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WRCフランス:ヒュンダイのヌービル、序盤の不振跳ねのけ優勝。トヨタは表彰台に1歩届かず

2017年04月10日 11:51  AUTOSPORT web

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WRC第4戦ツール・ド・コルス ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
WRC世界ラリー選手権第4戦フランス(ツール・ド・コルス)は4月9日、SS9~10が行われ、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が今季初優勝を飾った。

 現地8日に行われたSS5~6でトップタイムを記録する快走をみせたヌービルは、SS6で暫定首位につけていたクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)がエンジントラブルでリタイアしたこともありトップに躍り出た。

 その後はセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)と2.2秒差の優勝争いを繰り広げたが、SS8でオジエにギヤトラブルが発生。ヌービルは大量38.9秒のマージンで競技最終日に臨んだ。

 そのヌービルはSS9でもトップタイムを記録すると、最終SS10はステージ5位で完走。今季開幕2戦でクラッシュなどから取りこぼしていた勝利を手にすることとなった。

 また、ヒュンダイにとっても、これが今季初優勝。新型WRカーで争われる2017年シーズンは開幕4戦ですべて異なるメーカーが勝利を収めたことになる。

■オジエにまたもトラブル。総合2位争いは激戦に

 前日、18.8秒差となっていたオジエとダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)による総合2位争いは、SS9でオジエにマシントラブルが出たことで激戦となった。

「アンチラグシステムかハンドブレーキのトラブルで、まったく(エンジン)パワーがなかった」というオジエは、SS9でトップと21.4秒差のステージ7位と失速。2.5秒差でソルドにポジションを明け渡してしまう。

 迎えた最終SS10、オジエはソルドを3.8秒上回る意地の走りをみせ、わずか1.3秒差でポジションを奪還。2戦連続の2位表彰台を獲得した。

 総合5番手で最終日に臨んだヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は、SS10で「クレイジーなアタック」と振り返る鬼気迫る走りで、ステージ優勝。クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)から総合4位の座を奪っている。

 また、このSS10はチャンピオンシップで有効なボーナスポイントを獲得できるパワーステージで、ラトバラは5ポイントの追加点を獲得した。

 競技初日にマシンから出火するアクシデントに見舞われたユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)は、SS9で痛恨のコースアウト。走行を再開できずリタイアとなった。

 WRC2では、シュコダのワークスドライバーを務めるアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアR5)でクラス首位/総合7位を獲得する圧巻の強さをみせたほか、自ら立ち上げたチームからスポット参戦したステファン・サラザン(シュコダ・ファビアR5)がクラス2位/総合8位に入っている。

 2017年のWRC第5戦は4月27~30日に行われるラリー・アルゼンチン。第3戦メキシコと同様、本格的なグラベル(未舗装路)イベントだ。