ザウバーF1チーム代表のモニシャ・カルテンボーンは、現在も続くパスカル・ウェーレインのレース欠場について、多くの憶測が飛び交っていることを批判している。
ウェーレインは今年1月に起きたレース・オブ・チャンピオンズでのクラッシュによる負傷の影響で体力面に不安があるとして、オーストラリアGPを欠場し、今週末の中国GPも欠場することが発表された。
ウェーレイン欠場の裏に他の理由があることを疑う関係者がいることについて、カルテンボーンは「がっかりさせることになりますが、実際のところ理由はとても単純です。なので一部の人たちには物足りないでしょうね」 と応じた。
「事実は本当にこの通りなのです。彼はアメリカで事故を起こし、私たちのほとんどがその時の映像を見ました」
「かなりの衝撃があったことは見てとれたと思います。彼は特に背中を痛めたのです。背中に大きな負荷がかかりましたから、こうした怪我は軽く見るべきではありません」
「あの事故の後、彼はハードなトレーニングをしてはいけないという、非常に明確な医師からの指示を受けました」
「医師からレースに出る許可があんなに早く降りたことに私たちは驚きましたが、それは彼の日頃のトレーニングの賜物だと医師は話していました」
「私たちは彼にマシンを少しずつ走行させています。丸1日(のテスト)ではなく、半日ずつです。でも私たちは皆、彼がトレーニングの機会を逃してしまい、遅れを取り戻さなければいけないことを分かっています」
ウェーレインは今週末は中国に姿を見せず、自身のトレーニングに集中するようだ。
続くバーレーンGPへの出場については、来週早々に決定されるという。
過去にはもっと酷い怪我を押してレースに出たドライバーもいると反論する動きもあるなかで、フォースインディアのセルジオ・ペレスは、ウェーレインの状況についてザウバーが他の事情を隠していないことを願っていると語った。
カルテンボーンはペレス自身が2011年のカナダGPを、前戦モナコGP予選のクラッシュで負った怪我の影響で欠場したことを指摘し、ウェーレインのチームメイトであるマーカス・エリクソンは、昨年のイギリスGP予選を欠場する原因になったフリー走行でのクラッシュ時の怪我に苦しんだと述べた。
「(ウェーレインの)脊椎を圧迫する大きな衝撃があったのです」とカルテンボーン。
「こうした怪我を過小評価することはできません」
「セルジオはカナダGPに出たがったのですが、そうすることはできず、私たちは彼を欠場させなければなりませんでした」
「そもそもこうした事故を比較することはできないのです」
「マーカスでさえ昨年の事故の後では、マシンを走らせるのが簡単ではなかったのです。回復には時間がかかりますから」
「理由はこのように単純です」
他のドライバーはウェーレインの選択を支持しており、冬の体力トレーニングの機会を逸したことは、マシンが速くなった2017年には特に痛手だと強調した。
ルノーのジョリオン・パーマーは、F1でのキャリアが比較的浅いドライバーがレースを欠場するのは最後の手段だと主張した。
「彼や僕のように、チャンピオンシップで勝てるマシンで自分の実力をこれから証明する必要のあるドライバーや、後ろ盾になるような過去の栄光がないドライバーは、すべてのレースで努力し、自分にできることを示す必要がある」とパーマー。
「彼がマシンに乗ったときにどう感じるのかも知らずに、欠場を非難することはできないと思う」