F1シーズンを転戦していると普段見かけない人との出会いがある。そんな人に、「あなたは何しに、レースに来たのか?」を尋ねてみる特別企画。今回は、ジェンソン・バトンのフィジオとして活躍してきたマイケル・コリアーだ。
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2016年限りでいったんレースドライバーの座を降りたジェンソン・バトン。そのバトンと2001年のベネトン時代から仕事をともにし、2008年からはバトンの専属フィジオ兼パフォーマンスコーチとしてF1界で活躍してきたのが、マイケル・コリアー(写真左)。通称、マイキーである。
バトンの専属フィジオ兼パフォーマンスコーチになって以降、マイキーがグランプリを欠席したのは、彼が結婚式を挙げた2009年イギリスGPと、彼の妻が出産した2015年のカナダGPだけ。それ以外は、すべてのグランプリに帯同し、バトンをサポートしてきた。
そのバトンが昨年の最終戦アブダビGPでF1のレースドライバーとして第一線をひとまず退いた。ところが、メルボルンに続いて、この上海にもマスキーの姿があった。いったい、マイキーはバトンがいないサーキットで何をしているのだろうか?
「それはストフェル(・バンドーン)のフィジオだよ。正確には、ストフェルのフィジオとして新しくF1界で仕事を始めるエリオットのサポートしているんだ」
昨年までGP2やスーパーフォーミュラでレースをしていたバンドーンには専属のフィジオは必要なかった。今年からマクラーレンのレギュラードライバーとなるのにともなって、バンドーンは昨年の11月にイギリス人のエリオット・チャリフール(写真右)と専属のフィジオとして契約。しかし、エリオットはこれまでF1界で仕事をしたことがないため、エリオットはマイキーから手ほどきを受けていたのである。
ただし、その手ほどきもこの中国GP限りとなる。
「エリオットもプロのフィジオなので、僕が教えているのはグランプリの流れ。2戦もあれば、引き継ぎは十分」というマイキー。今後は、どうするのだろうか。
「まだ決まっていないけど、なんらかの形でここ(マクラーレン)に残ると思う。ただし、レースには帯同しないで、ファクトリーでの仕事になると思う」と言うマイキー。長年、現場でのお仕事、お疲れ様でした。