アプリリアのレーシングマネージャー、ロマーノ・アルベシアーノは、2018年にサテライトチームを創設する場合、アプリリアがMotoGPマシンを供給する「準備は整うだろう」と語っている。
アプリリアは、2015年にMotoGPでファクトリーチームとしての活動を再開。メーカーとしては様々なプロダクションバイクを生産しているものの、2017年はファクトリー体制であるグレッシーニ・レーシングの1チームのみであった。
アプリリアのMotoGPマシンRS-GPは、3年間で成績を向上させてきた。開幕戦カタールGPでは、アレイシ・エスパルガロがホンダのマルク・マルケスとダニ・ペドロサにわずかに遅れて6位に入賞する活躍を見せている。
アプリリアは、MotoGPでの活動をグレシーニ・レーシングと協力して行っているため、自社のみでの参戦ではない。だが、アルベシアーノは2018年にカスタマーへマシン供給を行うための議論はできるとイタリアのスポーツ紙、ガゼッタ・デロ・スポルトのインタビューで語った。
「この種の議論をまだ正式に始めたわけではない。ただ(可能性としては)あり得る」とアルベシアーノ。
「現在はマシン開発に集中しているが、サテライトチームの創設について、我々としてもそうしたいし、2018年にはマシン供給の準備も整っているだろう」
「我々は小規模で(サテライト)チームを作り、自分たちのマシンを適切に構築すべきなんだ。そしてそれは実現可能だと思う」
「サテライトチームを持てば、経済面でも技術面でも、また競技の面でも優位に立てる」
現在MotoGPでサテライトチームを保有しているのは、ドゥカティ(3チームで計6台)、ホンダ(2チームで計3台)、ヤマハ(1チームで計2台)のみである。
だが、MotoGPの主催者であるドルナスポーツは、24台分のグリッドを、6つのマニュファクチャラーすべてが各々2台のファクトリーマシンと2台のサテライトマシンを持つ構成を目標に掲げている。
すでにKTMとスズキは来年のチーム拡充に意欲を示しており、アプリリアが新たなパートナーを見つければ、早ければ2018年にもこの目標が実現することになる。
アルベシアーノは、アプリリアがMotoGPマシンの性能を向上させたことは今後にもつながるだろうと話している。スズキから移籍してきたエスパルガロは、特にラップよりもロングランにおけるそのペース維持の性能に驚かされたという。
開幕戦のカタールGPについてアルベシアーノは「期待以上の成果があった」と評し、次のように語った。
「アレイシがマシンに良いフィーリングを持ったのはわかった。そして彼はそのマシンで良いパフォーマンスを残したんだ。素晴らしい仕事をした」
「結果を見れば、ライダーとは別にマシン自体も、ロングランでのペースを上げる要素を備えられたことがわかる」
「これからは1周ごとのラップタイムを上げていく作業が必要だ。特にセットアップや電子系統のレベルでね」
「どのくらいの作業期間を要するかはわからないが、アルゼンチンGPから作業は始める予定だ」