アンドレッティ・オートスポート移籍後初レースの開幕戦セント・ピータースバーグで、佐藤琢磨は好レースを見せ5位入賞を果たした。
開幕戦後に行われたバーバー、セブリング、ソノマのテストも好調に終えた琢磨。2013年に優勝経験もある第2戦のロングビーチでは、さらなる好結果が期待されていた。
AJフォイト時代にはなかったテストの多さに、「シーズン入ってからテストができるように開幕前には一日しか走りませんでしたけど、今回のテストでは開幕戦の復習もできたし、タイムも良かったですね」と意気揚々と話す琢磨。
■初日の好調が一転
レースの週末に入ると金曜日午後には総合5番手、土曜日午前のFP3でも5番手と優勝候補の一角にすら名前を挙げられていた。ファストシックスはもちろん、ポールを狙うと言っても決して大げさな話ではなかった。それほどマシンは好調だったのだ。
いざ午後の予選を迎えるとタイムが縮まらずQ1すら突破できなかった。琢磨のグループ2に速いマシンが集まっていたものの、上位とのタイム差は歴然だった。
「マシンセッティングの微妙な違いで、僕もマシンを滑らせてしまいましたし、トラフィックに引っかかったのもあった。ここまで順調だったのに本当に残念」と後悔していた。
結局予選グリッドは18番手。チームメイトのライアン・ハンター-レイ、アレクサンダー・ロッシらがトップ6に食い込んだことを思うと、本当に残念な予選だった。
■巻き返しを期待するもアクシデントが襲う
レースはブラックのプライマリーでスタートし、レース次第で臨機応変に対応するつもりだったいう琢磨だが、レーススタートでいきなりアクシデントが発生。キンボールとパワーが接触し、後続も巻き込まれる。
琢磨もフロント翼端板を接触させており翌周にピットイン。再び後方からの追い上げが続いた。17番手からの追い上げが始まり、上位陣がピットインする際にはトップ10もうかがえる位置までポジションは上がっていた。
ターン1では琢磨らしいオーバーテイクも何度か見せていたが、レッドタイヤに変えてからも期待していたほどペースが上がらずにいた。
「今日はピットストラテジーもうまく決まらなかったし、レッドタイヤに変えてからもペースがうまくあげられなかった」という琢磨。
途中チームメイトのロッシがリタイアし、イエローコーションが出た時点では13番手に。その後グリーンになってカナーンを抜いて11番手を走行していた時だった。レースもあと7周というところで、メインストレートで異音がしたと思うとストレートエンドで琢磨はマシンを止めた。
「今日は厳しい展開でしたね。最後はパワーがなくなって止まりました。アンドレッティは4台ともリタイアとなってしまい残念な結果に終わりました。今、原因は究明中ですけども、次のバーバーはテストでも良かったですし、今日の結果を踏まえて頑張りたいと思います」
優勝したシュミット・ピーターソンのジェームズ・ヒンチクリフや、再び表彰台に乗ったデイル・コインのセバスチャン・ブルデーなどは決して大きなチームではないものの、レースに照準を合わせてしっかり結果を残した。
ガナッシのホンダ加入は結果としてホンダ勢の大きな底上げを果たしており、ホンダは開幕2連勝を勝ち取っている。
その中でアンドレッティ勢は4台すべてがメカニカルトラブルによるリタイアとなり、速さを結果に繋げられなかった。次戦バーバーは、アンドレッティの得意とするサーキットだが、結果につなげられるだろうか。