スーパーGT第1戦岡山は4月9日、82周の決勝レースが行われ、GT300クラスは予選2番手からスタートした谷口信輝/片岡龍也組グッドスマイル 初音ミク AMGが2014年以来の優勝。メルセデスへのスイッチ後、初となる嬉しい勝利を飾った。2位はLEON CVSTOS AMGが入った。
午前こそ曇天模様だったものの、春らしい爽やかな日射しに包まれた岡山国際サーキット。やや風は強いものの、レース観戦日和のなか、14時34分、パレードラップがスタートしていった。なお、前日の予選Q1でコースアウトを喫した埼玉トヨペットGreenBraveマークX MCはピットスタートを選択。また、直前の20分間のウォームアップでHitotsuyama Audi R8 LMSと植毛GT-Rが接触し、Hitotsuyama Audiはなんとか修復、植毛GT-Rはピットスタートとなっている。
迎えたスタートでは、GT500クラスのホンダNSX-GTの相次ぐストップにより赤旗中断となるが、セーフティカー先導の下で切られたスタートの後、ポールポジションスタートの黒澤治樹駆るLEON CVSTOS AMGを、グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也が追っていく。
一方、その後方ではVivaC 86 MC、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3、マネパ ランボルギーニ GT3と続いていくが、後方から追い上げを展開してきたのは山内英輝駆るSUBARU BRZ R&D SPORT。マネパをかわすと、5周目にダブルヘアピン立ち上がりで起きた埼玉トヨペットGreenBraveマークX MC、16周目にJMS P.MU RC Fを駆る中山雄一をパスする。
一方その前方では、17周を過ぎるあたりから黒澤と片岡の戦いが激化。20周目のダブルヘアピンひとつめで片岡が黒澤をパスすると、グッドスマイル 初音ミク AMGは一気にリードを広げ始めた。
また、その後方では中盤戦に向けてGAINER TANAX AMG GT3のビヨン・ビルドハイムを先頭とした5台ほどのバトルが展開。そのなかでうまく戦いを勝ち抜いたのは、今季から31号車TOYOTA PRIUS apr GTを駆る久保凛太郎。混戦のなかでベテランのビルドハイムをパスする活躍をみせた。
上位陣のピットインが行われたのは、27周目あたりから。VivaC 86 MCを先頭にピットに向かうと、VivaC 86 MCはタイヤ左のみ交換を実施。翌周にピットに向かったLEON CVSTOS AMGの前に出ることに成功する。また、29周目にはトップのグッドスマイル 初音ミク AMGもピットに入り、片岡から谷口信輝に交代するが、こちらも左のみ2本交換が行われた。
トップの谷口は盤石のリードを築く一方で、2番手に浮上した松井孝允のVivaC 86 MCの後方にはLEON CVSTOS AMGの蒲生尚弥がつける。ニュルブルクリンク参戦等で仲の良いふたりのクリーンなバトルは、大いにサーキットを沸かせた。
その後方につけていたのはSUBARU BRZ R&D SPORTだったが、バックストレートで出火しまさかのストップ。さらに4番手に浮上していたマッハ車検 MC86 GTNETも遅れてしまう。そのなかで、ピットストップタイミングを遅らせていたARTA BMW M6 GT3が4番手に浮上した。
これで終盤に向けてレースは落ち着くかと思われたが、53周目に8番手を走行していた50号車Ferrari 488 GT3がGT500のEpson Modulo NSX-GTと接触し、イン側のコンクリートウォールにクラッシュ。これで3回目のセーフティカーが出動した。
SC明け、谷口はリードを広げる一方、松井と蒲生の戦いが続く。その後方では、5~6台によるバトルが展開されていくが、ここで4番手を奪ったのはGULF NAC PORSCHE 911の峰尾恭輔。さらにGAINER TANAX triple a GT-R、B-MAX NDDP GT-Rという2台のGT-Rによる戦いが展開された。そのなかで、最後に波乱となったのは2番手争い。GT500の首位争いにのなかで、松井がダブルヘアピンでスピンを喫してしまったのだ。
最後まで息もつかせぬレースが展開されるなか、GT300クラスを制したのはグッドスマイル 初音ミク AMG。谷口/片岡組は2014年以来の開幕戦勝利、14年第2戦以来の優勝となった。2位はLEON CVSTOS AMGで、メルセデスベンツAMG GT3勢がワン・ツー。3位はGULF NAC PORSCHE 911の峰尾恭輔/ジョノ・レスター組がチームにとって初めてとなる嬉しい表彰台を獲得している。VivaC 86 MCは最後は4位でチェッカーを受けた。