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虹のコンキスタドールが語る、グループの個性とメジャーでの展望「アイドルと二次元繋ぐ架け橋に」

2017年04月06日 19:03  リアルサウンド

リアルサウンド

虹のコンキスタドール(写真=三橋優美子)

 イラスト投稿SNS『pixiv』を運営するピクシブ株式会社が手掛ける女性アイドルグループ・虹のコンキスタドール。メンバーがそれぞれイラストレーター、コスプレイヤー、振付師、声優の4チームに分かれているのが特徴だ。いわゆる“二次元カルチャー”に特化した同グループは、2014年の結成から現在までに、8枚のシングルと2枚のアルバムをリリース。1月には川崎クラブチッタにてワンマンライブを開催し、約1300人を動員した。


 そんな彼女たちがついにキングレコードよりメジャーデビューを発表。4月26日に発売されるメジャーデビューDVDシングル『†ノーライフベイビー・オブ・ジ・エンド†』を中心に、結成からこれまでのこと、グループのこと、そして今後のことについて、話をきいた。(岡島紳士)


(関連:ピクシブ発アイドル、虹のコンキスタドールが目指すものは? 永田P×もふくちゃんが対談


■「食べ物もシングルにできるんだ」(陶山恵実里)


--自分たちでは虹のコンキスタドールをどういうグループだと見ていますか?


陶山恵実里(以下、陶山):アイドル活動だけじゃなく、声優、イラストレーター、コスプレイヤー、振付師という、それぞれの夢に向かって活動していくグループですね。メンバーの中にオタクが多くて、個性がひとりひとり強く、面白いグループです。


大塚望由(以下、大塚):リーダーがいないグループです。


--年長者がまとめるんですか?


鶴見萌(以下、鶴見):年長の人ほどしっかりしてないので(笑)。年下のかりんちゃん(的場華鈴)が頑張ってます。


的場華鈴(以下、的場):リーダーではないけど、ダンスリーダーではあります。


--虹コンといえば、カップ麺(7thシングル『LOVE麺 恋味 やわめ』2016年12月19日発売)やレトルトカレー(8thシングル『レトルト ~華麗なる愛~』2017年1月9日発売)にQRコードをつけてシングルとしてリリースしたことが話題になりました。カップラーメンでシングルを出すって聞いたときは、どう思いました?


的場:「マジか!」って思いました。その前にTシャツにQRコードをプリントしたものをリリースしたことはあったんですけど。「今度は食べ物なんだ!」って。でもラーメンはすごいオトクだなと思いました。曲が聴ける上に、食料にもなるし、素晴らしいなって。


根本凪(以下、根本):CDだとファン以外の人に渡しづらいかもしれないけど、ラーメンだったら配りやすいし。一般の方にも伝わっていきやすいかなって思いました。


奥村野乃花(以下、奥村):親にも送れるし、最高ですよね。


--どうしてラーメンでシングルをリリースすることにしたんでしょう?


的場:たぶん「メジャー前に遊んどこう?」ってことかも(笑)。でも曲もちゃんとしてて面白いんです。ラップ調で、歌詞とメロディーが切なくて、キュンキュンしちゃいます。でも曲のテーマはラーメンなんです!


奥村:うまいこと言ってるんですよ。「センチメンタル」「めんどくさい」とか。麺に絡めたダジャレで。


--味はどうでした?


大和明桜(以下、大和):本格的でした。博多一風堂のカップ麺で知られている渡辺製麺さんが制作してくれて。具材が乾燥したものじゃなくて、チャーシューとか生なんですよ。


的場:カレーシングルは秋葉原のカリガリカレーさんに全面協力して貰って作りました。スパイスの感じがすごい出てて、ほんとにおいしいです。


大塚:おいしかったです。


陶山:いろんな人が知ってくれるきっかけになりました。「ラーメン食べたいー」って言ってくれたり。食べ物もこうしてシングルにできるんだなあと思いました。虹コンで活動してると発想の幅が広がりますね。個人的にはスウィーツシングルがいいです。ナマモノになっちゃいますけど(笑)


■「アニメの主題歌を歌うっていう夢にぐっと近づいた」(的場華鈴)


--そして今年の1月9日には川崎クラブチッタでワンマンライブを開催し、満員の約1300人を動員しました。


中村朱里(以下、中村):めっちゃ人いましたね、今までで一番。満員で、扉も閉まらないくらいで。


鶴見:当日までどうやったらお客さんを呼べるか、メンバーと会議して、その動画をアップしたりとか、いろなことを試してみての当日満員だったので。もう、すごい嬉しかったです。


--そこで初めてメジャーデビューすることを発表したんですよね。2014年7月の結成から約3年でのメジャーデビューですが、皆さんはいつくらいにメジャーデビューの話を聞いたんですか?


鶴見:みんなバラバラのタイミングなんですよ。私はカナダでの遠征のときに聞きました。でもだいたいみんな去年の夏くらいです。


--その時はどう思いましたか?


的場:メジャーデビューしたいという思いはあったんですけど「まさかキングレコードから!」と思いました。


-- どういう部分を「まさか!」と思ったんですか?


的場:レーベルメイトとしてAKB48さんやももいろクローバーZさんがいらっしゃるというのがまずあって。それにアイドルだけじゃなく、アニメにも強いんですよね。虹コンメンバーはみんなアニメが好きで。アニメの主題歌を歌うっていう夢にぐっと近づいたんじゃないかって。


奥村:だよね。もうその夢に手が届く距離に来てる感じがするのがヤバイ! 初めて聞いたときは今までのいろんなことが実を結んだようで、嬉しかったです。


鶴見:それまで不安定なところもあったけど、メジャーデビューが決まったことでメンバーも一丸になれたかなって思います。引き締まりましたね。


陶山:「あのキングレコードさんですか!」という気持ちでした。本当に嬉しくて、信じられなくて。でも私たちに務まるだろうか、というプレッシャーもありました。


的場:あと、すごいみんなに言いたかったです(笑)。1月にやったワンマンライブで発表したんですけど、そのタイトルも「どうしても言いたいことがあるんだよ ~虹コンから大切なお知らせがあります~」で。ほんとに早く言いたかった! ずっとウズウズしてました。


--半年ほど我慢してたってことですよね(笑)。そしてついにステージ上でお客さんに発表できたその瞬間はどういう気持ちでした?


奥村:超気持ち良かったです。お客さんのリアクションが一気にばーって広がっていくのが見えるんですよ。その瞬間「スッキリ!」って思いました(笑)。


的場:泣いてる人もいて。ほんとに一緒に喜んでくれて。


根本:喜びを分かち合えたのが嬉しくて。しかも会場が満員の状態で。最高でしたね。


陶山:みなさん驚いてましたね。


■「前向きでノリノリになれちゃいます」(奥村野乃花)


--ではそのメジャーデビュー曲「†ノーライフベイビー・オブ・ジ・エンド†」についてですが、どんな曲ですか?


大和:虹コン主演の映画『聖ゾンビ女学院』を作ってるスタッフさんとMVを作っているスタッフさんが同じで、完全連動しています。大雑把に言うと「ゾンビロック」。新ジャンルですね(笑)。


中村:ゾンビながらに前向きというか。MVではゾンビに追いかけられながらも笑顔だったりとか、明るいところが好きですね。


奥村:台詞部分の〈我々はこれより革命を開始する!〉がすごくいい! 前向きでノリノリになれちゃいます。ゾンビが踊り出しちゃうくらい。


的場:〈わたしビューティフォー!〉って歌詞、よく考えるとすごいですよね。


陶山:悲しいことを明るく歌ってるような歌詞なんですよね。そこが好きです。伴奏の豪華な感じがカッコいいです。是非メンバーみんなのカッコイイ台詞を聴いてほしいです。


鶴見:映画の銃撃のシーンで流れてる「desperate ver.」もめっちゃカッコイイですよ。もともとノリがいい曲なのにさらにヤバイ! CDには収録されてないけど、ライブでは披露しています。


大和:と言っても、映画のためだけに作られているわけじゃなく、曲単体でも成立する曲になっています。


--どのあたりが聴きどころですか?


的場:個人的に好きなのは、自分のところだと、台詞の〈でも、結局人生から逃げたいだけなんだにゃ~〉のところ。あと、ののた(奥村)の2番Aメロの〈さいこーめちゃアナーキー・イン・ザ TOKYO〉の「TOKYO」をわざと「トキオ」って発音するんですけど、その言葉の伸ばし方がめちゃめちゃ好きです。


■「ゾンビが好きすぎて、ゾンビが近づいてこなかった」(大塚望由)


--ではその連動している初夏公開予定の映画『聖ゾンビ女学院』はどんな内容でしょう?


大塚:新型のウイルスが蔓延して、人を食べる死者「ギンプ」が大発生した世界で起こるお話です。


的場:ゾンビの特殊メイクがほんとにリアルで。肉がえぐれてたり、目が真っ白だったり。振り返った時にいきなりゾンビがいるとほんとに怖くて。


--ホラー好きのメンバーはいますか?


中村:USJに行ったとき、大量のゾンビがいた日で、ゾンビが好きになりました。なのでこの映画を撮るって聞いて「ヤバイ!またゾンビに会える!」って思ってワクワクしてました。


大塚:ゾンビが好きすぎて、あまりゾンビが近づいてこなかったよね。


中村:逆にゾンビをどうやって驚かせるかっていう遊びをしてました。


--撮影は楽しかった?


中村:撮影自体は過酷だったんですけど、すごい温かい現場で。楽しく出来たなって思いますね。


大和:虹コンは「初めての人とは分かり合えない」みたいな人が多いんですけど。家族のような関係でした。


根本:クランクアップの時はイヤ過ぎてみんな泣く、みたいな。 一丸となって撮影できた感じでした。


陶山:みんなで食べた焼肉とお寿司がおいしかったです。MVで食べてるので、是非見つけてほしいです。


■「かりんちゃん(的場)はダンスがすごい」(根本凪)


--ちなみに「メンバーのここがすごい!」というところってどういうところだと思いますか?


的場:ののたはレスがすごいんです。ライブ中のお客さんへの指差しとか。


奥村:意識してますね。広い会場でも「あのファンの人はここにいるんだ」って。もともとアイドルが好きなので、ファンの方の気持ちが分かるんです。武道館でライブをしたとしても、ファンの方を客席に探したいなって思ってます。


根本:ダンスリーダーのかりんちゃん(的場)はダンスがすごいです。あかりん(中村)もすごいけど。ほんとに極めてるんです。見て圧倒されてほしいです。


奥村:もえちゃん(鶴見)も動きがすごいです。きめ細やかというか、一つひとつが「鶴見萌」っていうジャンルの動きなんですよ。指先とかすごいこだわってて。注目してほしいです。


的場:「大キライでした。」という曲のサビの指差しの時の指の角度がちょっと余韻を残した感じで。


大和:わかる!


鶴見:初めて言われたー(笑)


中村:虹コンってダンスにしても歌にしても被ってる子がいなくて。特徴があって、バラバラで。面白いグループだなと思います。


■「アニサマに出たいです」(中村朱里)


--では最後に。将来的にはそれぞれどういう夢がありますか?


的場:虹コンは「虹」と「二次元」をかけているところがあって。アイドルと二次元の分野を繋ぐ架け橋になれるようにっていう思いが込められてるんです。なので虹コンでアニメを作りたい。イラストレーターチ-ムがキャラデザをやって、声優チームが声優をやって、その公式コスプレイヤーをコスプレチームがやって、振り付けチームが振り付け をやる、みたいに、全部をグループでやれたらなって思います。


中村:アニサマ(『Animelo Summer Live』。世界最大のアニソンライブイベント)に出たいです。そのためにはアニメの主題歌をやらないと難しいので、やりたいですね。


的場:アイドルとしてもどんどん大きくなっていきたいので、将来的には武道館とかドームとかアリーナとかおっきいステージでライブをしたいんですけど、その通過点としてZeppツアーをやりたいなって。全国に虹コン大好きマンを作って、段階を踏んで成長していけたらなと思います。


奥村:私、特撮ヒロインになりたくて。『特命戦隊ゴーバスターズ』から好きになって、憧れてます。アクションをしたいですね。あかりんは声優チームだからプリキュアの声優をやって、私は仮面ライダーをやって、日曜朝8時のテレ朝のあの枠を制覇できたら最高ですね! 


大和:私は、一時期ほんとに仮面ライダーになりたくて、バク転教室に通ったりしたこともあります。バク転は1回だけ成功しました(笑)。


根本:私は今、グラビアをやらせて頂いています。でもグラビアができるアイドルってたくさんいるんですよね。ただ私は絵を描いたり歌を歌ったりすることも好きなので、その2つとグラビアをかけあわせて、何か新しいカルチャーを作って、その教祖になりたいです。


大塚:私は街を作りたい。高層ビルとか工場が建ってるところとかって、無音の精神的暴力を感じるんです。「敵わないんだぜ」ってすごく言ってきてる気がして。そういうものに絶対に負けたくないって思ってて。なので例えば高層ビルや工場に、デザインとか絵を描いちゃったりして、自分のものにしたいです。


鶴見:海外のイベントにたくさん出たいですね。シンガポールの『アニメ・フェスティバル・アジア(AFA)』に出させて頂いたんですけど。今度はメインステージに出たいなって。あと『Japan Expo』にも出たいです。


陶山:これからメジャーデビューをして、今まで見たことのない景色を、もっともっと見つけたいです。