4月に入って、街中でリクルートスーツに身を包んだ若者を見ることが増えた。彼ら彼女らは新入社員だろうか、それとも就活生だろうか。
2018年度入社の就職活動が解禁されて、約1か月。はてな匿名ダイアリーに4月9日、「パンツスーツで就活をする」が投稿された。
「スカートの方がストッキングのトラブルも目立つし、何より寒そう」
就活生である投稿者は「基本的に女性はスカートのスーツで就活をするのが普通のように随所で言われている」と言う。就活の情報サイトでもスーツ販売店でも「スカート」が推奨されており、パンツスーツは補足のように扱われていると感じているようだ。
これに対して「浮腫んだ脚を晒すのは個人的には好ましくない部類だし、スカートの方がストッキングのトラブルも目立つし、何より寒そうだ」と述べた上で、
「そもそもスカートで好感度が上がるというのは、その、余り言いたくないがセクハラ的見解ではないのか……?」
と疑問を投げかける。投稿者はパンツスーツしか持っていない。冷えで関節が痛むのを予防するためパンツスーツを選んだというが、ビジネスマナーで許容されている服装まで根拠のよくわからない情報で制限されるのは切ないとし、肩身の狭さを訴えた。
「パンツスーツで就活したよ。ちゃんと内定もらったよ。大丈夫」
これに対して、はてなブックマークでは「現代日本では女性の正装はスカートとされており、正装とは形骸化しようとも礼節を重んじることに他ならない」という若干保守的な声も一部あった。
しかし、「スカート推奨はセクハラ」という投稿者の疑問については「まさにその通りでそれ以外の意味などない」という人が多い。
「スカートでないと落とす会社には行かない方がいいよ。セクハラ的見解が幅を利かせてる」
ただ、就活本などがスカート着用を推奨するのは、別に「面接担当者におじさんが多いから」といったセクハラ的な理由だけではない、という指摘もある。
「パンツスーツはスタイルがはっきりして(着る)人を選ぶから、無難なスカートを薦めているだけ」
確かに脚の太さが気になるのであれば、パンツスーツよりスカートの方が体形をカバーしやすい。「パンツスーツは似合わない」とスカートを選んで着用していた人も多く見られた。
その一方で、パンツスーツで就活をした先輩たちからの「励ましの声」も多く寄せられていた。
「パンツスーツで就活したよ。ちゃんと内定もらったよ。大丈夫」
「ちょっと苦労したけど内定とれた。パンツのせいでは無かったと思う。もともとコミュ障なだけで…」
また「スカートはかない女性は採らないなんてところ、こっちから願い下げだって思えばいいよ」と会社を見分ける判断基準にすればいい、というアドバイスも。
新卒採用の面接官をしたという人は「数こなすと、スーツどころか、性別さえも印象から消えた。気にするだけ無駄」と話しており、選考に関係することはそうそうないようだ。人手不足の時代に「スカートの印象で採用を左右するとか信じられない」という声も出ていた。