学べました。3日間を通じて、いいときもあったし、失敗だったときもあります。本当にいろいろな経験ができました。今回はFP3までにバイクのセットアップをきちんと決められなかったのが反省点です。次のアメリカでは、この経験を生かしたいです」