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「最も影響を受けたのは『御法度』」 『ムーンライト』監督、日本映画へのリスペクト明かす

2017年04月10日 15:03  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)2016 A24 Distribution, LLC

 現在公開中の映画『ムーンライト』より、バリー・ジェンキンス監督のコメントが公開された。


参考:これは“自分のための映画”だーーマイノリティ描く『ムーンライト』に共感を抱く理由


 第89回アカデミー賞で作品賞を含む3部門を受賞した本作は、人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情を、3つの時代で綴った人間ドラマ。自分の居場所を探し求める内気な性格のシャロンと、同級生のケヴィンとの関係を描き出す。


 ウォン・カーウァイ監督の『ブエノスアイレス』にオマージュを捧げていることを公言しているジェンキンス監督だが、本作の制作準備期間に参考にしたその他の作品として、大島渚監督の『御法度』、ホウ・シャオシェン監督の『百年恋歌』、チャールズ・ブルネット監督の『Killer of Sheep(原題)』、クレール・ドゥニ監督の『美しき仕事』を挙げている。


 「日本の映画の中では『御法度』が今回最も影響を受けたね」と明かすジェンキンス監督は本作について、「剣士の集まりだから男らしさが常に求められていて、“この人に惹かれるわけがない、でもどうなのだろう”と自問をする。そういう感情を抱いていることを、表立って言える環境ではないからだ」と語った。


 さらに、「3人の役者が同じ人物を演じるという構成、カメラを直視する登場人物という演出は黒澤明の影響といえる」、「是枝裕和監督の『歩いても歩いても』が大好き」、「岩井俊二監督の『リリイ・シュシュのすべて』は最高の映画」ともコメントしており、日本映画へのリスペクトを明かしている。(リアルサウンド編集部)