元F1ドライバー、ルーベンス・バリチェロやアントニオ・ピッツォニアなど豪華なドライバー陣が参戦するブラジルの人気ツーリングカー選手権『ストックカー・ブラジル』が4月1~2日に開幕した。
ブラジル中南部ゴイアニアのアウトドローモ・インターナショナル・アイルトン・セナで行われた2017年シーズン最初のレースは、ユーロファーマRCチームに移籍したダニエル・セラが勝利。続くレース2は、シェルVパワー・レーシングのリカルド・ゾンタが25番グリッドからの劇的逆転劇で制した。
レース1は、スタート直後に8台が絡むアクシデントが勃発。強豪シムド・レーシングのマルコス・ゴメスの80号車がロールオーバーし、女性ドライバーのビア・フィゲレイドや、フリオ・カンポス、リカルド・ゾンタ、ルーベンス・バリチェロ、アントニオ・ピッツォニアなど有力候補が軒並み巻き添えとなる大波乱の幕開けとなった。
その混乱をかいくぐり、今季からWEC世界耐久選手権のアストンマーティン・ワークスにも加入したセラが、ポールポジションから盤石のレース運びをみせる。
2番手を走るマックス・ウィルソンを引き離し、中盤までに大量リードを築くとピットウインドウでも逆転を許さず。一方、3番手だったティアゴ・カミーロのイピランガ・レーシングが迅速な作業でマシンを送り出し、マックス・ウィルソンを逆転することに成功した。
カミーロは、そのままトップのセラを追撃する態勢に入ったが、わずか1秒291差で届かず。セラ、カミーロ、ウィルソンの順でチェッカーをくぐった。
セラは「とてつもなく混戦のレースだったけど、ティアゴを抑えきれてよかったよ。彼は素晴らしいレースをしたと思う。ここで最初の勝利を挙げられたのはうれしいけど、これを続けていくためにまだまだやることは山積みだ」と、移籍初戦を勝ってなお、慎重なコメントを残した。
続くレース2は初戦をアクシデントで失っていたシェルVパワーのリカルド・ゾンタが、強烈なオーバーテイクショーを披露。
F1のBARなどでも活躍したゾンタは、25番グリッドからのスタートとなったが、今季から導入された“オーバーライドボタン”を未使用で温存したままにできた上、週末に使用セット制限のあるタイヤも新品を2セット投入できたことが勝因だったと振り返った。
「マシンのパフォーマンスには本当に感銘を受けたよ。レース1のアクシデントに巻き込まれたおかげで、このレースでは新品のセットを潤沢に使うことができた」とゾンタ。
「それに“オーバーライドボタン”も消費しないで済んだんだ」
「最初からそれを見越して戦略を立てることは難しいかもしれないけど、実際にレース2のいくつかのオーバーテイクで、それに助けられたのは事実だ」
2位にはシムド・レーシング、フェリペ・フラーガと長きにわたってバトルを展開し、ピットストップで逆転を決めたゾンタのチームメイト、アッティラ・アブレウが入り、シェルVパワー・レーシングは幸先の良いワン・ツーを達成。
3位にはレース1と同様のウィルソンが入り連続表彰台を獲得。4位にルーベンス・バリチェロが続き、セラも6位に入っている。