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KAT-TUN中丸雄一『マッサージ探偵ジョー』がシュールすぎる! “マッサージ推理”の斬新さ

2017年04月09日 19:23  リアルサウンド

リアルサウンド

 KAT-TUN中丸雄一主演の土曜ドラマ24『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京系)が、4月8日にスタートした。緩く、痛快なサスペンスコメディドラマである本作の最大の魅力は、何と言っても中丸演じる矢吹原丈、通称“ジョー”のシュールなキャラクターだ。


参考:KAT-TUN亀梨和也、再ブレイクの予感!


 人間嫌いの出張マッサージ師ジョーは、体に触れれば全てがわかる卓越した能力の持ち主。ジョーは、その持ち前の能力で事件を解決していく。見せ場は、探偵ドラマの醍醐味と言える解決シーンだ。ジョーは、容疑者にマッサージをさせてくれと訴え、うつぶせにして全員を床に寝かす。そこからジョーは、「気海、中脘、壇中、太陽、印堂、四神総!」と、自分自身のツボを押し、人が変わったように”マッサージ探偵”へと変身するのだ。困り顔でウジウジとした性格のジョーは、もうそこにはいない。容疑者たちの体を揉みほぐすと、「事件の謎がほぐれました!」と決め台詞を言い放ち、推理シーンへと突入する。犯人となる決定的証拠を言い当てると「それがこの事件のツボだ!」と、ジョーは親指を立て視聴者をカタルシスへと誘う。探偵ドラマには決め台詞が必須だが、推理とマッサージをここまで上手く掛け合わせたドラマが登場するとは、誰も予想できなかったはずだ。


 本作のプロデューサーである稲田秀樹は、『マッサージ探偵ジョー』が構想5年で実現した作品だと記者発表会で明かしている。『マッサージ探偵ジョー』は、殺人事件に主人公が巻き込まれながらも、推理し犯人を追い詰める、という探偵ドラマの基本フォーマットを踏襲しながら、”マッサージで謎を解く”というユニークな設定が活かされた作品だ。その先人へのリスペクトなのか、オープニングの演出はSNSを中心に話題を呼んだ。


「この世にはこれまで様々な探偵が生まれてきた。頭脳は大人の小学生探偵、じっちゃんが有名な高校生探偵、実に面白い天才物理学者、ほかにも古本屋、記憶障害、鍵マニアに0.1%足りない弁護士。なんでも探偵にすればいいもんじゃない! だが、しかし性懲りもなくまた新たな探偵が生まれようとしていた!」


 歴代の“様々な探偵”に扮した中丸が登場するのだが、ど頭にこのぶっ飛んだ演出があることでこれから起こる全ての物事に身構えることができる。つまり、視聴者はこの時点で感覚の“ツボ”を押されているのである。また、ドラマは異様にセクシーシーンが多い。推理シーン直前もそうであるが、横山めぐみ演じる太田彩愛がジョーにマッサージを受けると、彼の見事な手さばきで絶頂へと誘われる。恍惚な表情を浮かべた太田の喘ぎ声は館内に轟き、ジョーが不倫相手と疑われることになるのだ。


 そして、トドメはジョーが歌うエンディング曲「お疲れサンクス」。インドのボリウッド音楽をポップにしたサウンドに、中丸の優しい歌声、パパイヤ鈴木によるシュールなダンスが観るものに癒しを与えてくれる。『マッサージ探偵ジョー』は、最初から最後までひたすらぶっ飛んだ作品であるが、観終わった後にどこかリラックスできる、肩肘張らずに観ることができるドラマだ。(渡辺彰浩)