天候不良のためにF1中国GP金曜の走行時間ほとんどがキャンセルになった後、日曜の悪コンディションを懸念し、土曜以降のスケジュール変更が検討されている。
路面はウエットコンディションではありながら走行できないレベルではなかったものの、視界不良のため医療ヘリコプターが病院に到着することができないとして、FP1の大半の時間が走行できず、午後のFP2はスタートディレイの状態が続き、結局走行が許可されないまま、セッションが終了した。
F1レースディレクターのチャーリー・ホワイティングは、この状況を次のように説明した。
「(医療)ヘリコプターが、ここから38kmの位置にある病院に着陸できない状態だ。ここ(サーキット)はさほど悪くないコンディションに見えるし、ここではヘリコプターが飛んでいる。しかし上海のダウンタウンには着陸することができない」
規則によって、医療ヘリコプターか救急車で病院に20分以内に到着できる状態でないとセッションを行うことができないと定められている。上海インターナショナルサーキットの場合、車で病院まで移動すれば、20分の制限時間を超えることになるため、万が一の事故のときに車を使用することはできない。
結果的に金曜一日で全20台が走った合計周回数は88周にとどまった。土曜はコンディションが改善するものの、日曜には金曜よりも悪いコンディションが予想されているため、土日のスケジュール変更が検討されているという。
Sky F1が得た情報によると、決勝の日曜開催のスケジュールを変更する可能性は低いものの、F1上層部は土曜に移す案について検討はしているということだ。それが実行される場合、予選と決勝が土曜に同日開催されることになる。
「日曜の天候が悪いということで、土曜にレースを開催するという話がある」と元F1ドライバーで現在テレビ解説者を務めるマーティン・ブランドルが語った。
「一部のチームは今日(金曜)遅い時間にプラクティスセッションを行うことを希望したが、それは実現しなかった」
「現在検討されているのは、明日(土曜)決勝を行うという案だ。ただし私はそうはならないと思う。テレビ放映のスケジュールがあるからだ。しかし日曜よりは土曜の方が確実にレースはできるだろう」
「明日、走行時間を余分にとるという話もあったが、チーム側が、レースギヤボックスを導入する関係でそれを望んでいない」
英AUTOSPORTによると、金曜夜のドライバーミーティングにチームマネージャーも参加し、FIAと共にスケジュール変更について話し合う予定であるという。ただし変更するには全チームの同意が必要となる。
翌週末にはバーレーンGPが控える2週連続開催となっているため、決勝を月曜に延期することは不可能であると考えられている。
メルセデスのルイス・ハミルトンはSNSを通して、土日のスケジュール変更を呼び掛けている。
「土曜にプラクティスセッションを3回やって、日曜朝に予選、その後、決勝を開催するというのはどうかな?」
「今回の不幸な出来事が結果的にいいことをもたらすかもしれない。新しいボスが積極的かつクリエイティブな行動をとるチャンスだ」