大学進学率が5割を超えた今、大卒だから優秀とは限らない、むしろ高い学費を負担して「とりあえず」大学に行く意味があるのか――。数年前からよく話題になることですが、その他の選択肢として専門学校で手に職をつけたほうが、誰でもはいれるFランクの大卒よりもいいのでは、と考え悩む人もいるでしょう。
そんな中、ガールズちゃんねるに、「専門学校か大学に進学するか迷っています」というトピックを見つけました。トピ主は高校3年生。なりたい職種や学びたいことはあるものの、「考えがコロコロ変わる・飽き性なため、後で後悔するのでは」と、なかなか決められずにいます。(文:篠原みつき)
「気に入った会社が見つかっても、条件が『大卒』で何度断念したか…」
今のところバリスタの資格をとりたいのと、接客業が好きで周りからも向いていると言われるため、製菓系か語学系(韓国語と中国語を独学で勉強している)の専門学校、または大学(学力的に私立)を考えているとのこと。学費、将来性などを踏まえたアドバイスを求めていました。
製菓系と語学系では全然違いますが…やはりレスの回答は「大学に行けるならそっちのほうがいいと思う」と、大学推しが大半を占めています。
「専門学校へ行っても、その道に進むとは限らないよ。なら大学へ行って幅広く学んでみては?」
「調理師だとか、絶対これ!ってものがないなら大学がいいよ。職種によっては給料全然違うよ」
また、専門学校を出た人が、「大学にすれば良かったとずっと後悔している」と嘆きます。
「転職するときに気に入った会社が見つかっても、条件が『大卒』で何度断念したか…。社会に出てみればわかるよ」
大卒の学歴は学校のランクによって軽視される傾向もありますが、まだまだ世の中を渡る上で強みになることが多いようです。
否定する声に「Fランも大卒って肩書きはもらえるんですよ」
では専門学校が全くダメかというと、そんなことはありません。レスには「ほんとうに厳しい」「ついていけなくて中退する人もいる」という声もあります。専門的な知識を叩き込む、資格を取ることに特化した学校を舐めてかかってはいけないでしょう。
なかには、「とりあえず大学に行ったけれど専門にしておけば良かった」という人や、大学を中退して学びたい分野の専門学校に入り直し、就職が決まりやすかったと成功談を書く人もいます。やりたいことがはっきりしている人には、良い専門学校は有効な選択肢のようです。
それでも、高卒や専門学校卒より大卒のほうがいいという意見には根強いものがあります。「地方で無名の私立大学だけは意味ない」という批判にも、
「Fランも大卒って肩書きはもらえるんですよ。今の世の中大卒って肩書きがあるとないとじゃ選択肢が数倍変わります」
「ゴミみたいな誰も知らないような大学を出たけど、それでも専門卒の子達より給料良いよ」
と反論がすぐに入ります。
どちらにしても本人が本気で学ぶ姿勢が大事
圧倒的優勢の「大学」ですが、2015年のキャリコネニュースに、「高卒と大卒の初任給の違いは『大した根拠ない』 いっそ同じにしてもいいのでは?」という記事がありました。レベルの低い大学卒より優秀な高卒のほうがいいという人事担当者からの声です。こうした意見を読んでいると、いつまでも「大卒」というだけで優遇されるとは思えないのですが…
ちなみに筆者は、行っても意味がないとよく言われる名もない短大に進学しました。そこでは好きな勉強しかしなかったため、初めて学ぶことが楽しいと思え、就職に関係あろうとなかろうと行ってよかったと思っています。本気で学び、学力や知識を身に着けるならば、どんな学校でも行く意味はあるでしょう。スレッドの書き込みも、親の言いなりで学校を選んだ人より、(専門でも大学でも)好きなことを学んだから後悔はない、とする声には清々しいものがありました。