日曜日の中国GPは、レース前にも関わらず、チーム関係者が慌ただしくパドックを行き来している。それは中国GPが今シーズン最初の2週連続開催の初戦であり、レース後すぐにバーレーンへ向けて機材を運びださなければならないからだ。
チーム関係者の忙しい日々は、バーレーンGPが終了した後も続く。なぜなら、バーレーンGP直後に、今シーズン初となるインシーズンテストが、4月18日と19日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われるからだ。
年に2回しかないシーズン中の合同テストとなるため、バーレーンにはどのチームも総力を挙げて臨む。というのも、テストにはグランプリの週末に定められているようなカーヒュー(夜間作業禁止時間)が設定されていないため、24時間体制で仕事ができるからだ。
もちろん、1人の人間が不眠不休で仕事をするわけでない。現在は2交代制となっていて、朝7時から夜7時までが早番で、夜7時から朝7時までが遅番となっている。
チームはレースチームのスタッフだけでなく、ファクトリーで働くスタッフも含め、約50人のメカニックと40人のエンジニアの90人で構成され、それを45人ずつ早番と遅番の2班に分けている。
この2交代制をF1界でいち早く取り入れたのは、じつは2005年のルノーだった。
当時を知るあるエンジニアは「私は当時、BARホンダにいたけど、私たちにはそんなシステムはなく、徹夜で仕事していたから、昼間はフラフラだった」という。ちなみにホンダは2015年にF1に復帰した際もまだ2交代制をとっておらず、長谷川祐介ホンダF1総責任者体制になって、ようやく2交代制が導入されたという。
それにしても、そもそもテストではどうして徹夜で作業しなければならないのか。それはテストメニューが豊富で、かつパワーユニットやギヤボックスの交換がペナルティなしで自由に行えるからだ。
例えば、午後6時にテストセッションを終えた後、翌日のプログラムを決定するのに1時間かかり、そのためのセットアップにさらに1時間、その後パワーユニットとギヤボックスを交換するのにそれぞれ1時間かかり、それだけで深夜になる。その後、交換パワーユニットのチェックに2、3時間かかり、全部組み上がったところで車検のチェックを終えたころには、もう朝となるというわけだ。
なお、バーレーン・テストの次のインシーズンテストは、第11戦ハンガリーGP直後の8月1日と2日にハンガロリンクで開催される予定となっている。