4月8日、第2戦中国GPの予選が行なわれた。前日の金曜日が霧による視界不良でほとんど走行できないまま終わってしまったため、どのチームも12時から行なわれたFP3でロングランを行なうなど通常の倍近い周回数を走り込んで予選に臨んだ。
土曜日の上海はPM2.5の影響で空気が澄んではいないものの、天候はまずまずで午後3時のコンディションは気温21度、路面温度32度。
Q1の開始直後から各車が新品のスーパーソフトでコースイン。直前までジャッキアップしてマシンの整備作業を強いられたレッドブル勢はコースインが遅れてしまった。
最初のアタックでロマン・グロージャンは最終コーナー出口でスピン。スライドした影響で両リヤタイヤがパンクしてしまいピットに戻ることとなった。マックス・フェルスタッペンも「エンジンから変な音がした」と訴えて速いタイムを記録する前にピットイン。
1回目のアタックで首位に立ったのはセバスチャン・ベッテル、2位はルイス・ハミルトンが0.255秒差で続き、3位キミ・ライコネン、4位バルテリ・ボッタス。やはりトップ4は2強チームが占めたが、フェラーリ勢だけはソフトタイヤだ。FP3では振るわなかったレッドブル勢だが、Q1ではダニエル・リカルドがウイリアムズを上回ってきた。
7位以下の各車が2回目のアタックに向かう中、終了直前に15位にいたアントニオ・ジョビナッツィが最終コーナーの立ち上がりでスピンしてクラッシュ。右リヤとギヤボックス周りが大破する事故となったが、本人に怪我はなかった。
この影響もあって最後にタイムアップを果たせなかったドライバーもおり、エンジンのトラブルが治りきらなかったフェルスタッペンは19位、ストフェル・バンドーンは16位でQ1敗退となった。グロージャンも満足なアタックができないまま17位でセッションを終えた。
2回目のアタックでタイムアップを果たしたアロンソは10位でQ1通過、ジョビナッツィはクラッシュしたもののザウバー勢も揃ってQ1通過を果たしている。
Q2はタイヤバリア修復のため10分遅れてスタート。まずは上位勢からスーパーソフトの新品でアタックに向かう。ハミルトンに「これがレーススタートセットになることを忘れるな」と無線が飛んだことからも、メルセデスAMGは余裕を持って1回のアタックのみでQ2通過ができると考えていることが分かる。
その予想通り、1回目のアタックで首位に立ったのはまたしてもベッテルで、2位ハミルトンが0.015秒の僅差、3位ボッタス、4位ライコネンまでが0.211秒で続く一方で、5位リカルド以下は1.155秒の差を付けられた。
残り3分で6位マッサ以下がコースインし、フェラーリ勢も2回目のアタックへ向かう。ここでライコネンが最速タイム1分32秒181を記録し、下位ではニコ・ヒュルケンベルグが6位、セルジオ・ペレスが8位に飛び込んで今季初のQ3進出。一方アロンソはセクター2が伸びず13位でQ2敗退。コーナー出口で挙動が不安定だったと訴えたカルロス・サインツJr.は11位、ケビン・マグヌッセンは12位、マーカス・エリクソンが14位でQ2敗退となった。
15時58分に開始となったQ3では、ペレスとランス・ストロール以外の8台がまずコースイン。クビアトは中古のスーパーソフトで1回目のアタックに臨んだ。
ここでただ一人1分31秒台のトップタイムを記録してきたのはハミルトン。ターン12の出口でリヤをスライドさせながらも最速タイムを刻んだ。一方Q2まで最速だったベッテルは0.184秒差の2位。
これはターン13で突風に見舞われたためだとベッテルは無線で報告する。3位はボッタス、ライコネンは「リヤのグリップがひどい」と0.714秒落ちの4番手タイムに留まった。
残り3分でハミルトンが早々に2回目のアタックに出ると、他車もこれに続くが、ヒュルケンベルグだけは1回目のアタックの後でマシンを降りてしまった。
最後のアタックで1分31秒678の最速タイムを記録したのもハミルトン。パワーユニットのモードを振り絞ってきたのか、セクター3で40.5秒とペースを上げてポールポジションを獲得した。
2位には0.186秒差のベッテル、3位には1/1000秒差でボッタス、ライコネンは挽回ならず4番手に終わった。5番手以下は、メルボルンと同じように2強から離れてリカルド、そこからまた少し離れて中団はマッサ、ヒュルケンベルグ、ペレス、クビアトが0.2秒差にひしめき、ストロールが10位で予選を終えた。