スーパーGT開幕戦岡山の公式予選が行なわれ、GT500クラスは2度の赤旗が提示される波乱の展開となる中、ARTA NSX-GTの小林崇志がポールポジションを獲得した。
GT300クラスのQ1で赤旗中断があったため、GT500クラスのQ1は当初予定より10分遅れの15時15分にスタート。
GT300のQ1途中から降り始めたという情報があった雨だが、グランドスタンドに傘の花が開くことはなく、この段階で路面への決定的な影響は及ぼしていないものと見られた。温度条件はGT300のQ1開始時で気温21度、路温23度で天候は曇り。
Q1出走ドライバーリストのなかで目を引く動きは、MOTUL AUTECH GT-Rがロニー・クインタレッリを起用してきたこと。レクサスとブリヂストンが優位と見られるなか、Q1突破にかける意思が感じられる。
15分間のQ1、天候を考慮したと見られる5台のマシンは開始直後からコースイン。だが、過半数のマシンは残り10~8分まで待ってコースへと入っていく流れに。
先発グループのKeePer TOM'S LC500、ニック・キャシディが1分18秒594で首位に立つと、そこからトップタイムは超僅差で更新されていく。KEIHIN NSX-GTの塚越広大が1分18秒584、さらにはWAKO'S 4CR LC500のアンドレア・カルダレッリが1分18秒558へと詰める。そして残り2分、ZENT CERUMO LC500の石浦宏明が1分18秒521でトップへ。
最終的にQ1はトップ5のタイム差が0.1秒以内という大接戦になるが、6台参戦のレクサス勢が1-2-3-4を独占しつつ通過枠を5台確保した。ZENT、WAKO'S、KeePerの3台にWedsSport ADVAN LC500(関口雄飛)、そして8位でau TOM'S LC500(ジェームス・ロシター)が通過を決めている。唯一、チャンピオンのDENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン)が10周の周回数を記録するも、9位でQ1敗退となった。
NSX勢はKEIHIN、ARTA NSX-GT(野尻智紀)、MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀)の3台が通過を果たすが、GT-R勢はこのQ1でまさかの全車ノックダウンで全滅を喫している。しかも11、13、14、15位という惨敗。MOTUL GT-Rのクインタレッリは14位で、ミシュラン勢はS Road CRAFTSPORTS GT-R(千代勝正)とともに14-15位。
12分間のQ2もGT300の影響で開始が遅れ、曇り空の中、16時15分からスタート。Q1同様にウエット宣言は出されているが、GT300のQ2でレコードタイムが出ている状況から、依然として路面への本格的な影響は及んでいないようだ。実際、GT500のQ2セッションが開始したものの、8台のマシンは開始から2分半ほどは動かずにコースインを待っている。
残り9分半~8分というところで各車コースイン。最初にタイムらしいタイムを刻んだのはARTAの小林崇志で、残り3分頃に1分20秒604をマークした。
そしていよいよ各車のタイムアタック本格化というところで、auの中嶋一貴が最終コーナー前でコースアウトし、タイヤバリヤに接触。セッションは残り2分で赤旗中断という波乱に見舞われてしまう。
auの直後では同じレクサス陣営がアタック中で、ZENTの立川祐路、KeePerの平川亮といったところが最速ペースでタイムを更新中。赤旗直後に一度はタイムシートにZENTのトップが表示されたが、これらのアタックは赤旗中のアタックと見なされ無効に。
この時点での順位はトップにARTA、2番手にWAKO'Sの大嶋和也、3番手からはMOTUL NSXの中嶋大祐、KeePer、ZENT、au、KEIHINの小暮卓史、WedsSportの国本雄資。1分20秒台はトップ2だけで、3~8番手のタイムはまだ1分23~28秒台の試走レベルだ。
セッションは残り3分と発表され、16時35分に再開された。一部のコースカメラには水滴も見られる状況となっているが、auを除く7台がコースインし、最後のアタックに臨む再開後のインラップ、バックストレートに入るところでMOTUL NSXがスローダウンしてストップ。再度の赤旗が提示されることに。
残りは50秒ほどあったが、Q2はこのままセッション終了となり、ARTAの小林がGT500復帰初戦でポールポジションを獲得することとなった。トップ8のタイム順位は上記したままだが、3番手のMOTUL NSXと6番手のauの扱いについては正式結果は待つ必要があり、暫定色が強い終了結果となっている。
その後、正式結果が発表され、MOTUL NSXとauは赤旗の原因を作ったためQ2のタイム抹消となり、MOTUL NSXが3番手から7番手、auが8番手の順位となった。