マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソは、F1オーストラリアGPで「記録的なレベル」の燃料セーブを行わなければならなかったとして、ホンダの2017年型パワーユニットの弱点はパワーだけではないと示唆した。
プレシーズンテストではパワーユニットに何度かトラブルが発生し、ホンダは信頼性の問題に対策を講じて開幕戦に臨んだ。開幕戦オーストラリアで、アロンソは予選13位、決勝ではマシンのダメージにより最終的にリタイアしたものの、長く10位を走り続け、ストフェル・バンドーンは13位完走を果たした。レース後、チームは予想外のパフォーマンスだったと発言している。
長いストレートを備えた上海インターナショナルサーキットではオーストラリアより厳しい戦いが強いられるとチームは覚悟している。アグレッシブなU字型デザインの“Tウイング”をテスト、新リヤウイングを導入するといったアップグレードを予定しているものの、マクラーレン・ホンダは特に決勝では苦しむものと予想される。
英AUTOSPORTは新型ホンダのライバルと比較した燃費は、昨シーズンより悪くなっていると報じている。メルボルンでアロンソは、燃料を節約するため、ブレーキングゾーンのかなり手前でスロットルのリフトオフを行わなければならなかった。
アロンソは、ホンダには課題が多数あると指摘する一方で、デプロイメントに関してはライバルたちと比較して劣ってはいないと述べた。
「オーストラリアでの僕らの燃料セーブは記録的だった」とアロンソは言う。
「エンジンが改善しない限り、今年は困難なシーズンになるだろう」
「(問題は)パワーだけではない。信頼性、燃料セーブなどたくさんある。それによって、通常のように走れないような影響がたくさん出る。エンジンのことを考えて走らなければならないからだ」
「今はマシンを走らせるのがとても難しいし厳しい」
「決勝の間、ひとつもミスを冒すことができない。コーナーでミスをすると、次のストレートでオーバーテイクされてしまう。スピード差があるからだ。だからミスは絶対に冒せない」
「ライバルたちと比較して、デプロイメントが不足しているとは思わない。ただ、パワーが他より少ないから、ストレートを走るのに他のマシンよりも時間がかかる」
ホンダは内燃エンジンのアップグレードを計画しており、新仕様を5月のスペインGPまでに用意することを目指している。燃焼プロセスを改善し、パワーを引き上げることに成功すれば、燃費向上にもつながるものと考えられる。
バンドーンは、オーストラリアGPの決勝で勝者セバスチャン・ベッテルから2周遅れの最下位13位でフィニッシュした。レースはエクストラフォーメイションラップが実行された分、1周減らされたが、それでもバンドーンはレース中、かなり燃料セーブを行う必要があったと語っている。
「燃料セーブをかなり行わなければならなかった」とバンドーン。
「トップグループがどれぐらいやっていたのか、正確には知らないけれど、メルボルンは(燃費の面で)厳しい部類のサーキットだ」
「今週末どうなのかは、実際走ってみるまでは分からないけどね」